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第21回定期演奏会
2台のマリンバとマンドリンオーケストラのための

「スタジオジブリ・メドレー」
曲目解説完全版



Updated on January 23, 2005

この解説は、アンサンブル・アメデオ第21回定期演奏会のパンフレットに掲載した「2台のマリンバとマンドリンオーケストラのための『スタジオジブリ・メドレー』の曲目解説の完全版(詳細版)です。団員の一関恵子が書き下ろしたもので、紙面の制限でパンフレットに掲載できなかった部分もすべて掲載しています。

◆作者について

《久石譲/ひさいし・じょう》
1950年12月6日、長野県中野市に生まれる。本名は藤澤 守。「久石譲(ひさいしじょう)」という芸名は,彼が国立音楽大学在学中,当時好きだったクインシー・ジョーンズからとったもの(久石[クインシー] 譲[ジョーンズ])である。
在学中からミニマルミュージック(同じメロディーがいろいろな形を変えて延々と演奏されるというもの)に興味を持ち,現代音楽の作曲家としてコンサートの作曲・演奏・プロデュースを数多く行う。「ニューBGM」「環境音楽」の推進者。

決定的に彼の地位を押し上げたのは,宮崎駿監督作品「風の谷のナウシカ」(1984年)。当初,この作品のイメージアルバムの作曲者はすでに別の有名な人に決まっていたが,宮崎駿氏、高畑勲氏の強い押しで久石氏に決定した。当時そこまで有名ではなかった久石氏がこの映画によって一躍脚光を浴びることに。宮崎作品では「天空の城ラピュタ」(1986年)位までがミニマル色の強い音楽形態である。それ以後,その色は少しずつ薄くなってきている。本人曰く,ミニマルミュージックという下積みがあったからこそ今の自分があるという。

 「風の谷のナウシカ」以後、宮崎駿監督の「となりのトトロ」「もののけ姫」や北野武監督の「HANA-BI」「菊次郎の夏」など40本以上の映画音楽を担当し,これまでに数度にわたる日本アカデミー音楽賞最優秀音楽賞をはじめ,第48回芸術選奨文部大臣新人賞(大衆芸能部門)など,数々の賞を授賞。日本映画界には欠かせない存在となる。映画「千と千尋の神隠し」で2001年度第56回毎日映画コンクール音楽賞,新世紀東京国際アニメフェア劇場部門音楽賞を授賞。同サウンドトラックで第16回ゴールドディスク大賞アニメーション・アルバム・オブ・ザ・イヤーを授賞。また,日本映画界に大きく貢献してきた今までの実績とその多彩な活動が評価され,2002年淀川長治賞を授賞する。

《宮崎駿/みやざき・はやお》
 1941年1月5日,東京都墨田区に4人兄弟の次男として生まれる。飛行機会社の役員だった父親や,戦記好きの長兄の影響もあり,子供の頃から戦車や飛行機の絵を描くのが大好きで,写真や絵のディテールを再現する術はずば抜けていた。早くから絵画を習い,漫画家を目指す。
 1963年に学習院大学政経学部を卒業(在学中、児童文学研究学会所属)。同年,東映動画に入社。高畑勲氏との親交を深めていた彼は「太陽の王子ホルスの大冒険」の制作スタッフの一人として携わるが,興行的には失敗し退職(他の主な作品「長靴をはいた猫」「どうぶつ宝島」アイディア構成・原画)。
 1971年Aプロダクションに移籍,「ルパン三世」の演出,「パンダコパンダ」では脚本・場面・設計・レイアウト・原画を担当する。
 1973年ズイヨー映像(後、日本アニメ)へ。全話全カットのレイアウトという超人的仕事をこなした「アルプスの少女ハイジ」は海外でも放映され人気を博した(「母をたずねて三千里」でも場面設定・レイアウトを担当)。初めて監督したTVシリーズ「未来少年コナン」(1978年)の演出で注目が集まる。
 1979年テレコムアニメーションフィルム作品「ルパン三世 カリオストロの城」では初の映画監督に就任,原作を越える面白さを演出する(1982年「シャーロック・ホームズ」演出)。
 1984年に映画「風の谷のナウシカ」が大ヒット。この映画は,月刊アニメージュに連載中だった同名漫画を映画化したもので,見事に社会問題を織り込み,大反響を呼んだ。次の「天空の城ラピュタ」(1986年)で「スタジオジブリ」を設立(『ジブリ』−イタリア語で、アフリカのサハラ砂漠から地中海を越えて吹く熱帯の風を意味する「ギブリ」から。宮崎氏の読み間違いがそのまま使われることに。その後,シンボルキャラクターがトトロになった)。ちなみに,宮崎氏の個人事務所「二馬力」は,夫人と二人で一馬力ずつの意味。
 以後,「となりのトトロ」(1988年)「魔女の宅急便」(1989年)「紅の豚」(1992年)「もののけ姫」(1997年)「千と千尋の神隠し」(2001年)と続々と素晴らしい映画を制作。特に「紅の豚」は飛行機マニアの宮崎氏の趣味がふんだんに映画に反映された作品となっている。最新作は「ハウルの動く城」(2004年)。 金曜ロードショーのオープニングの音楽は久石氏,そしてアニメは宮崎氏が手がけている。


