「悩める王子の惑星」シーン１５ 「悩める王子の惑星」シーン１５トップページ > ページシアター > 悩める王子の惑星 > シーン１５ 【公演データ】
ライトフライヤー店内。陽気なオールディーズが流れている。グラマン、ジャスミン、アーモンド入って来る。
店主のファルコが出迎え。
ファルコ 「いらっしゃい。お？見ない顔だね。」
グラマン 「昼間の騒ぎの。」
ファルコ 「え？それじゃタクシードライバーの？」
ジャスミン 「違います。」
ファルコ 「店長のファルコ・ノースロップです。」
ファルコ、ジャスミンと握手。
ジャスミン 「ジャスミン・セナです。」
ファルコ 「ジャスミン・セナ…って…え？！」
グラマン 「あのジャスミン・セナだ。」
ファルコ 「名探偵さんの？！いやあ！光栄です！」
ジャスミン 「ども。」
アーモンド 「僕は助手のアーモンド。」
ファルコ 「宜しく。」
アーモンド 「あのぉファルコさん、何か食べるものを…」
ファルコ 「喜んで。」
ファルコ、ハケる。３人腰掛ける。
グラマン 「さて、本題だ。端的に言おう。連続殺人の犯人探しだ。」
アーモンド 「連続殺人？この町で？」
ジャスミン 「被害者は？」
グラマン 「王立空軍スカイガーディアンズの飛行隊員。」
ジャスミン 「さっきの？」
グラマン 「彼らの仲間が立て続けに３人。しかも戦闘中に殺された。」
ジャスミン 「戦闘中に？戦死ではなく？」
グラマン 「一見戦闘中の事故にしか見えないがな。」
ジャスミン 「この国の運命がかかってるって…」
グラマン 「この王国の軍隊は空軍だけ。つまりあの飛行隊だけでこの星を守っている。」
ジャスミン 「たった数人で？」
グラマン 「エッグがあれば充分だった。しかしもう６人しか残っていない。さすがに危うい。」
ジャスミン 「隊員を増やせば。」
グラマン 「エッグには能力があるものしか乗れない。なければ乗り込む事さえできない。」
ジャスミン 「条件は？」
グラマン 「不明だ。言ってみりゃエッグに選ばれし者ってとこだ。」
ジャスミン 「３人の死因は？」
グラマン 「一人目は戦闘中に心停止。二人目は機内で拳銃が暴発し死亡。３人目が…エッグ消滅による転落死。」
アーモンド 「エッグ消滅？」
グラマン 「エッグには自爆装置の様なものがあってな。それを作動すればエッグは一瞬で煙になる。なぜかそいつが誤作動し、パイロットは空中に投げ出された。」
アーモンド 「パラシュートは？」
グラマン 「開かなかった。」
アーモンド 「なんてこった…」
ジャスミン 「容疑者は？」
グラマン 「３人への接触や、機体に細工できた者は限られてる。恐らくもうすぐ…」
ファルコ、料理を持って来る。
ファルコ 「お待たせしました。今日のおすすめ、カニのパスタです！」
アーモンド 「イターリアン！」
ファルコ 「５年振りにあがった貴重なカニだよ。」
アーモンド 「頂きまーす！」
アーモンドがっつくが、ピタッと止まる。
ファルコ 「いかが？」
アーモンド 「…超おいしい！！」
ファルコ 「でしょ。」
飛行隊の面子、ランセント、シャーロット、チヌーク、カーティス、ニルス、最後にクレセントが入って来る。
ランセント 「ウィーカミング！」
ファルコ 「いらっしゃい。」
グラマン 「来たぞ。容疑者たち。」
ジャスミン 「なるほど。だからこの店か。」
チヌーク 「グラマンさん。」
ランセント 「来てたんですね。あ、その人達…」
カーティス 「てめこの！クソタクシードライバー！」
ジャスミン 「だから違うって。」
グラマン 「皆さん聞いて下さい。彼女はあのジャスミン・セナです。」
チヌーク 「え？うそ？！」
ランセント 「本物の？」
ジャスミン 「はい。」
カーティス 「誰だって？」
ニルス 「知らないんですか？有名な探偵ですよ！」
カーティス 「知らん。とにかくてめえのせいでこちとら死にかけたんだ！探偵だかなんだか知らねえが…」
また高い声で棒読みになる。
カーティス 「きちんと頭下げやがれこのクソタクシードライバー！」
ニルス、またメディシガーを出して。
ニルス 「カーティスさん！はい、はい。」
カーティス、メディシガーを吸って深呼吸。
クレセント 「待って下さい、ジャスミン・セナって確か…」
グラマン 「王家と遠い親戚です。」
カーティス 「え？そうなの？」
ニルス 「ぶっ殺さなくて良かったですね。」
カーティス 「先に言えよ…」
クレセント 「これは失礼いたしました。僕はこの国の王子、クレセント・マクドネルです。」
ジャスミン 「王子さまでしたか。お会いできて光栄です。」
アーモンド、口いっぱいにパスタを入れたまま
アーモンド 「ほぐはひょふお…」
ジャスミンに背中を叩かれパスタを飲み込み
アーモンド 「僕は助手のアーモンドです！」
クレセント 「宜しく。」
グラマン 「王子。今彼女らに捜査の協力をお願いしているところです。」
クレセント 「それは心強い。どうか宜しくお願い致します。」
ファルコ 「さて、今日は？」
ランセント 「ファルコさんのおすすめで！」
ファルコ 「ドリンクはいつもので？」
飛行隊 「ＯＫ！」
ファルコ 「ウィー。」
ファルコ、ハケる。
クレセント 「では失礼。」
飛行隊、別の席に座る。全員ストップモーション。
（作：松本じんや／写真：はらでぃ）