鐘状期の後期(胎生18週)から歯の石灰化が始まります。
内エナメル上皮との相互誘導により、歯乳頭の未分化間葉細胞が象牙芽細胞(=ぞうげがさいぼう)に分化します。
象牙芽細胞はコラーゲンを出しながら大きくなり、コラーゲン原線維からなる1本の長い突起を作ります。これに伴い、象牙芽細胞は相対的に内エナメル上皮
から離れる方向へ移動していきます。この突起を象牙芽細胞突起あるいはトームス線維と呼びます。突起のコラーゲン原線維間にカルシウムとリン酸からなるア
パタイト結晶が沈着し、象牙質が形成されます。
象牙質が形成された部分の内エナメル上皮はエナメル芽細胞(=えなめるがさいぼう)に分化します。象牙質に近い側にトームスの突起と呼ばれる突出部が作られ、エナメルマトリックスタンパク質を分泌します。
エナメルマトリックスタンパク質は分泌されたときから不完全な石灰化がみられます。この部分にアパタイト結晶が沈着し、エナメル質が形成されます。
エナメル芽細胞は分泌を行いながら外エナメル上皮の側へ移動していきます。分泌が終了すると細胞の高さは短くなり、外エナメル上皮と接し、二層の細胞からなる縮合エナメル上皮(=しゅくごうえなめるじょうひ)となります。
鐘状期から歯冠硬組織形成までの全体像を示します。
最終更新2013.1.2