2020年11月の映画  戻る


mellow 
2019年 119分 日本
監督 今泉力哉
メモ 2020.11.30(月)WOWOW録画
感想
隠れ家のような花屋、客のいないラーメン屋、ぽつんとした美容院
「これで食っていけるのか」という生活感がなく切迫感もない面々。
くわえて、恋愛脳の登場人物たち。
 
あわんわー
と思いながら見続ける。
 
「好きです」と告げて「ありがとう。でもごめんなさい」と言われても今まで通りの付き合いするのはかなり高度なテクニックやと思うし、
だいたいこころはうつろうもんやし。「あの人わたしのこと好きなんやわ」といつまでも思われても困るし。
自分の想いを告らないと次に進めないのか? 秘めたる恋もえーもんやと思うけど。
と反発しながら見続ける。真面目で器用な人々の話。
 
どのひとも成就せずゴールインせずたゆたゆと物語は進む。心地よく。ピュアに。きれいに。
最後まで見続ける。観ているひとのこころを掴むよなーうまいこと作ってはんなーと思う。
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シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい! 
2018年 118分 仏
監督 アレクシス・ミシャリク
メモ 2020.11.21(土)テアトル梅田
感想
舞台劇への愛と情熱、そして演劇世界の厚みと歴史を感じる。
 
19世紀末のフランス華やかなベルエポックの時代。
崖っぷちの若き劇作家と俳優たちが「3週間しかない!」「みんなわがまま!好き勝手!」「金がない」
さらに上も下も「口では負けへん」の仏蘭西人たちがしゃべり、喚くという、
しっちゃかめっちゃかの状況で、せつなくて泣ける名作「シラノ・ド・ベルジュラック」を生み出すお話。
幕が上がっても、脚本家はまだ本を書いている。
この話はどこへ行くのやら 結末もわからないまま、こんなもんよと演じる俳優たちも支える舞台裏もすごい。プロやわ。
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461個のおべんとう 
2019年 119分 日本
監督 兼重淳
出演 井ノ原快彦(パパ・一樹)/道枝駿佑(虹輝こうき)/映美くらら(ママ)/KREVA/やついいちろう/若林時英
メモ 2020.11.7(土)なんばパークスシネマ
あらすじ
虹輝(こうき)が中学生の時、ママは「パパとママとどっちと暮らす?」と選ばせ、パパを選んだ虹輝を置いて家をでていく。
男二人暮らしとなった家。一浪して高校生になった虹輝にミュージシャンのパパは宣言する。
「高校三年間俺が弁当を作る。だからお前も毎日学校に行け」
感想
バンド“TOKYO No.1 SOUL SET”の渡辺俊美のエッセイを映画化
V6の井ノ原快彦と関西ジャニーズJr.内ユニット・なにわ男子の道枝駿佑というジャニーズのアイドルが父と息子を演じる。
 
音楽のことは皆目わからへんから「いのっち、ごめん。ちょっと歌うの止めて曲を聞かせてくれる?」とか
「KREVAの横でよく歌うなあ」と思ったのは置いといて、このお父さんはすごい。
ちびさぼが中学高校の時6年間お弁当を作ったけど、こんなレベルのお弁当は一度も作ったことがない。そもそも作れない。
冷凍のコロッケかから揚げか焼きそばをチンして、野菜をいくつか炒めて、玉子焼き作って、後はプチトマトかブロッコリ
以上 終わり のお弁当 後はお弁当箱に好きに詰めて〜
 
ねんけどね。
わたくしごとで申し訳ないねんけど、兄の母への介護の関わり方について美容院の店長に
「兄貴もするねんけどね、なんかこう、引っ越しで例えたら
『タンス運んだ。ベット運んだ。冷蔵庫と洗濯機もTVも運んだ。やれやれ、だいたい終わったな』って感じやねん。」
とぐちっと言ったら、後ろでカットしていた店長がひと言「男 やねぇ」
 
というのを思い出すような。
「俺は細かいことは言わない。一本筋の通ったおやじの背中を見ろ」ってな「どや」を感じて。
「今日も嫌がらせ弁当」の佐藤隆太みたいに幼稚園児にお弁当を作るパパやったら素直に「ええ話やったなあ」と思えるのに。
ええねんけどね。なんかほんのちょっとだけムカつく。
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