「悩める王子の惑星」シーン２４

下手側の灯りがつくと、ハヤブサが座っている。その傍らに、ミルが立っている。

ハヤブサ「ちくしょう…ちくしょう…」
ミル「申し訳ありませんが、しばらくベットに固定させてもらいます。」
ハヤブサ「お前らなんかに何もしゃべらねえぞ！」
ミル「何も聞きませんよ。お名前は？」
ハヤブサ「聞いてんじゃねーかよ！」
ミル「お名前くらい…」
ハヤブサ「教えるもんか。」

ミル、手かざし。

ミル「ハヤブサ・ユンカース。」
ハヤブサ「え？！な、なんで？！」
ミル「パンツに名前が書いてあります。」

ハヤブサ、内股になる。

ハヤブサ「え～っ！お前、見えるのか？！」
ミル「はい。」
ハヤブサ「ああもう！殺せ！殺してくれ！」
ミル「できません。」

シュミット、ジャスミン、グラマン入ってくる。

シュミット「ごめんなさいね。縛りつけちゃって。」
グラマン「聞きたいことは山ほどあるが…」
ハヤブサ「しゃべるもんか。」
グラマン「だよな。」
シュミット「彼は任せて。何かあったらすぐに連絡するから。」
グラマン「お願いします。」

アーモンド、入ってくる。

アーモンド「ジャスミン、お城に戻れる？」
ジャスミン「ええ。グラマンさん。」
グラマン「ああ。」

グラマン、ジャスミン、アーモンド、ハケながら

アーモンド「よ～し！」
ジャスミン「何？」
アーモンド「なんでもない。」

３人ハケる。ミル、シュミットにカルテを渡す。

シュミット「ハヤブサ・ユンカースさんね。しっかり休んで疲れを取って下さい。ミル、担当お願いね。」
ミル「はい。」
シュミット「ごゆっくり。」

シュミット、ハケる。ミル、ハヤブサ、目が合う。ミルが微笑む。ハヤブサ、内股になる。下手灯り、消える。

（作：松本じんや／写真：関口空子）