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  「私が彼を殺した」の犯人・・・・

まずは、著者のフェアな姿勢に拍手。パチパチパチ。
まっさらな状態で推理しました。さぼてんの”当然”のフェアな姿勢にパチパチパチ。
今頃嬉しそうに回答を書くのもなんですが・・・まあね(笑)。

読みながら一番始めに「おや」と思ったのは駿河直之がピルケースを「ポケットに入れてから周囲を見渡した。」(P.101)という所。ここでもう私の頭には「犯人=駿河直之」となってしまいやした(笑)。

美和子さんのバッグ、薬瓶、ピルケースの内、作品中ふたつ登場してすり替え可能なのは薬瓶とピルケース。駿河直之のマンションには穂高誠の前妻が送り返してきた「結婚していた頃の思い出の品」が詰め込まれた段ボールがある(P.122)ので、「当時の奥さんとペアで買った」(P.39)ピルケースもあったのかなと推理したわけ(コレを推理というのか?)。
でもって、駿河直之はもう一度浪岡準子の部屋から毒の入ったカプセルを一個とってきて、前妻の方のピルケースに入れてすり替えのチャンスを狙っていた。ピルケースには前妻の指紋がついてたんだろうな。あの懐中時計型のピルケースって珍しそうやん。海外旅行先で買ったのね(きめつけ)。ピルケースは神林美和子→雪笹香織→西口絵里の手に渡ったのに3人の指紋がついていないのを問題にしないのは「ある」指紋はあきらかだけれども、あるはずなのに「ない」指紋ってのは証明できにくいからOKかなと思ったわけ。でも加賀が最初にピルケースがアヤシイと思ったのは3人の指紋が無かったからなんだ(これも決めつけ)。

一応他の推理もしたんだけどね。
神林貴弘がゴミ箱から回収した毒カプセル二つの内、猫で実験した後の残りのひとつを、美和子さんが「お手洗いにいっている」間に(P.82)薬瓶の一個とすりかえたのかなーとも思ったんだけれども。それなら10個の内のひとつがドンピシャで当日飲むなんてあまりに偶然かなー。「指紋の謎」も解けないしぃと思ってバツ。

もうひとつは薬瓶ごとすり替えたのかーとか思ったりして。それだと浪岡準子の部屋にあった薬瓶に美和子さんの指紋がついてたのかと思ったんだけれども、2回もすり替えるのは難しいでしょ。最後の「あなた方の指紋」には美和子さんのも入っていそうだし。でもってこれもバツ。

雪笹香織が「私がやった」と思う所は編集者らしいなあと思った。作者をあの手この手でその気にさして小説を書かせて「実は私の力なのよ」と思っている編集者らしいやん。東野圭吾氏の編集者に対する感謝と皮肉が効いていると思ったのは私だけ?(笑)

という訳で、犯人は「駿河直之」、すり替えたのは「穂高に渡してくれと手渡された時」(薬が一個しかないのを確認しているね)、ピルケースについていた指紋は「前妻」のものと考えました。