クローズドサークルのミステリとはいえ、狩猟クラブには35家族の会員がいて、小説に登場する家族や人々以外も遊びに来ている(のがほのめかされる)のも変わっていた。
さしてたいしたことのない、目新しくもないシンプルなミステリに多彩な味付けをするためか、ミステリ談義がしょっちゅう挟まれる。
ミステリの神様が私たち読者に語りかけ蘊蓄をたれる。これを面白いと思うかうざったいと思うかは好みがわかれると思う。
途中まではミステリへの考察が書きたいからクローズドサークル物のミステリを書いたのかと思う程、どちらが主かわからない。
アタシは最後の戯曲風味が一番面白かった。
解説のひとに倣って犯人を推理してみる。登場人物の中に詮索好きの10才の少年がいるねん。
となると、エラリー・クイーンのアレとかアガサ・クリスティのアレとか思い浮かぶよね。
なのに作中ではまったくそれらの小説に言及されない。あやしい。と思う。