芸術探偵・神泉寺瞬一郎(しんせんじシュンイチロウ)シリーズ。芸術探偵を読むのは2冊目かな。1冊目で覚えているのはブリューゲルは5人いる(少なくとも)ってのだけ。
本作ではたぶん忘れないであろう話はふたつあって、一つ目は世界中で贋作が一番多い画家はゴッホとか。日本のゴッホも怪しいのがあるらしい。
二つ目はピカソがモディリアーニから寄贈された作品の上に絵を描いたと告白しているらしい。どのピカソ作品かは不明で、もし将来判明すれば持ち主はどちらの作品を残すだろうか。。。という話(最近はピカソの値段が下降傾向にあり、寡作だったモディリアーニと同額に近くなっているとか)
とまあ贋作の歴史の薀蓄話がたっぷり詰まっている。
真贋判定には専門家の目のみならず、エックス線で一番奥のキャンバスや下絵を探り、赤外線で鉛筆や木炭の線を探り、紫外線で表面の新しく加筆したところを探る。
そこまでせなわからんほどの作品なら、もう本物でえーやんと思うのは素人考えでそうは問屋が卸さない。唯一無二の芸術とはそういうものではないらしい。
ドニとかサミュエル・パーマーとかそれどなたさん?といった画家の名前が出てきて昔やったらどんな絵なの???となるところ、ありがたいことにスマホ様が親切に絵を見せてくれる時代になった。
私立美術館の閉館への怒りも書かれていて、青森の棟方志功記念館が閉館したってのを聞いたのでちょっとわかるかな。作品は青森県立美術館ってとこにに移るみたいなのでよかったけど。