トップページ > 上演記録(リスト・ギャラリー) > 千年水国 > あらすじ
とある夏の日、海岸に打ち上げられた一頭の鯨から仮死状態の胎児が発見された。胎児を保護した水族館員・佐都子は思わず息を呑む。「私は今、神様しか見てはいけないものを見ている」と。
一方、同じ水族館で働く佐都子の恋人・八嶋は、ある日館内で口のきけない少女と出会い、自分の部屋へ連れ帰る。しかし帰った先はただのアパートではない。元ソープ嬢からアヤシイ占い婆までが巣食う、魑魅魍魎の館であった。賑やかな住人に囲まれながら八嶋と奇妙な同居生活を続ける少女。その少女の姿を遠くから見つめる男がいた。男の名は“鳩”。『最後の方舟』と名乗る宗教団体の教祖だった。
やがて物語は八嶋と少女、そして二人を囲むすべての人々を巻き込みながら、大きく動き始める。
新しい千年の始まりへと。
ヒトが生まれ変わる懐かしい記憶へと。
耳に響くのは、唄。
叫びにも似た、唄 --------
『ワタシハダレ? ココニイルノハ、ナゼ?』