2021年5月のミステリ 戻る

砂男 
扶桑社ミステリー 上下 ラーシュ・ケプレル著 端木さやこ/鍋倉僚介訳 2012年
あらすじ
雪の線路の上を歩いていて保護された若い男は、作家レイダル・フロストの13年前に神隠しにあった息子ミカエルとわかる。
妹フェリシアと共にずっと閉じ込められていたとミカエルは言う。
感想
スウェーデンの作家ラーシュ・ケプレルの<ヨーナ・リンナ警部>シリーズ(本国では8作品、邦訳は4作品)の内、第4作目だそうです。
1〜3作では隠されていたヨーナ警部の過去が、満を持して読者の前にベールを脱ぐという趣向。
 
4作目から読んでしまった。。。
 
女の人を棺の中に埋め戻していたシリアルキラーのユレックはヨーナに現行犯で捕まるねんね。それからずっとユレックは閉鎖病棟で囚われている。
ユレックはずばぬけた知能の持ち主で「羊たちの沈黙」のレクター博士かーと思って読んでたんやけど、もうひとつ大きな仕掛けがあって、意味不明なシリアルキラーやなかったの。
 
 
最近昔話が多いなー寄る年波かなと思うねんけど
「砂男」は砂の詰まった袋を担いだ砂男がやってきて人の目に砂を注いで眠りにおちいらせるというヨーロッパの伝承で
小学1年生の時やったかな、夏休みの読書感想文の課題図書が「ムスティクの冒険」やって、親に寝ろ寝ろと言われるが眠れないムスティクが砂男を見つけてやる!(サンタクロースに会うんだ!と同じ発想)と、家出冒険する話やった。
 
もうひとつおまけは、先日の土曜日に従姉の教室の二階で無観客の「コッペリア」というバレエの放送を見たん。
バレエの事は山岸凉子さんの漫画「アラベスク」のみのほんのちっぽけな知識しかないねんけど、従姉は長女がバレエをしていたので詳しい。
書道をしながら従姉の解説を聞き「コッペリア」をちらちら見ていると、どうも機械人形(オートマタ)のお話らしい。
あらすじをグーグルさんに聞くと「コッペリア」というのは、1817年に発表された独のホフマンの短編小説「砂男」が元みたい。
本作を読んでいる時にバレエの砂男に出会ってなんや面白かったというだけのお話で、おそまつさまでございます。
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