「風の谷のナウシカ(Nausicaa of Valley of Wind)」

〜STORY〜
 かつて生命体すらも自由に作り替えた巨大産業文明が「火の七日間」と呼ばれる世界大戦で崩壊してから1000年,地上は産業廃棄物の錆とセラミックで荒れ果てた大地となり,有毒の瘴気を発する菌類の森林〜腐海に覆われようとしていた。腐海は,人間がマスクをつけずに入ると,その瘴気により5分もたたずに肺が腐って死んでしまう空間であり,今でもわずかに残った人類の住処をも次々と呑み込み続けている。人類は腐海を焼こうと試みてきたが,その度に腐海の主ともいうべき王蟲(オーム)の群れが地を埋め尽くす大波となって押し寄せる。すべてを破壊し,どこまでも暴走した王蟲達はやがて命尽き,その死骸から胞子が生えてまた腐海となっていた。

人口500人足らずの≪風の谷≫は,海から吹く風によってかろうじて瘴気から守られている農業共同体の小国である。その族長の娘,〈風使い〉のナウシカは,ある夜,雲の中から無数の蟲に覆われた軍事国家トルメキアの巨大な輸送艦が風の谷に墜落するのを発見,捕虜として中に収容されていたペジテ国のラステル姫の絶命を看取る。ラステルが「燃やして欲しい」と言い残した「積荷」とは,ペジテ市で発掘された巨神兵であり,トルメキア軍はそれを強奪,自国に運ぼうとしていた。

輸送艦の持ち主であるトルメキア軍は,皇女クシャナを司令官とし,そのまま谷を占領,無傷で残った巨神兵復活の最前線基地とする。かつて遺伝子工業と機械工学の癒合によって産み出され,火の七日間で旧世界を滅ぼした最終兵器・巨神兵。ペジテ市で発掘された巨神兵の球体(胎児)をトルメキアが襲い,そして奪い取ったのがこの戦争の発端だった。

巨神兵が兵器として使われることを阻止しようとする工房都市国家ペジテと,強大な力を他国が持つことをおそれ,巨神兵を使って列強を下そうとする帝国主義のトルメキア。だが,ナウシカにとっては,ペジテにしても,巨神兵を奪い返して腐海を焼き払い,人間中心の世界を作ろうとしていることに変わりはない。 トルメキア軍に父を殺されたナウシカは怒りに任せ,トルメキア兵士を殺してしまうが,しかし,民を生き延びさせるため降伏を受け入れる。

クシャナは,ナウシカと5人の城オジ達を人質にペジテ市へ向かうが,途中ラステルの兄アスベルのガンシップに襲われ,部隊は壊滅。ナウシカは,クシャナと城オジを連れ,風の谷のガンシップで脱出し,腐海に不時着するが,アスベルも近くに不時着したことを知り,一人救出に向かう。

腐海の底で目を覚ましたナウシカとアスベルは,マスクをしなくても息が出来ることに気がつく。ナウシカは,腐海の底に清浄な湖があり,それが地上を浄化してくれることを知っていた。綺麗な水と土では腐海の木々も毒を出さない。汚れているのは土だったのだ。腐海の木々は,この世界を綺麗にするため,大地の毒を取り込み,きれいな結晶にしてから死んで砂に還っていく。王蟲達はその森を守っていたのだった。

その頃ペジテは巨神兵を取り戻し,またトルメキアを倒すため,王蟲の幼生を傷つけて囮にし,王蟲の群れを誘導して風の谷を襲わせようとしていた。対抗したクシャナは巨神兵を甦らせるが,早すぎた目覚めにより,巨神兵の体は腐って崩れ落ちてしまう。

