2009年9月の映画  戻る


南極料理人
 
2009年 日本 125分
監督・脚本 沖田修一
原作 西村淳
撮影 芦澤明子
美術 安宅紀史
音楽 阿部義晴
出演 堺雅人(西村さん(海上保安庁調理)/生瀬勝久( 本さん:極地研究所の雪氷学者)/きたろう(タイチョー:気象庁の気象学者)/高良健吾(兄やん:大学院生雪氷サポート)/豊原功補(ドクター:医療)/古舘寛治(主任:自動車メーカ車両)/小浜正寛(平さん:極地研究所の大気学者)/黒田大輔(盆:通信社通信担当)/西田尚美(西村の妻みゆき)/小野花梨(西村の娘友花)/宇梶剛士(スズキ)/嶋田久作(船長)
メモ 2009.9.26(土)テアトル梅田
あらすじ
1997年。海上保安庁に勤める西村淳は、希望もしていないのに怪我をした同僚の代わりに南極に赴任するハメになる。しかも場所は、昭和基地から1000キロも離れた内陸の「ドームふじ基地」。標高が3810mもある山の上。平均気温はマイナス54℃。任務は調理だ。お湯の温度は85度までしかあがらず、麺は芯が残る。生野菜はもやしとカイワレしかそだたない。冷凍、缶詰、瓶詰、乾物類で男8人の食生活をささえている。ここで1年半暮らし越冬するのだ。
感想
コンビニがない。パチンコ屋がない。映画館がない。ラーメン屋がない。酒はあってもきれいなおねえちゃんがいない。あるのは雪と氷だけ。巨大な冷凍庫で暮らしているような毎日だ。そんな極限状態の中、変人個性的な隊員たちをおいしい食べ物が救う。
 
ラーメンが底をついたと知らされて、茫然自失するタイチョー(きたろう)に、「大丈夫ですか?」と声をかける本さん(生瀬勝久)。「僕の体はラーメンでできているんだ。」と夜中に、西村さん(堺雅人)の部屋を訪ね告白するタイチョー。海老やカニはあきるほどあってもラーメンはないのだ。気の毒やねんけど面白い。
 
考えたらあたりまえなんやけど、4人の科学者のフィールド研究を支えるために、医者、コック、車の整備士、通信士の4人が必要というのが驚きやった。「籠に乗る人、担ぐ人、そのまた草履を作る人」で出来ているねん。それと、ドームふじ基地では、隊員総出で、毎日シャベルで氷を崩して水を作るのもびっくりした。氷はあっても水はないねん。
 
メモ:南極大陸は日本の37倍の大きさ、アフリカ大陸の半分近くある。南極点は1911年にノルウェーのアムンゼンが到達。一ヶ月遅れでイギリスのスコット隊がついたが、帰途猛吹雪のため全員が亡くなる。日本人初の南極探検は1912年白瀬中尉。204トンの木造船「開南丸(かいなんまる)」で海を渡った。昭和基地は1957年1月開設。観測船は「宗谷(そうや)」。「宗谷」が氷に閉じ込められてニッチモサッチモ行かなくなった時、ロシアの砕氷艦に助け出してもらう。4代目の観測船「しらせ」(2代目しらせ)が2009年完成。11月に初航海。
お薦め度★★★★1/2戻る