前にも書いたが、オフロードを全くといって良いほど走る機会がないだけに、ESCUDOのレゾンデートルたるオフロード性能やそのための機能は、識者の評価に譲ることとしたい。
また、この文章を書いている段階では、走行距離が2,500kmに至らない慣らし中ということも有り、ESPやEBD付ABSのお世話になるような事態にも遭遇していないことから、これも、機会があれば今後適宜書き足して行きたい。
まずは、フル装備といって良い仕様であるが、それなりに不満はある。
■まずは、不満箇所を列挙する。
1.最もいただけないのが、3.2L車のシフトゲートである。
何と、2速で固定できるポジションが無いのである。
「D」から左に動かして「4」、引いて「3」、更に左下に引くといきなり「1」で、2速のポジションが無い。「3」でもエンジンブレーキの効きが弱いため、「2」を多用したいところだがそれが出来ない。これは、私にとっては大きな減点ポイントと感じた。(「D」に入れっぱなしの人には全く問題ないが)
CVT以外で、マニュアルで設定出来ないレンジがあるタイプは初めて経験した。
①もう一つゲートを刻む ②マニュアルモードを設ける ③パドルシフトに対応する 等の解決策が考えれるが、コスト的に苦しいであろうことは良くわかる。
そもそもESCUDOは、この装備で、こんなに安くて儲けが出るのか?と要らぬ心配をしていたのだが、2.4L車と共通のゲートデザインが採用されており、しっかりとコストダウン策が講じられていた。これは残念!
2.シート周りの機能が最小限に抑えられている
具体的には、①電動ではない ②ランバーサポートが無い ③調整機構が前後調整・リクライニング・リフターしかなく、リフターも座面の先端を中支点に座面全体が動くタイプであること。
前車SVXでは、いわゆる8ウェイ電動調整式で、ランバーサポートも装備され、たっぷりした前後長と相まって、シートに関しては満点の出来であったから、比較対照のハードルが高すぎるというべきか。自動車専門誌の評価は、決して低くはないのだから...
3.ステアリングにテレスコピック機能が無い
私には標準装備の範囲内で、ピタっと納まるポジションが見つけられなかった。後日、シートの腰当ての類を3個買って、ようやくフィットするものを見つけた。
4.収納スペースが不足気味
運転席廻りの収納スペースも最低限であり、グローブボックスも容量は大きくない。ラゲッジアンダーボックスもただのくぼみに蓋をつけただけで、容量も小さく仕切りもついていない等最近のSUVとしては物足りない。この辺りは、軽自動車の生産ノウハウを活かし、もう一工夫欲しかったところ。
5.標準オーディオの音がイマイチ
試乗した際に感じたことだが、ボーカルが伸びずに、ベース等の低音だけがこもりながら鳴っており不満大であった。ヘッドユニットとスピーカーのどちらが主要因だかはっきりしなかったが、経験的にスピーカーだろうと当たりを付け、オプションで純正のクラリオン製に換装した。これは、大正解でデッドニング等の改善策は行っていないものの、音の抜けは格段に良くなった。
---結局、ナビの誘惑に負けて、一ヵ月後にALPINEのナビを購入してしまった。---
6.時計が小さく同乗者からは殆ど視認出来ない。
7.外気温度計が、マルチインフォメーションディスプレイの表示切替を行わないと表示されない。外気温が3℃以下になると、凍結注意のメッセージが出ることが判明したが、常時表示されるわけではないだけに、外気温はもっと簡単に表示できるほうが望ましい。
8.シートベルト装着の際、ベルトを引っ張ると、バックルが、シートとピラーの間に引っ掛かり易く、ピラー側が傷だらけになっていること。
■次に優れていると感じたものを列挙したい。
1.私が購入したのは、ACC PRECRS 装着車なのだが、これは秀逸だと感じた。
ミリ波レーダー搭載のACTIVE ACCは、中央自動車道の朝の渋滞が始まる前の微妙に混み始めてきた段階でも、全くペダル操作を必要としない程、良く追随する。
難点は、少々、元気が良過ぎるレスポンスで、加減速は結構しっかり行うタイプだ。省エネ走行をしたければ、マニュアルでACCに頼らない方が良いと感じた。
また、PRECRSの感度も良く調整出来ており、要らぬタイミングで介入されるお節介さも感じられなかった。
2.ヒルホールドは便利
この機能は、日常のスーパーの駐車場のスロープや渋滞の坂道などで結構重宝する。
3.全面UVカットガラスを採用している
フロントガラスのみならず、フロントドアにUVカットガラス、リヤドア、クォーター、 バックドアはUVカット機能付スモークガラスが採用されており、意外とECOだったりもする。
しかし、紫外線をカットするということは、はやりの「光触媒」の効果が得られない等のマイナス面もあったりする。
4.センタースピーカー
ややサイズが小さく、こもりがちの音質だが、音の厚みを増すのに一役買ってくれる。
5.その他自光式インパネやキーレススタート等、全体的な電装品の機能向上は、17年の年月を感じさせる。
ユーザー層の違いがあるにせよ、カップホルダーさえ付いていないSVXとは、隔世の感がある。
何といっても、コスト対効果が素晴らしい。
SVXが秀逸なフラット6で、前車ローレルも直6だったため、6発は必須条件と考えていただけに、ライバルと目されるRAV4やデュアリス、フォレスターが、4発しか選べないことを思うと、同クラス・同一価格帯には全く対抗馬がいない唯一絶対の優位さだと感じる。
ローバーのフリーランダー2が、同一排気量で、ほぼ同じサイズのボディーだが、最廉価グレードで395万、最上級グレードは550万とESCUDOの倍以上もする。
3.2リッターのV6搭載車が200万円代というのは、極めてリーズナブルと感じた。
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