王蟲の幼生を助けたナウシカは,風の谷に向かって暴走してくる王蟲の大群に自ら身を投げだす。誰もが彼女の死を思った時,奇跡が起きた!王蟲が怒りを鎮め,それらから伸びた無数の金色の触毛がナウシカの胴体を差し上げ,蘇生させたのだ。

王蟲の幼生の体液で青く染まった服をまとい,朝の光に輝く金の触毛の上に立つナウシカ。金色の草原を歩いているようにみえる彼女の姿は、
その者 青き衣をまといて 金色の野に降り立つべし
失われた大地との絆を結び ついに人々を青き清浄の地に導かん
という,風の谷の伝承に伝わる伝説の人そのものであった。

〜作品について〜
 ナウシカの感情に即した音楽でなく,ナウシカの目線で未来の異世界をどう受け止めているのかに曲想を持ってきたこの作品のサウンドトラックは強い印象を残し,久石氏はこの映画をきっかけに日本映画を代表する作曲家となります。久石氏は,その後現在まで宮崎アニメの長編の全作品を手がけていますが,構想段階で久石氏が自由に音楽を展開するイメージアルバムを発売し,それを聞いた宮崎氏達が更にイメージを膨らませて実際のサントラに指示を出すという,独特の手順を踏んで作られます。

 「風の谷のナウシカ」がアニメ史的に貴重な点として,これが宮崎氏にとっても初の,他者に原作を持たないオリジナル企画だったことがあげられます。徳間書店のアニメ雑誌「アニメージュ」編集部は,「カリオストロの城」で人気がじわじわと人気が出てきていた宮崎氏のオリジナル企画の映像化を提案しますが,有名な原作などを絡めたものでないと難しいという現実にぶつかり,それでは原作を作ってしまおうと,宮崎氏に連載を打診したのが,「風の谷のナウシカ」漫画版(全7巻)です。アニメ版とは設定,登場人物などがかなり違うので,興味のある方はご一読を。

 宮崎氏は,この漫画連載以前に,東映ムービーに「もののけ姫」(93年に絵本化されたものと同じ内容。〔もののけ〕と呼ばれ恐れられる大山猫が,ある武士から幼い三の姫を貰い受けるが、姫の心はなびかない。姫は,自分を捨てた父に取り憑いた悪霊から父を救いたいのだった。やがて単身故郷の城に乗り込み、父の懐に飛び込んだ姫を、〔もののけ〕は命をかけて救う―。この〔もののけ〕はトトロを思わせるキャラクターです)の企画を出しましたが通りませんでした。

 次にリチャード・ベーコンのコミック『ロルフ』のアニメ化の応援を手塚治虫から取り付けますが,実現には至りませんでした。この「ロルフ」で宮崎氏が付け加えたオリジナル設定に,〔風の谷〕,〔王女ナウシカ〕,〔サンド王蟲〕などがあり,「ナウシカ」の源流の一つになっています。

 もう一つの源流は,宮崎氏が子供の頃に読んだ中納言物語(本人は「今昔物語」と思っていたそうです)に登場する「虫愛づる姫君」。

*「虫愛づる姫君」・・・・貴族の姫君である虫愛づる姫君は,年頃になっても野原を飛び歩き,イモ虫が蝶に変身する様に感動し,世間から変わり者扱いされています。同じ年頃の娘は,皆,眉を剃り,お歯黒をつけているのに,彼女だけは真っ白な歯と黒い眉をしていて「様子がおかしい」といわれています。昆虫好きだった宮崎少年は,子供心に彼女の行く末が気になって仕方がなかったそうです。

 ナウシカの名前は、バーナード・エヴリスンの『ギリシャ神話小事典』に出てくる叙事詩『オデュッセイア』に登場する,パエアキアの王女についての記述から取ったもの。トロイ戦争の英雄オデュッセウスが沿岸に打ち上げられていて,みんなが逃げまどうのに,ナウシカ王女は彼をかばって介抱するというくだりです。

 また、王蟲は、フランク・ハーバートのSF小説「DUNE砂の惑星」(実写版の映画監督は、かの鬼才デビッド・リンチ)に登場した砂虫がモデルだといわれています。この砂虫が分泌する麻薬を人間が摂取すると、眼が青く輝くようになるのです。

