「警察と結婚した」と言うダナハー警部が面白いねん。訳もうまいと思う。五十八歳、痩せこけた小男でシワ深く部下には陰で”サル”と呼ばれている
偏屈で口を開けば小言と毒舌の言いたい放題。いまどきこんなパワハラ上司はなかなかいない。
年金をもらえる年なので市長や署長、プレスも恐くないという取り柄もある。
「われわれに何を見つけて欲しいんです? 殺人犯それとも身代わり?」
いまどきと比べれば、時は1953年、スマホもグーグルもデータベースもない。もちろんパーソナルコンピュータもない。DNAを始めとした科学捜査もない
ないないづくしであるのは固定電話と自動車、そして自らの足と頭を使った捜査のみ。
ダナハー警部は部下のマロイ刑事に「お前は聞きこみして事実を集めろ。推理は俺がする」というが・・・あざやかなラストやった。
驚いたのは2か所。5人の連れ子がいる未亡人と結婚する男の人がいるんや。
もうひとつは新しい遺体から頭蓋骨が取り出せるものなんやろか。それも70年前に。沖縄の「洗骨」も3年くらいたってからやったと思うけど。