2004年7月のミステリ 戻る

サンセット・ヒート SUNSET AND SAWDUST

ジョー・R・ランズデール作 2004年 早川書房 357頁
あらすじ
1930年代・大恐慌時代のアメリカ合衆国テキサス東部のキャンプ・ラプチャー。製材所で持っている小さな町だ。大竜巻が家を破壊している最中、モーレツな赤毛のサンセットは夫ピートの暴力とレイプの取り込み中夫を撃ち殺す。保安官の夫の拳銃で。ぼろぼろのカーテン(しかも小麦粉の袋を縫って青く染めたもの)をまとっただけのサンセットは夫ピータの家に報告に行く。「あなた達の息子さんを撃ち殺しました」と。義父のジョーンズは怒り、義母のマリリンも怒る。ただマリリンは自分が夫の暴力を長年我慢していた結果がこれだったのだ、とも思うのである。
感想
ミステリ好きのさぼてんはミステリばかり見たり読んだりしているわけで、なんと言われようと冷静に考えればネタバレを含まない感想などかけません。そんな力量はどっこにもありません。って事で今回も地雷原あり。
以下ネタバレ 
 
むむむっ。そうか、そうだったのか。嫁とシュウトメの話だったのか。(ってか?) 子供を守る母鳥って言う感じかな(違うかな)。
相変わらず、最期の最期でハッピーエンドとは言えない苦いラストを持ってくる作者だな。30数年音信不通で自分が生まれていたことさえ知らなかった父の方を許し、世話になった義母からたったひとりの孫娘カレンを奪っていくとは。ハハはヨメが産んだ孫よりできそこないでも息子の方がかわいかったのかも。古今東西かわらん。なんてシビアなんだ。なるほど どっちの女も実にかっこいい。
おすすめ度★★★★
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