 イメージソングは,作詞:松本隆/作曲:細野晴臣/歌:安田成美 「風の谷のナウシカ/風の妖精」,キャッチコピーは,「少女の愛が奇跡を呼んだ」でした。

〜曲について〜

□遠い日々
牧歌的な民族調のメロディーが繰り返し演奏されます。ナウシカの幼い頃の場面,ナウシカが蘇る場面では幼い歌声とともに流れていきます。この歌声は,久石氏の実娘,藤沢麻衣(ふじさわ まい)さん。当時わずか4歳児でした。

□「鳥の人」〜エンディング〜
映画の最後のシーンから,エンドテロップにかけて使われる曲。エンドテロップまでの前半は「鳥の人」をイメージして作られており,助走をつけ大空へ飛び立つ様子が見事に現れています。大空を自由に飛翔するナウシカ。鳥が飛び始め,その後大空を自由に飛び回っている・・・。そんな様子が音楽からだけでも,鮮やかに甦ります。エンドテロップに入ると雰囲気は一転,ナウシカオープニングでも使われたメインテーマが始まります。寂しげな旋律。ナウシカの世界感が見事に凝縮されて表現されています。


「天空の城ラピュタ(LAPUTA:The castle in the sky)」
〜STORY〜
 舞台は19世紀初頭。スラッグ(=炭の残りかす)渓谷の鉱山で働く少年パズーは,亡き父がその姿を目にしたが,人々から信じてもらえなかった,天空に浮かぶ城ラピュタに行くことが夢。ある日パズーは,空から突然降ってきた少女シータと出会う。

 シータは空中海賊ドーラとその息子達に終われ,飛行船から落下してしまったのだが,飛行石の力でパズーの前にふわりと着地したのだった。海賊達の狙いは,不思議な力を持つその飛行石。また,彼女の飛行石は,国防軍と政府調査機関の特務将校ムスカにも狙われていた。

 シータは天涯孤独の身で,ラピュタ王族の血を引く少女。亡き母から譲られた飛行石はシータの手にある時しか威力を発揮しないのだが,彼女はまだそのことを知らない。

 二人は,軍と海賊の両方に追い掛けられ,鉱山列車で逃げるが,国防軍の装甲列車に行く手を遮られ,逃げ場を失う。そのまま鉱山の谷底に落下するが,飛行石の力により無事に着地する。そこでパズー達は,鉱山師のポムじいさんから,シータの持つ飛行石が伝説のラピュタ帝国のものであることを教えられる。石達がざわめくのは,鉱山の上にラピュタが来ているからだという老人の言葉に,パズーはやはりラピュタは実在するのだと確信を深める。

 地上に戻った二人は軍に捕らえられ,パズーは要塞の地下に閉じ込められてしまう。一方シータは,自分がラピュタ帝国の末裔であることをムスカかに告げられる。彼女が母から教わった「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」という名前は,ラピュタ王国の王位継承を意味していたのだ。そしてシータは,パズーを助ける代わりに,ラピュタを探している軍への協力をさせられることになる。

 解放されたパズーは,最初こそ失意に沈んでいたものの,軍がシータを連れてラピュタへ向かう無線を傍受したドーラ一家に,自分も一緒に連れて行ってもらいたいと頼み込む。

 無事にシータを助け出したパズーは,ドーラ達とともにラピュタを目指す。海賊達の飛行船タイガーモス号の見張りをしていたパズーとシータは,軍の戦艦ゴリアテを発見。タイガーモス号は必死に逃げるが,すさまじい砲火を浴び,二人のいた見張り台の凧はタイガーモス号と離ればなれになってしまう。

 その時パズーは,巨大な低気圧の雲「竜の巣」を発見する。幼い頃聞いた父の話を思い出し,この雲の中にラピュタがあると確信したパズーは,凧を操り渦の中心へと向かう。凧は雷に打たれ,二人は気を失ってしまう。

 二人は目を覚ますと,美しい花畑にいた。とうとうラピュタに辿り着いたのだ!と,その時大爆音が起こり,様子を見に行くと,軍の兵隊達が宝物の略奪を始め,ドーラ達が捕まっていた。二人は助けだそうとするが失敗。シータは再びムスカにとらわれてしまう。ムスカもまた,シータと同じラピュタ一族の末裔で,ラピュタの高度文明が産み出した兵器で世界を支配することにとりつかれていた。

