12月18日...こらっ!ハナ肇!!
 
クレイジーキャッツのハナ肇をご存知ですか?
知らない人は、鼻の穴が大きくて目がぎょろっとした浅黒い小太りのおじさんを思い浮かべてください。
 
今日、会社帰りに地下鉄天神駅から電車に乗って、つり革につかまった私の前にハナ肇(に似たおじさん。以降かっこは省略)が座っていました。
私はかばんを目の前の網棚、ちょうどハナ肇の真上に置いて立ちました。
天神から前原まで乗り換え無しで30分ちょっと、いつも(運が良ければ座れるさ)くらいの気持ちでいます。
 
ハナ肇は一生懸命に雑誌”ダカーポ”を読んでいました。
私は雑誌を読んでいるハナ肇をぼんやり眺めながら、(電車の中には面白いことや頭にくることがたくさん詰まってるよなぁ)と、過去の電車内での出来事をいろいろ思い出していました。←ホントです。
 
電車が姪浜駅に到着し(地下鉄はここから先JR筑肥線に相互乗り入れする)、乗客がバラバラと降りていきます。
ハナ肇は電車を降りる気配もなく、相変わらず”ダカーポ”を熟読していました。
(今日は運がなかったか)と思った瞬間でした、ハナ肇はガバッ!と顔を上げて一回後ろを振り返ったかと思うと”ダカーポ”を閉じて立ち上がりました。
(あっ、今日は運良かったんだ)と、ハナ肇と入れ替わりに座ろうとした時です。
なんとハナ肇は立ち上がると同時に網棚に置いていた私のかばんをガッと掴んだのです。
 
私、今思い返してみても、あの瞬間よく気が付いたなと思います(笑)。
今度同じ目にあっても、同じように気付く自信はありませんもの。
(以下、文章にすると長いですが、実際は一瞬のやり取りです)
 
私のかばんを掴んで慌てて電車を降りようとするハナ肇を、シートに座りかけた中腰の私の伸ばした手が捕まえました。
正確には、私も私のかばんを掴みました。
私にかばんを掴まれたハナ肇は(何するんだ、こいつは!)と、この状況が理解できずに、恐れと驚きの入り混じったような顔で私を見ています。
「す、す、すいません。これ!かばん!」
私の口からとっさに出た言葉はこれだけでした(情けナ〜)。
ハナ肇もうろたえながら「え?え?かばん?ああっ!」と、網棚に残されている自分の深緑色のかばんにやっと気が付いたようです。
「ご、ご、ごめーん!」
ハナ肇は今度こそ自分のかばんを掴んで、閉まりかけたドアをすり抜けて電車を飛び降りたのでした。

 
電車に残った私はどんな顔をしていいものやらわからず、「ふぅ…」と一息ついて自分の黒色のかばんを抱きしめました。
 
多分、ハナ肇は天神駅よりも手前のどこかまでは網棚にかばんを置いて立っていたのだと思います。
そして、自分の斜め前のシートが空いた時に網棚のかばんの位置をずらさずに座ってしまったのでしょうね。
(この一手間を惜しんだことが、今回のハプニングの遠因だと思います)
その後天神で私が乗って、ハナ肇の真上にかばんを置いてしまったというわけです。
”ダカーポ”を読むのに夢中で姪浜駅に着いたのに気が付かず、大慌てで条件反射的に自分の真上のかばんを掴んだのでしょう。
 
まあ、そうあることではないでしょうが、皆さんもどうかお気をつけ下さい。
しかし、危なかったゼ!
 
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