2日目 : 世界遺産 白神山地の散策


今回の旅のメイン、世界遺産「白神山地」散策に出発です。

といったって、山歩きの素人の私達ですから白神山地の入口、端っこを散策するイメージです。(笑)

 とりあえず、白神山地のうんちくを述べておくと・・・

白神山地は、青森県南西部から秋田県北西部にまたがる130,000haに及ぶ広大な山地帯の総称ですが、実はこの名称はほんの20年

くらい前に付けられたもので、弘西山地、白神山系、白神山地などの名称が国土地理院発行の地図に記載されているので、んじゃあ

この辺は「白神山地」で統一していこう!となったようなのです。

だから、白神山地の定義も結構あいまいで、「ここからここまで」ときちんと線引きされているようなものでないのだそうで、資料によって

かなり大きさが違っていました。

 

白神山地の特徴は、人為の影響をほとんど受けていない原生的なブナ天然林が世界最大級の規模で分布していることです。

このブナ天然林には、ブナーミズナラ群落、サワグルミ群落等をはじめ多種多様な植物が生育し、高緯度にもかかわらず、ツキノワ

グマ、ニホンザル、クマゲラ、イヌワシ等をはじめ非常に多くの動物が生息しています。特に世界遺産地域は、最も良く原生状態が保た

れており、落ち積もったブナの葉が1.5mにも達しているそうで、このような例は地球的に見ても例がなく、この驚くべき状況が世界遺産

になった一因です。落ち積もったブナの葉は高い治水能力を持っています。

溜まった水は地表に小川を造り、水源涵養機能や地表侵食防止機能の役割を果たしているのです。

世界遺産に登録された区域は、自然環境保全地区と自然公園に分かれており、さらに登録区域全域が森林生態系保護区域として

大切に保護されています。

 

新聞記事には、こんな風に紹介されていました。

白神山地は1993年(平成5年)12月、鹿児島県の屋久島とともに日本で初めて世界遺産に登録された。白神山地の位置は

北緯40度付近、青森県と秋田県にまたがる。世界的にはニューヨーク、マドリード、ナポリなどと同緯度。

白神山地のほとんどが2400万〜510万年前の堆積(たいせき)岩で、かつては海中だった。

800万年前に隆起が始まり、縄文時代の8000〜9000年前にブナ林が成立した。

世界中のブナの分布は北西ヨーロッパ、アメリカ北東部など、現代文明が発達した地域に広がる。

真夏に30度を超える日はまれで、冬でも川が凍りつかず、年間を通して適度に雨が降る「冷温帯」だ。

白神山地には、古くから人が住み着き、ブナの森とかかわった生活を営んでいた。

植物は464種、高山植物は53種で、そのうち24種が白神山地を北限としている。

昆虫は2300種、鳥類は73種、は虫類・両生類14種、そしてほ乳類は大型のツキノワグマ、ニホンカモシカから世界最小

のほ乳類といわれるトガリネズミなど約20種が生息している。

(以上、日刊スポーツ抜粋)

 注意:どうやら古い記事なのでなので、今と状況は変化しているかもしれません。念のため。

 

さてさて私達は、駐車場から川に沿って延びている遊歩道を通り、滝を目指します。

出かけた場所は、白神山地の水を集め、狭い峡谷に落下する豪瀑の安門滝(三つの滝から構成され、総称して暗門滝という)の付近

の散策です。滝は目屋ダム上流の暗門川にあり、滝の辺りは世界遺産「白神山地」の緩衝地域なのです。

 最初は道幅も広く道が舗装されていましたが、先を進むにつれて道幅はどんどん細くなり、道の前から来る人たちとすれ違うのさえ

やっとです。 さらに台風の影響で道に土石が崩れ落ちており、迂回路があるのですが、これまた岩肌に張り付いた細〜い道で、足元

に注意して歩かないと危ない!という状況でした。

場所によっては道は人とすれ違えないくらいに細いので、前から人がきた場合にはお互いが道を譲り合わなくてはなりません。

この時って、人間性がみえますよね。

道を譲った場合、「ありがとう」も「すみません」もなく、当たり前の顔して通ってゆく人や、危険性など全く無視して、自分本位に強引に

道を通ろうとする人。 いやあ・・・こういう心の狭い人にはなりたくないですねえ。しみじみ。気をつけなくっちゃ。

道は狭くて、高所恐怖症の私には板きれで作った簡易橋が非常に怖かったのですが、景色は本当に素晴らしいの一言です。

急流に白浪を立てて流れる水の音と、日を受けて輝く緑の煌きは、都会では味わえない清涼な美しさに満ち溢れていました。

  

ストレスが脳から蕩け落ちる〜〜。(笑)

歩くこと約40分程度。安門滝に到着です。

滝壷から飛び散る細かな水しぶきは、歩いてきた体にさわやかで、この付近は、んもうマイナスイオンが出まくりっという感があり、

更にリラックス。(笑)

滝壷の近くにまで寄れるので、元気な若者達はここで水着になって泳いでいました。

う〜ん。こんな冷たい水なのに。若いってすごい!(笑)

ここからさらに第二の滝、第三の滝と散策ができます。

奥に行けば行くほど滝は高さを増し、美しさも倍増するらしいのですが、これまた台風の影響で道が崩れ落ちており、通行禁止に

なっていました。 ゆえに今回は「第一の滝=安門滝」までの散策です。

 ひとしきり、安門滝を鑑賞後、帰りは同じルートを辿って駐車場まで戻るのですがっ!

引き返す途中に「ブナ林散策 駐車場まで通路」という看板が立っているじゃありませんか。

白神山地にせっかく来たのだから、ブナ林の散策をしなくっちゃね!と考えたのが大きな間違いです。

この道、すっごい急斜面に作られた階段を300段以上も登り、ほんの少しの平坦な道を歩いて登った分の階段を下りるものだったの

です。 ブナ林は確かにきれいでした。

でも川の両側だってブナ林なのだし、わざわざこの道は通る必要がなかった!!と歩き始めて5分で後悔しました。(笑)

だって、川のわき道を歩いてゆけば15分程度の距離だったのに、ブナ林の道は早足で歩いて30分近くもかかったのです。

駐車場に着く頃には、日ごろの運動不足がたたって、足腰がガタガタになっちゃいました。(泣)

 

暗門滝のハイキングをする場合、歩く以外で注意が必要な点が何点かあります。

その1)飲み水

ハイキングをすると、汗をかきノドが乾きます。でも当然ながら、散策を始めてしまえば、お店も自動販売機もありません。

必ず飲み水を確保してから出かけましょう。

幸い、ハイキングコース入口には、白神山地からあふれる水を汲む場所があります。

飲料水にしても全く問題ありませんから、空のペットボトルなどに必ず汲んでゆきましょう。

 その2)トイレ

当然のことながら、散策路途中に、公衆トイレはありません。

これまたハイキングコース入口に公衆トイレがありますので、必ず用を足してからでかけましょう。

 その3)食事

しつこく当然のことながら、お店が戸散策途中にはありませんので、お腹がすいても食料を調達できる場所はありません。

午前中に出かけるのであれば、お弁当を持参して、散策途中で食べると素晴らしいと思いますよ。

丁度食事の時間帯にかからない時に出かける場合でも、チョコレートやキャンディなど甘物を持って行くとよいと思います。

休憩時に食べると、元気になります。(こういうのって、私だけ?)

駐車場に戻れば、簡単な軽食が食べられます。


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