2009年12月のミステリ 戻る

風が強く吹いている
2006年 三浦しをん著 新潮社 508頁 
あらすじ
そこが寛政大学の陸上競技部練成所とつゆ知らずに竹青荘(ちくせいそう)に住んでいた9人は、清瀬灰二(キヨセハイジ)の深謀遠慮の網にかかり箱根駅伝にいどむことになった。
「風が強く吹いている」の原作。
感想
映画があまりによかったので、原作本を読むことに・・・。
荒唐無稽な話ながら、面白い。めちゃめちゃ面白い。
10人の個性が書き分けられていて、しかもそれぞれのキャラがたっている。
箱根駅伝は大学時代にしかいどめない。限られた時間の中での挑戦が光っている。
 
オタクでゆるキャラの王子は、高校の長距離では3キロを15分かかって走っていた。
王子は、箱根駅伝の予選会で20キロを走りゴール近くでふらふらになりながらも
「ここで走るのをやめたら、蔵書(漫画)が焚書の憂き目に遭うだろう」と気力を振り絞り吐きながら走っていたら
 
  「吐いている場合か! 走れ!」
  清瀬の怒声が響く。
  鬼だよ。あんた。
 
笑っちゃいけないシーンなのに、おかしい。
 
よくはわからないけれど、「小説を書く」のも持久走に似てるんだろうな。
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