2009年4月のミステリ
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重力ピエロ
2003年 伊坂幸太郎著 新潮社 334頁
あらすじ
泉水のふたつ下の弟・春は、パブロ・ピカソが急性肺水腫で死んだ日、1973年4月8日に生まれた。
自称ピカソの生まれ変わりの春は、絵がうまい。が、今は、街の落書きを消すのを仕事としていた。
春はガンジーを尊敬し「性的なるもの」に憎しみに近い嫌悪を抱いている。それには、理由があった。
−仲の良い家族のいまわしい過去と、毎日目にするその結果。想像もつかない感情を、この小説は飄々(ひょうひょう)と書いていて、哀しいような、生きる希望がもてるようなお話。
感想
加瀬亮(泉水)、岡田将生(春)で映画が公開されると聞いて読む。なかなか難しいと思うが、岡田将生は内面重く、外は軽々とした役を演じられているのだろうか? 小説での春は、28歳らしい。
小説は兄・泉水の一人称で書かれている。春は変わり者だが、このお兄ちゃんもだいぶ変わっている。感情を表に出さない。けっして口にしないが、きれいな弟が自慢で、とても弟思いであり家族思いなのだ。
お薦め度
★★★1/2
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