△ 短編戯曲コンクール 公開審査会のご報告


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『果て無き砂漠に迷う夜、水を一杯さし上げ候』。

こんにちは、中澤です。
行ってまいりました、熊本。聞いてきました、審査会。上がりまくりました、血圧。
てなわけで、その簡単なご報告―。

3月18日〜21日に、熊本県立劇場で行われた「第四回 日本劇作家大会」。
その三日目にあたる20日に、「短編戯曲コンクール」の公開審査会が開かれました。
最終候補作は、自作「菜ノ花狩りに日は続き」を含め、8作品。
結果から申しますと、ダメでした。落ちました。
経過を、大会のホームページから引用させていただきます。

  1. 16:05〜 小松氏が作品順にあらすじ説明〜作品ごとに討論 〜17:41
  2. 17:49 再開 各審査員2票ずつの投票
  3. 決まらず、かごめかごめ、菜の花狩りに日は続き、俺の屍を超えていけから再投票
  4. 大会運営委員長坂手氏の提案により二本受賞

…というような感じです。

受賞はなりませんでしたが、最後まで候補作として残ったこと、自分と同世代の作家に評価してもらえたことは、大きな励みとなりました。
そして何よりも嬉しかったのは、長いブランクがあったにも関わらずここまで来られたこと。
それはひとえに、励まし勇気づけ寄り添い叱り飛ばし気長に信頼して一緒に歩いてくれた皆さん、みんなのおかげです。
本当にありがとう。ありがとうございました。
皆さんがいて下さらなかったら、きっとわたしは書くことをどこかで諦めていたかもしれない。
涸れてしまった自分の水脈を、もう一度掘り起こそうとは思わなかったかもしれない。
けれども、水は、帰って来、わたしは、その水を汲むことを、始めた。
水が流れてゆくことの幸せを、いま、改めて感じています。

ところで冒頭に挙げた、『果て無き砂漠に迷う夜、水を一杯さし上げ候』ですが…。
じつは性懲りも無く、今度は九月に愛知の長久手で開かれる「劇作家大会in長久手」でのイベント「劇王III」に参加することになり、そのキャッチコピーとして考えたものです。
この「劇王III」はですねー、日本全国および韓国から集まった13名の劇作家が、20分の短編芝居を上演し、観客の投票によって勝者を決める、という対戦型のイベント(らしい)です。名古屋で近いし万博も行けるしなんかお祭りみたいで楽しそうだから応募しちゃおうかな、と軽いノリでエントリーしました。
あまりにも自分勝手な行動なので、劇団に迷惑をかけても、と思い、個人的なユニットを作り、そのユニットで参加します。
ユニット名、『ツォルク砂丘』
固定メンバーは、作・演出の中澤と役者の越後の二人だけ。そのほかの役者・スタッフは、公演のつど、声をかけることにしようと思っています。
劇団活動ももちろん変わらず続けていきます。

それでようやく、『果て無き砂漠に迷う夜、水を一杯さし上げ候』ですが…。
意味は、まんま、そのまんまの意味です。
果ての無い砂漠で迷う人に、わたしができること。
それは、たった一杯の水をさし出すことかもしれない。
いや、一杯にも満たない、一滴のしずくしか手渡すことができないかもしれない。 いやいや、しずくどころか、一緒に行き倒れてしまうかも…。
それでも、砂漠の夜に、座っていよう。
座り続けることしかできないのなら、座り続けられる限り、座り続けていようと思うのです。

審査会の報告のつもりが、話が思いっきりそれてしまいました。す、すみません…。

熊本ラーメン美味しかったです。馬刺しも、いきなり団子も美味でした。
城は美しかったですが、残念ながら桜は咲いていませんでした。
芝居を愛する人たちと過ごすことができた四日間は、貴重な経験としてわたしの中に残っています。

『果て無き砂漠に迷う夜、水を一杯さし上げ候』。
砂漠の空を見上げましょう。一緒に。
どんな乾いた大地にも、必ずそそぐ雨のあらんことを。

2005/03/26 中澤日菜子


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