英雄候補!

封印戦争から五年、その間新たな争いが生まれて、新たな物語が生まれ、そして僕らは目指す、憧れの英雄達の歩んだ道を。

新たな年を迎え、ここ『騎士正生徒院』にも、新騎生が入学してきた、まだあどけない顔だが、それぞれ騎士や魔導士のたまご、これから始まる学院生活に夢や希望を持ち、瞳を輝かせ学塔の門をくぐっている、そんな様子を懐かしそうな眼差しで校舎の窓から見つめる青年がいた。

「今年も、変わらずに新騎生が入ってくるよ、なんかさ、わくわくするよな、この時期はさ。」

青年は後ろにいる二人に話しかけた、その片方、青い制服の女性が『くすくす』と笑う。

「もう、私たち三騎正なのよ、『アナ』、去年と同じ事を言ってないではやく『準備』しないと。」

笑いながらも『チェッ』と、舌打ちするアナ、その様子をみて笑っていたもう一人も口を開く。

「アナ殿、新騎生への『祝辞』大丈夫なのですか?貴殿は在院生代表、もし何か失敗でもしたら・・・・。」

二人があきらかにアナを、からかっているのが解る。

「あ〜〜っ!!解ってるって、レイオウ、まかせとけよっ、ビシッときめてやるから。」

アナはそういうと女性の方を見て。

「カチュアも惚れなおすぜっ。」

と、Vサインをする、カチュアは少し照れた様子だが視線でアナの『それ』を了解する。

「まったく・・・二年前と変わらずお熱いですなあ・・・・。」

そんな二人に呆れ顔のレイオウがふと、窓から門を見る、すると新騎生が、なにやら上騎生ともめている。

「アナ殿・・・・あの輩は・・・。」

「ああ、『ライル』の取り巻きだな、新騎生あいてに何やってんだか。」

アナとレイオウは顔を見合わせ頷くと窓から飛び出した、カチュアはその様子をため息交じりで見送りつつつぶやく。

「二人とも、式の前に制服汚さないでね。」

その言葉が二人に届いたかどうかは解らないが、どのみちカチュアは制服の代えは必要ね、と思っていた、そして二人が新騎生と『ライルの取り巻き』に割って入る。

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