△ 「ブリジニツィー」シーン12


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PM3:00
8係

上原 「信じられませんよ。新垣さんがエイベキスタンのスパイで、僕らを利用してるだなんて。」
今井 「僕だって信じたくないさ。でも…」
木村 「確かめてみたんでしょ?」
今井 「はい。さっきクローンの話をチラッとしてみた時…」
島袋 「動揺したか?」
今井 「えぇ。3つの時からの付き合いですから。わかっちゃうんですよね、ケンちゃんって嘘つくと……ジャンプしちゃうんです。」
今井以外 「あ〜あれ!」
上原 「良くスパイなんかやってられますね。」
今井 「そして5年前、警部達をはめて鈴木刑事を殺したのも…」
島袋 「残念だが新垣君だ。彼は当時から、エイブ・メディカルでクローン実験に関わっていたらしい。」
木村 「なんて奴。」
上原 「じゃぁ、浜崎さんもグルって事ですか?」
島袋 「いや、あの様子だと奴も騙されているね。おそらく我々が犯人とグルだと思い込んでる。」
上原 「僕らはどうなるんですか?」
島袋 「わからん。が、今はディスクを取り戻し、犯人一味を逮捕するのが優先だ。もちろん、新垣君には充分気を付けてな。」
上原 「はい…」
島袋 「それから木村君。」
木村 「はい。」
島袋 「例のバラバラ事件の犯人について、まだ話す事があるんじゃないのか?」舞台写真
木村 「え?…・やっぱり警部には隠せませんね。」
島袋 「話したくなきゃ無理にとは言わんよ。君を信用しているからね。」
木村 「ありがとうございます。実は…先ほどは調べがつかないと言ったトヨカワアキラという人物ですが、おそらく私の知り合いかと…」
上原 「知り合い?」
島袋 「君の事だから、自分の手で逮捕したいって事でしょ?」
木村 「すいません。ちょっとワケありで…」
上原 「元恋人とか?」
今井 「ドラマチックだ。」
島袋 「まぁいいでしょう。やりたいようにやって下さい。但し、ピンチの時は助けさせて貰いますよ。」
木村 「はい。」

電話が鳴る。

今井 「警部?」
島袋 「うむ…(電話に手かざし)犯人からだ。(電話に出る)はい8係。遅かったじゃない。」
オレンジ 「もっ、も、もしもし?」
島袋 「ん?さっきの奴と違うなぁ?」
オレンジ 「そっ、そっちも違いますね?」
島袋 「うん、ちょっと忙しくてね。交代したよ。」
オレンジ 「こっ、こっちもです。」
島袋 「あっ、そう。(小声で刑事達に)何か変だぞ。」
オレンジ 「取り引き場所は、浅川地下壕、ロ地区、第13南口。ヘリは浅川中学校の校庭へ降ろして下さい。時間は今から30分後で。」
島袋 「わかった。」
オレンジ 「そっ、それと…」
島袋 「何?」
オレンジ 「うっ、うっ…上原さんいますか?」
島袋 「え?あぁいるけど。…上原君。」
上原 「え?ぼ、僕?(電話に出る)はい、上原ですが?」
オレンジ 「お前誰だ?」(皆コケる)
上原 「はぁ?だから上原ですが?」
オレンジ 「そっ、そんな馬鹿な!」
上原 「馬鹿なって…アンタが僕と代われって言ったんでしょ?」
オレンジ 「誰に頼まれた?」
上原 「いや、頼んだのはアンタでしょ!」
オレンジ 「誰に頼まれて上原をやっているんだ?」
上原 「別に頼まれて上原やってるわけじゃないんですけど。」
オレンジ 「嘘だ。」
上原 「嘘なんかついてませんよ!」
オレンジ 「嘘だあああああっ!!(電話切れる)」
上原 「もしもし?!おいちょっと!…何だよこりゃ?…あれ?でも確か今の声、どこかで聞いた事が…」
木村 「お知り合い?」
上原 「何か凄く身近な人のような気が…」
島袋 「よし、急いで現場へ飛ぶぞ!」
島袋以外 「はい!」

上原だけ逆へ走る。

島袋 「お〜い、どっち行ってんの?」
上原 「え?だってパトカーに乗るんじゃ…」
島袋 「聞こえなかったの?現場へ飛ぶって言ったでしょ?」
上原 「飛ぶって?」舞台写真

今井、木村がタケコプターのようなものを出し、配る。

今井 「はい。」
上原 「タケコプター?!」
今井 「警察専用タケコプター。通称パトコプターだ。」
上原 「パトコプター?!」
今井 「これも僕が作ったんだ。」
島袋 「はい、ぐずぐずしない!飛ぶよ!」
今・木 「はい!」

上原を残して3人パトコプターでハケる。

上原 「え?え?え?…やっぱりついていけないかも…まっ、待って下さ〜い!」

上原もハケて暗転

(作:松本仁也/写真:広安正敬)

Next! 上原島袋木村今井オレンジ

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