 ムスカはラピュタの中枢部に君臨し、半球体底部から繰り出された7本の石柱から発射される超科学兵器ラピュタの雷を用いて,集まった同行の将軍や兵士を下に落としてしまう。

 「バルス!」シータとパズーは,飛行石に互いの手を重ね合わせ,滅びの呪文を唱える。ムスカの野望は崩壊する。そして城も・・・。しかし,呪文で下部が崩れ始めても,巨大根が飛行石を捕え,ラピュタははるか上空へと登っていく。

 飛行石は古来から人類が憧れてきた空中浮揚の夢であり,ラピュタの木々を豊かに成長させてきた力であるとともに,旧約聖書にあるソドムとゴモラを滅ぼした天の火・雷の塔のエネルギー源でもあったのだ。 

 凧を使って脱出したパズーとシータは,無事にドーラ達と再会を果たす。そしてパズーは,シータを連れ,彼女の故郷に帰っていく。 

 飛行石とは、人の力の生きる源でもあったのではないか。そしてそれはラピュタが飛び去ってしまった後も、二人の胸の中にしっかりと灯される────── 。

〜作品について〜

スウィフトの空に浮かぶ島
 「ナウシカ」の次作として考えられていたのは,宮崎氏が脚本を書き,高畑氏が監督する高校生の純愛物語で,堀川が流れる福岡県柳川市を舞台に想定されていました。これは「柳川掘割物語」というドキュメンタリーに形を変え,87年に公開されました。
その後,スウィフトが1726年に著した「ガリバー旅行記」第三章に登場する,空に浮かぶ島ラピュタ(さらにさかのぼれば,プラトンの失われた地理誌『天空の書』に記載されたラピュタリチス)のイメージを借りて自由に膨らませたのがこの『天空の城ラピュタ』です。原作漫画を持たない宮崎氏の初の完全オリジナル作品でした。

 ラピュタの舞台のモデルは,イギリス・ウエールズ地方。宮崎氏が実像を目指したのは,「機械がまだ機械の楽しさを持つ時代,科学が必ずしも人間を不幸にするとはまだ決まっていない頃,一寸洋風だがどこだかわからない国」でした。

 スウィフトの作品に描かれたラピュタは完全な円錐形で中心に王宮がありましたが,この映画のラピュタは,上層部が緑豊かな城で,下層部が黒い半球体の外観をしており,中心には巨大な飛行石を持っています。この下層部には,蛹のような状態で格納され,いつでも出動できるロボットをはじめ,超科学力のすべてが秘められています。

 イメージソングは、作詞:松本隆/作曲:筒美京平/歌:小幡洋子 「もしも空を飛べたら」。味の素との提携で清涼飲料水(柑橘系の低炭酸飲料)も発売されました。飲んだことあるかた,いらっしゃいますか?キャッチコピーは,「ある日,少女が空から降ってきた」。

〜曲について〜

□天空の城ラピュタ
オーケストラ構成のフェードインではじまり,ラピュタの壮大感を強調しています。神秘的なピカピカという感じから,印象的な管楽器の旋律へ。そしていろいろな楽器が入れ替わりメロディーを構成を構成していきます。ゆったりとしたメロディーにラピュタのスケール感が表現されています。ラピュタが現れ,そして再び天に向かって上昇していく・・・・。まさに天空の城のイメージそのものです。

□タイガーモス号にて
パズーが囚われていたシータを救い出し,タイガーモス号で飛行船ゴリアテの追跡をする時に流れます(フラップターのテーマ)。ピチカート奏法のストリングスのメロディーが,とても軽快な印象を与えます。カーン、カーンと金づちを叩く鉱夫のイメージでしょうか。また,ラピュタから脱出し、ドーラ達と再会,また別れてゆく場面では,タイガーモス号の元気の良いテーマで始まり,エンディング「君をのせて」に続いていきます。

□君をのせて
この作品の主題歌で,作詞は宮崎氏が手掛けています。オープニングタイトルから,シータがはじめてパズーの前に落ちてくる場面,二人がパズーの家で自己紹介しあう場面,タイガーモス号の見張り台での場面などで様々に形を変えて流れます。二人が滅びの呪文を唱える場面の,子供達のラララ・・・・という合唱が耳に残ります。


