△ 「悩める王子の惑星」シーン44


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照明が変わるとクレセントの夢の中。クレセントフラフラと倒れ込む。

クレセント 「ここは病院では?え?アルバトロスの丘?うわっ、あ、いえ…目がお悪い…(ハッとして立つ)あいてて…(また座る)はい。あ、あの、お名前は?…メリールー…」写真

ヴィンセントの声がする

ヴィンセント 「クレセント!クレセント!」
クレセント 「兄さん?…ヴィンセント兄さん?!」

ヴィンセント、走り出て来る。軍服にアポロキャップ。後ろからササガニもついてくる。

ヴィンセント 「クレセント!」
クレセント 「兄さん!…何その格好?」
ヴィンセント 「これは今乗ってる潜水艦の…」
クレセント 「後ろのカンフーパンダみたいな人は?」
ヴィンセント 「この人はあの世のエージェントで…」
ササガニ 「10秒経過なのねー。」
ヴィンセント 「すまん、一分しか時間がもらえないんだ。しっかり聞いて覚えとけ。いいかクレセントこれは夢だ。夢だけど本当の話だ。」
クレセント 「う、うん。」
ヴィンセント 「ランセントとシャーロットが危ない。」
クレセント 「危ない?救助船に何か?」
ヴィンセント 「このままだと罠にはまる。そしてこの国も消えてなくなっちまう。」
クレセント 「ど、どういうこと?」
ヴィンセント 「俺も詳しくは教えてもらえないんだ。だが下手するとみんなこっちの世界に来ちまう。」
ササガニ 「30秒経過なのねー。」
クレセント 「それって、みんな死ぬって事?」
ヴィンセント 「ああ、でもお前なら阻止できる。」
クレセント 「どうやって?」写真
ヴィンセント 「お前自身の心の声を信じろ!自分を信じて戦え!」
クレセント 「ザックリし過ぎだよ兄さん!」
ヴィンセント 「それでいいんだ。キーワードは「ランセント」「シャーロット」「救助船」「罠」!」
クレセント 「「ランセント」「シャーロット」「救助船」「罠」…でも兄さんこれ夢だよね?」
ヴィンセント 「夢だ。夢だけど本当の話だ…ってさっきも言った!時間もったいない!」
ササガニ 「10秒前なのね。9、8…」
ヴィンセント 「うわクソッ!鍵の話が出来なかったじゃん!」
クレセント 「鍵って…」
ヴィンセント 「じゃあなクレセント!みんなを頼んだぞ!」
クレセント 「兄さん!」
ヴィンセント 「おれはお前の心の海にいる!信じろ!」

ヴィンセント、ササガニ、消えて行く。

ササガニ 「タイムアップなのねー!」
クレセント 「…兄さん…キーワード…ランセント…シャーロット…」

クレセント、ゆっくり座り横になる。

(作:松本じんや/写真:関口空子)

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