△ 「悩める王子の惑星」シーン10


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ジャスミン、アーモンドに抱えられながら出て来る。

アーモンド 「いやあ、なんとか助かりましたねーミサイルも不発だったし。いてて、足やっちゃったなコリャ。」
ジャスミン 「あたしは全身やばいけど…」
アーモンド 「この惨状で生きてたなんて、やっぱり凄いですよね!」
ジャスミン 「なにが?」
アーモンド 「エアバック。」

ジャスミン、アーモンド、無言で見つめ合う。

2人 「あはははは…いてててて…」
アーモンド 「あ、戦闘機が降りて来ました。」
ジャスミン 「あれ戦闘機なの?銀色の卵みたいなの。」
アーモンド 「タクティカル・エッグ。この星の古代遺跡です。」
ジャスミン 「古代遺跡?」
アーモンド 「別の銀河の文明が置いて行った物だとか。」
ジャスミン 「へえ。」写真

飛行隊の4人が銃を構えて出て来る。ジャスミン、アーモンド、両手を挙げる。

ランセント 「動くな!」
クレセント 「王立空軍スカイガーディアンズだ!ジモラス軍の者か?」
ジャスミン 「地球人よ。このタクシーの乗客。」
クレセント 「運転手は?」
アーモンド 「逃げちゃった。」
ランセント 「ウソをつけ!」
アーモンド 「ウソじゃないよ。」

カーティス、ニルス、銃を構えて出て来る。ニルスはカーティスの襟を押さえている。

カーティス 「てめえか!このクソタクシードライバー!」
ジャスミン 「だから乗客だって。」
カーティス 「戦闘空域にいきなり出て来るなんて何考えてやがんだコノ野郎!」

カーティス、急に高い声で棒読みになる。

カーティス 「てめえのせいで爆弾くらって死ぬとこだったんだぞ馬鹿野郎。」
ジャスミン 「え?」
ニルス 「まずい。」
カーティス 「ぶっ殺してやる!」
ニルス 「カーティスさん!どうぞどうぞ!」

ニルス、タバコの様なものを取り出し、カーティス、受け取り吸い込んで少し落ち着く。

アーモンド 「あの人、地球人じゃないですよ。」
ジャスミン 「え?」
アーモンド 「あのメディシガー使うのは、地球人の体をもらった別の星の人だけです。」
ジャスミン 「メディシガー?タバコじゃないの?」
アーモンド 「薬です。もらった体の調子が悪くなると必要なんです。」
ジャスミン 「調子が悪くなると、あんな声に?」
アーモンド 「みたいですね。」

グラマン、銃を構えて現れる。

グラマン 「王子!無事ですか?」
ジャスミン・アーモンド 「王子?」
クレセント 「無事です。」
グラマン 「こいつらがタクシーを?」
クレセント 「乗客だと言い張ってますが。」写真

グラマン、警察バッジを見せ。

グラマン 「王立警察、捜査官のグラマン・ハマサキだ。君達を署まで連行する。」

シュミット、ミル、登場。

シュミット 「先に病院よ。」
グラマン 「おい!シェルターで待ってろと…」

ミル、ジャスミンとアーモンドに手かざし。

ミル 「こっちの子は右足首捻挫。こっちのおねえさんは左足骨折。あばらも3本折れてます。」
グラマン 「ジモラスの兵隊かも知れない。」
ミル 「ジモラス人の血はありません。2人とも純粋な地球人です。」
アーモンド 「この子スゴい。」
グラマン 「どちらにしろ不法入国者だ。ジモラスに雇われた地球人かもしれんし。」
ミル 「例え敵でもケガ人をほっておいたら、銀河協定違反ですよ。」
グラマン 「…チッ」

メリールー、走り出て来る。ベルも追って出て来る。

ベル 「ちょっとお姉ちゃん。」

ランセント、メリールーに気がつく。

ランセント 「あ、兄さん。」
クレセント 「あ。」

ランセントに促されてクレセント隠れる。

メリールー 「あの…セレックさんはご無事ですか?」
ランセント 「ああ、無事無事。全然無事。」
メリールー 「良かった。どちらに…」
シュミット 「メリールー、応急処置を。」
メリールー 「はい。」
ミル 「右足首。」

メリールー、アーモンドの足に手かざし。

アーモンド 「あ、痛みが引いた。」
ジャスミン 「ヒーラー?」写真
ミル 「左足とあばら。」

メリールー、ジャスミンの足と胸に手かざし。

ジャスミン 「あ。」
メリールー 「お加減は?」
ジャスミン 「だいぶ楽に。」
メリールー 「ちゃんとした治療は病院で。」
グラマン 「質問には答えられそうだな。」
シュミット 「取り調べなら病院でどうぞ。」

コルセア出て来る

コルセア 「とにかく急いでここ離れねーと、このミサイル、いつ爆発してもおかしくねえぞ。」
グラマン 「直ぐに処理班を呼ぶ。」
シュミット 「行きましょう。」
シャーロット 「我々は戻るわよ。」
飛行隊 「ラジャ!」
コルセア 「ベル!戻ってエッグの整備だ。」
ベル 「はい。」

病院組と飛行隊、コルセアは別々のハケへ。ランセントがメリールーにかけより

ランセント 「お嬢さんちょっと。」
メリールー 「え?…はい。」

メリールー、ランセントに付いて行く。それに気付いたベルがこっそり後を追う。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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