「となりのトトロ(My Neighbor TOTORO)」

〜STORY〜

 五月の美しい空の下。小学4年生のサツキと4歳のメイは,お父さんと一緒に,緑に囲まれた郊外の一軒家に引っ越してきました。病気で入院しているお母さんを,空気のよい家で迎えるためです。着いた家はとても古く,「おばけ屋敷みたい!!」と二人とも大はしゃぎ。そしてそのとおり,二人はとても不思議な生き物たちと出合うことになります。

 勝手口の戸を開けると,黒いものがいっせいにゾワ〜〜ッ,と散っていくのが見えました。絵本で見た,明るいところから急に暗いところに入ると出るという『まっくろくろすけ』?
 ある日,サツキは学校へ,お父さんはお部屋で仕事をしていたので,メイは一人で庭の探検を始めます。すると草むらの中に2匹の変な生き物が。さっそくその小さな生き物たちを追い掛けるメイ。自分たちの姿が見えると思っていなかった2匹は,大慌てで茂みのトンネルの中を逃げていきます。そしてメイは,木のうろの中に,さっきの2匹よりも何倍も大きな生き物が眠っているのを見つけます。メイはそのお腹によじ登り,ひげを引っ張りました。するとその生き物は何か大きな声を出しました。メイにはそれが「トトロ」と聞こえます。それがこの生き物の名前だと思ったメイはそう呼ぶことにしました。そのままメイはトトロのお腹の上で眠ってしまいました。けれど,目が覚めてみると,トトロの姿も、トンネルもありませんでした。

 お父さんは言います。「それはきっと森の主にあったんだよ」

 そんな不思議な出来事からしばらくたったある日,サツキとメイは,傘を持たずに出かけてしまったお父さんを,バス停に迎えに行きました。眠ってしまったメイをおぶりバスを待っていると,サツキは隣に誰かが立っていることに気がつきます。そっと伺ってみると・・・。

 それは,メイがで出会ったと話していたトトロでした。サツキは,頭にフキの葉っぱを乗せているだけでずぶ濡れになっているトトロに,お父さんの傘を貸してあげます。やがて,大きなネコのバスがやってきて,トトロは乗っていってしまいました。その時サツキは,傘のお礼に,木の実が一杯入った小さな包みをもらいます。二人は木の実を庭に埋めました。

 ある晩,奇妙な物音でサツキが目覚めると,月光に輝く庭先で,傘を差した大トトロを中心に,中・小のトトロが踊っていました。起きてきた姉妹がその動きを真似し,身体を縮めては伸ばす動作を繰り返すと,やがて埋まっていた実が双葉となって次々に芽吹き,ぐんぐん成長。幹と根がどんどん大きくなってやがては巨大な1本の木になってしまいます。大トトロは取り出したコマを回転させ,胸を膨らませます。そこにとびつく中・小のトトロ。真似して飛び上がり,抱きつくメイ。サツキもコマに載って浮揚していく大トトロに掴まります。村の水田の上を回転しながら,また地上すれすれに飛行する大トトロ。トトロが大声を出すと,その声は風になります。「メイ,わたしたち風になってる!!」

 やがて大クスノキの上でトトロたちとともにオカリナを吹く二人でしたが,書斎で仕事をするお父さんには,フクロウの鳴き声にしか聞こえません。

 翌日,昨夜の出来事が夢だったということに気がつく二人。けれど,木の実を埋めた苗床には双葉が芽吹いていました。

「夢だけど」 「夢じゃなかった!!」

 夏も盛りの頃,お母さんの退院の日が近づいてきました。二人はその日を心待ちにしていますが,病院から退院の日が延びたという電報が届き,お母さんにどうしても会いたくなったメイは一人で病院を目指します。お母さんにあげる「トンモコロシ」を持って・・・・。

 メイがいなくなったことに気がついたサツキは,村中探し回りますが,みつけることが出来ません。心配し,途方にくれるサツキ。

彼女はトトロのところに,メイを探してくれるよう頼みに行きました。トトロはネコバスを呼んでくれて,いざ出発です。あっという間に,田んぼ,高圧線の上,森々を駆け抜けるネコバス。けれども,村のみんなにその姿は見えません。突風が吹いたと思うだけです。

 そしてとうとう,サツキはメイを見つけます。ネコバスは二人を病院まで運んでいってくれました。二人は病室の脇の木から,お母さんの笑顔をみます。元気な姿を確認し,安心した二人は,メイの「トンモコロシ」を窓辺にそっと置いて,ネコバスとお家に帰っていくのでした。

