Musica aeterna Bratislava コンサート@Reduta(2003年12月16日)


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 2003年12月、 スロヴァキアの首都ブラティスラヴァに出張がありました。 スロヴェニアと間違える人がいるのですが、 スロヴァキアはチェコスロヴァキアが別れて出来た国です。 いつものように余裕のない日程中、 一晩だけコンサートに行ける日がありました。 一つは国立劇場でスメタナのオペラ、 もう一つはそのすぐ隣のRedutaでこのMusica aeterna Bratislavaが演奏する「イタリアバロック協奏曲」という選択肢でした。 スメタナは「売られた花嫁」ではなかったので、 しかも現地語なので全然わからないと思い、 Musica aeterna Bratislavaにしました。 この団体もソリスト達も知らなければ、 曲目も結構初めて聴くものが多かったのですが、 これは大正解でした。 いや、オペラも良かったのかもしれませんが、 とにかくこちらは極上の演奏会でした。 先にプログラムを書いてしまいましょう。

(1) ジュゼッペ・タルティーニ
     シンフォニアニ長調
(2) ジュゼッペ・アントニオ・ブレスチネロ
     オーボエ、バイオリン、通奏低音のための協奏曲ト短調
(3) ジュゼッペ・タルティーニ
     オーボエと通奏低音のための協奏曲イ長調
(4) アレッサンドロ・マルチェルロ
     オーボエと通奏低音のための協奏曲ニ短調
(5) アレッサンドロ・スカルラッティ
     カンタータ"Oh di Betlemme altera poverta"
(6) アントニオ・ヴィヴァルディ
     オーボエ、ヴァイオリン、通奏低音のための協奏曲変ロ長調

 この中で知っているのは有名な(4)くらいで、 (2)に至っては作曲家すら初めて聞く名でした。 しかし、しかしです、曲はどれもすばらしく、 また演奏は抜群、最高でした。 演奏者を挙げなければなりませんね。

Musica aeterna:Bratislavaを中心に活躍する12人の弦と通奏低音の合奏団
指揮:Peter Zajicek
オーボエ:Alfredo Bernardini
ヴァイオリン:Stefano Montanari
ソプラノ:Kamila Zajickova

ロシア人名のように女性が「コヴァ」になっている(他に「カヤ」なんて変化もありますね)ことから、 もしかしたらこのソプラノは指揮者の奥さんなのかも・・・という詮索はともかく、 演奏について書きましょう。 端切れのいいリズム、 絶妙なテンポルバート、 即興的でありながらピッタリ合うソロとアンサンブルの息。 完璧という以上に、 17世紀のヨーロッパにまぎれこんだような錯覚にも襲われました。 これは本物の現地もの。 コンチネンタルヨーロッパではじめて聴けるしろものという気がしました。 ヨーロッパの人達は日常的にこんなものを聴いているのか、 という感じです。

[2004年2月23日 記]

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