2013年6月のミステリ
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蛍草(ほたるぐさ)
2012年 葉室麟(はむろりん)著 双葉社 316頁
あらすじ
3歳の時に父を亡くし、16歳で母を亡くした菜々は武家の風早家に奉公する。
風早(かざはや)家は五万二千石鏑木(かぶらぎ)藩の百五十石取り。25歳の若い当主市之進、23歳の妻佐知、4歳の嫡男正助、3歳の娘とよの4人家族と通いの家僕・50過ぎの甚兵衛がいる。
感想
菜々は目はええのに、耳がいまひとつなのか剣術家の「壇浦五兵衛(だんのうらごへえ)」を〈だんごべえ〉さんとかその他色々特徴をとらえて聞き間違えるのが面白いというか、多数のクセのある人々登場のこの小説におおらかさとわかりやすさを与えている。
菜々は生きる力の強い人で、ちょっと「家なき娘(ペリーヌ物語)」のようだ。正助ととよもかわいく、特にみっつのとよはおっとりしていて品があり「本当に与六には困りました。」には笑った。
お薦め度
★★★1/2
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