2023年12月の映画  戻る
ファースト・カウ FIRST COW
2019年 米国 122分
メモ 2023.12.24(日)シネ・リーブル梅田
監督 ケリー・ライカート
原作 ジョン・レイモンド
キャスト ジョン・マガロ(料理人クッキー)/オライオン・リー(キング・ルー)/トビー・ジョーンズ(商人)/リリー・グラッドストーン(商人の妻)/スコット・シェパード(軍人)
あらすじ
1830年頃かな、西部開拓が太平洋側に到達したけれど鉄道はまだ普及していなかった米国オレゴン州(シアトルの下、サンフランシスコの上あたり)の森の中、ずっと一緒の二人組のお話
感想
これは、合うか合わないか真っ二つに分かれる映画と思う。どこか絵本みたい
たゆたゆとのんびり時間が流れ、さほどの緊張もなくドンパチするわけでもない西部劇でただただ眠いわ派と、森の透き通った空気と黄色い枯葉のなかの相棒ものが堪らない派に分かれると思う。
 
西に流れてきた料理人のクッキーと中国から世界を巡ってアメリカに辿り着いたルーが森の中で出会う。
木の実を集めきのこを取って飢えをしのいでいる縄文人のような暮らしでもふたりは決して不幸ではない。自由だから。
ふたりは夢を持っている。暖かい土地でクッキーはパン屋を開きルーはホテルを経営したいというでっかいアメリカンドリーム。
船で牛が運ばれるのを見た知恵の回るルーはクッキーと商売を始める。それは早い者勝ちというゲームだった。
 
クッキーが作る蜂蜜をかけたドーナツを食べた客がしみじみと「おふくろの味だ」とか「ロンドンのパン屋が懐かしい」とか絶賛するの
自分で作ったことがないから材料がわからない。
親を早くに亡くし寄る辺ないクッキーが、連れ合いを亡くしたぼっちの牝牛に語りかけ寄り添うのもいいな。そして牝牛になつかれる。
あらためて感じたのは200年前とさほど風景が変わらない自然のある米国ってでかい国ということ。
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