歯ぐきが下がった

 歯ぐきが下がって根が見えてくる原因はいくつかあります。これらのものが単独であるいは組み合わされておきるため、真の原因については専門的な診査が必要になります。

歯周病

 歯周病が原因で歯と歯ぐきをつなげている部分が壊されると歯周ポケットになります。しかし、歯ぐきが薄い部分(特に前歯)では全体が炎症に巻き込まれ、結果として歯ぐきが下がってしまいます。これを歯肉退縮(しにくたいしゅく)といいます。
 下の図で紫色の破線が炎症に巻き込まれる範囲です。両方とも同じ幅ですが、歯ぐきの厚さによる反応の違いに注目してください。

  歯周病の治療を行うことにより、それ以上の退縮をある程度防ぐことができます。しかし、下の図のように全体的に退縮が進んでしまった場合には、歯ぐきを元の位置に戻すことは難しくなります。

歯と歯の間に位置する歯ぐきが下がっておらず、歯の中央部のみが下がってる場合(次の歯ぐきの外傷に出ている図のような状態)だと、100%確実ではありませんが外科的に戻す方法があります。歯周病の講義の歯肉歯槽粘膜手術の項目も参考にしてみてください。

 

歯ぐきの外傷

 歯ぐきが薄い部分を歯ブラシで強くゴシゴシ擦ると外傷をおこし、歯ぐきが下がることによって根がみえてきます。

 歯ぐきが下がった状態でもさらにゴシゴシ磨き続けると、歯がくさび状に削れてきてしまいます。専門的にはくさび状欠損といいます。

 特に糸切り歯の前後は唇の周りにある筋肉の力により、歯ブラシに必要以上の力が加わりやすくなります。歯垢は毛先がきちんと当たっていれば弱い力でも落ちますので、やさしい磨き方になるよう注意してください。また、くさび状欠損ができてしまった部位はコンポジットレジン(プラスチックの詰め物)などで塞ぐことが可能です。

 

歯の位置異常

 歯並びが悪い状態で、唇側に歯が傾斜したり位置していたりすると根がみえることがあります。

 これは骨の位置が遺伝的に決められているため、その範囲を超えて歯が唇側に位置していると、歯が骨から飛び出た形になります。程度が弱ければ歯ぐきがうっすらと根を覆っていますが、さらに一定範囲を超えると根がみえてきます。

 矯正を行うことにより、歯を骨の中の適切な位置に移動すると歯ぐきで覆われるようになります。それでも覆われないときは、外科的な処置を行う場合もあります。

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