2014年5月のミステリ
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夜の終わる時
1963年 結城昌治(ゆうきしょうじ)
あらすじ
東京都内のある署、夜になっても徳持刑事が捜査から帰ってこない。連絡もない。
何か事件に巻き込まれたのではと、同僚の刑事たちは彼の聞きこみ先を追う。
感想
戦後間もない日本映画を見るような小説で、文章が丁寧というか少しかしこまっている。時代やねんやろね。
文体は多少レトロやねんけど、事件の内容と小説の構成は古くない。人の裏側を見なければならない刑事の宿命と、ダークサイドへ落ちていく誘惑の多い生活、人の業が描かれている。
家族、友達、仕事とか外の守るもの、犯罪に巻き込まれない、卑怯な事をしないとか身の内の守るものを見失うとえらい事になるんやわ。
お薦め度
★★★★
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