△ 「あげぞこ先生」プロローグ


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静かな音楽と共に白黒の無声映画が始まる。
字幕「1980年」
中学校の校舎。教室の黒板の前に一人佇む少女。黒板には「バケモノ」「死ね」等の悪口が一面に書かれている。拳を握り、少女は教室を飛び出す。そこに女性の教員が通りかかるが、少女は走り去り、人けの無い校舎の隅にしゃがみこんで泣き出す。教員は少女をみつけ、声をかける。(台詞は字幕)

教員 「星川さんごめんなさい…私の力が足りなくて…」写真
少女 「いいんです。私、バケモノですから。」
教員 「バケモノ?」
少女 「先生もそう思っているんでしょ?」

少女、去ろうとする。

教員 「待って…」
少女 「もう私にかまわないで下さい。」
教員 「私も能力者なの。」

少女立ち止まる。

教員 「だからあなたの苦しみは痛い程わかる。」

教員、少女の肩に手を置き

教員 「私も一緒に戦う。だから負けないで。」

少女、うなずく。二人の姿が遠くなり、映画は静かに終わる。暗転。音楽消える。

(作:松本仁也/写真:はらでぃ)

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