2018年11月のミステリ
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ひと
2018年 小野寺史宜(おのでらふみのり)作 祥伝社 296頁
あらすじ
鳥取から東京に出てきて法政大学経営学部に通う柏木聖輔(せいすけ)は二十歳の秋に突然故郷の母を亡くす。
父は高校時代に不慮の事故で失っていた。シシババも兄弟もおらず突然天涯孤独の身となる。
感想
突然死した母の身の回りを整理して残ったのは百万円。奨学金と言う名の借金を背負う道を選ばず、柏木聖輔は大学を中退する。
技術も経験もなく地縁血縁もない20才が突然大都会東京にほおりだされる。働かなくては。
世の中には銀の匙をくわえて生まれてきたひともいるが政治や身の不運を恨むことなく、聖輔は一歩一歩歩き始める。
登場人物の多くのひとが
まっすぐ
で苦労を語らず、読んでいて気持ちがいいお話だった。
お薦め度
★★★★
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