2017年8月のミステリ 戻る

制裁
ガラスの鍵賞
2004年 アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム作 ヘレンハルメ美穂訳 早川書房 500頁
あらすじ
少女を誘拐、レイプし惨殺した連続殺人犯が脱獄。またしても金髪の幼女を狙う。
感想
訳者の人があとがきに書いてはる。
  
  原題のOdjuretは「怪物」「野獣」という意味だ。一見、誰が怪物なのかは明らかである。
  更生の見込みのない殺人者。眼を合わせることさえままならない、「人間ですらない」、ベルント・ルンド。
  だがほんとうにそうだろうか?
  物語が進むにつれ、怪物は姿を変え、ほかの人々にもとりついているように見える。
  他人の命を奪う事で、子どもの命を守れるとしたら、大人はそうすべきなのか。そうやって、人の生命の価値を
  同じ人間が決めてしまうことは、果たして許されるのか。それが許されるとき、怪物がうまれるのではないか・・・。
 
うーん、何をゆうてはんねやろという感じなんですけど。
さっさと言語道断な人非人を死刑にしておけば、数々の悲劇は起こらなかったんじゃないでしょうか。
「ほかの人々にもとりついて」しまうからさらに危険と思うんですど。制裁(私刑)を下す「刑務所の中」の方が単純で理にかなっている様に思えてしまう。
「幼女誘拐レイプ殺人」という極悪人を人が裁かなければ誰が裁くんですか。神様ですか。
「死刑制度を廃止」したキリスト教国のジレンマが見える。戦争で人間を殺戮するのはええのにね。
お薦め度★★★戻る