〜作品について〜

 初期の設定では,サツキとメイはもとは一人のキャラクターでした。ポスターなどはその一人の少女が描かれています。のちに二人に分けられました。

 描かれた時代は,昭和30年代初期の所沢市松郷となっていますが,実際にはそれだけでなく,宮崎氏が過去に働いていた聖蹟桜ヶ丘にあるアニメーション・スタジオの近郊や,子供の頃に見た神田川の流域,美術監督の生まれ故郷である新潟の農村や群馬県の親戚の家など,さまざまな場所のイメージを合わせて作られています。所沢市松郷の雑木林は,今では「トトロの森」と呼ばれています。そして,「トトロ」の名前は,宮崎市の自宅があり,作品の舞台となっているこの【所沢】をもじったものです。

 キャッチコピーは「このへんないきものはまだ日本にいるのです。たぶん。(糸井重里)」。糸井氏がジブリに打ち合わせに来た際,彼は子供を連れていて,その時の父子の様子を見た宮崎氏は,彼をお父さんの声に配役しました。最初に糸井氏が作ったのは,「このへんないきものは,もう日本にはいないのです。たぶん。」でしたが,宮崎氏が変更,映画を観客が受け入れる道筋を示しました。

〜曲について〜

□風のとおりみち
 メイが最初にトトロと出会ったあとお父さんたちとトトロを探しに行き,大楠木を見つけた時,また,真夜中にトトロたちと遊ぶ時,庭に埋めた木の実がどんどん芽吹いていく時などに流れます。トトロ(森の生き物たち,そして生命)の存在を感じる瞬間です。

□となりのトトロ
 曲は全部知らなくても,サビの部分はきっと皆さんごぞんじなのではないでしょうか?一度聞くと忘れられない,そしてつい口ずさみたくなってしまう主題歌です。当時のアニメ主題歌がニューミュージック系のアーティストによって歌われ,その作品の個性を象徴しないものが多かった中でこの曲がヒットしたのは,特筆すべき出来事でした。♪となりのトトロ トトロ・・・・というこのメロディーは現代の童謡になったといえるのではないでしょうか?自分の隣にもきっとトトロはいるのかも!そんな温かい気持ちになる可愛らしい曲です。


「魔女の宅急便(Kiki's Delivery Service)」

〜STORY〜

キキが列車から見た風景?
半島の港町(クロアチア)
 人間の父オキノと,魔法使いの母コキリの間に生まれた魔女のキキは13歳。魔女は13歳になると親元を離れ,自分で住む街を見つけて一人で1年間修行しなければなりません。キキもある満月の夜、友達のオス猫ジジと一緒に,母からもらった箒で修行に旅立ちます。途中で天気予報に反し,雨に降られてしまったキキは,貨物列車に潜り込み,一晩を過ごします。翌朝起きてみると,走る列車から見えたのは半島の港町コリコ。海に憧れていたキキはこの街に住むことを決めます。時計台を中心にして広がる城壁の街。人々は魔女の存在を知ってはいますが,実際に見たことは滅多にないので,箒で空を飛ぶ姿は驚きをもって迎えられます。ダブルデッカー(二階建てバス)にぶつかりそうになっておまわりさんに怒られたり,ホテルでは未成年だということで宿泊を断られたりして,途方にくれてしまいます。

 そして,親切なグーチョキパン店(「gutiokipanja」)のおかみさん,おソノさんに出会い,屋根裏の倉庫を貸してもらい,ジジとキキの新しい生活が始まります。

 飛ぶ魔法しか使えないキキは,パン屋の店番をしながら,宅急便屋の仕事を始めることにしました。最初の仕事は,黒猫のぬいぐるみの入った鳥かごを岬の家に届けること。けれど,途中で突風に吹かれて,ぬいぐるみを森の中に落としてしまいます。ジジがぬいぐるみに化けて時間を稼いでいる間に,キキは森に戻り,ぬいぐるみを見つけ出します。その時,森に住む画家の少女ウルスラと仲良くなります。

 路面電車が近くを走る古びた屋敷を訪ねたときは,電動オーブンが故障し,孫の誕生日のパイを作ることが出来なくなってしまった老婦人のために,かまど式のオーブンに火を入れるのを手伝ったり,料理が出来上がるまでの間に電球を換える手伝いまでします。

 けれど,折角届けたのにそっけない態度を見せるお客に,キキは傷つきます。またトンボに誘われていたパーティーにも行けなくなってしまいます。けれど,老婦人は後日,彼女のために,キキをあしらったケーキをプレゼントしてくれるのです。

 トンボは大空が大好きで,「飛ぶ」ことを夢見ている少年。キキは二人で,不時着した飛行船を見に行ったりします。順調に見えたキキの生活でしたが,ある時キキの魔法が急に弱くなってしまいます。飛べなくなり,ジジの言葉もわかりません。お母さんの箒も折れてしまいます。

 落ち込むキキを,ウルスラが訪ねてきます。魔法がつかえなくなったというキキに,私もよく絵が描けなくなることがあると話すウルスラ。「そんな時はジタバタするしかないよ。」それでもダメだったらいったんやめてみな,と。今まで魔法が何かということを考えたこともなかったキキは、ウルスラと話すうちに少しだけ元気を取り戻します。  ある日キキは,トンボと見に行った飛行船が飛び立とうとする模様をテレビでみます。すると突然突風が吹き,地上と飛行船をつないでいたロープが切れ,飛行船がどんどん流されはじめます。その様子を見守っていたキキでしたが,ロープの端にトンボがぶら下がっているのを見つけます。急いでその場へ向かうキキ。トンボを助けようと,近くにいた掃除夫のおじさんからデッキブラシを借りて飛ぼうと試みます。キキの必死の気持ちが通じたのか,デッキブラシは空に舞い上がります。群集が見守る中,キキはトンボを助けようとしますが,うまくコントロールできず,なかなかトンボに近づくことができません。とうとう,我慢できなくなり,ロープを放してしまうトンボ。その瞬間,危機一髪で,キキはトンボの手を掴みます。たくさんの人々の歓声に包まれながら,二人はゆっくりと着地しました。

 ある日,オキノとコキリのもとに,キキから一通の手紙が届きます。
「落ち込むこともあるけれど,私はこの町が好きです。」

〜作品について〜

 角野栄子氏の同名作品を原作とする,初の児童文学の映像化。今現在,4巻まで刊行されており,キキは17歳になっています。

時計台を中心に広がる街
(ドブロブニク)
 主題歌には,当時都市に憧れる女性達からブランド視されていたユーミン(荒井=松任谷由美)の歌を使用しました(『ルージュの伝言』,エンディング『やさしさに包まれたなら』)。  『日本の女の子がなんとなく思い描いているヨーロッパ』的な街を舞台とするため,スウェーデンの首都ストックホルムやバルト海に浮かぶ島ゴトランド島ヴィスピーなどにロケハンをしたり,宮崎氏が今まで訪れた,アイルランドの光景やイタリアの町の広場,パリの繁華街,サンフランシスコのイメージなどを加えています。クロアチア(の城壁都市ドブロブニク)が舞台のモデルに,またグーチョキパン店のモデルになったパン屋はタスマニアにあるといわれています。

 おソノさんのだんなは無口に描かれていますが、実はマシンガントークで知られる山寺宏一が演じています。今からすると嘘のようですね。ちなみに,キキとウルスラの声は高山みなみで,一人二役を演じています。

 ほかに宮崎氏が挿絵を担当した魔女物に,SF作家ジェイムズ・H・シュミッツ作の「惑星カレスの魔女」があります。1987年新潮文庫から発行され,その後1996年に創元SF文庫から同じスタイルで発行されました。
 キャッチコピーは,「おちこんだりもしたけれど,私はげんきです。(糸井重里)」

〜曲について〜

□晴れた日に
この曲はタイトル通り,晴れた日のイメージにぴったりの伸びやかな曲です。3拍子のリズムが曲にのどかさを加えています。最初の旅立ちを決意する場面や,トンボと二人で海に行き飛行船を眺めたり,ウルスラの森の家を訪ねるところなどに流れます。

□ナンパ通り
箒で街に期待を持って降り立つ場面や,二つも仕事が入って,またトンボにパーティーにも誘われて、嬉しいけれど大忙し、というところなどに流れます。キキの高揚した気持ちが表されています。

□風の丘
はじめてコリコの街を見つけたところなどに流れます。余談ですが,ドブロブニクは、キキの目から見た(そしてアニメに描かれている),まさにあのままの,「海にうかぶ街(時計台のある港町)」です。


「もののけ姫(The Princess MONONOKE)」

〜STORY〜 

 時は室町中期。大和朝廷との戦いに敗れ,北の地の果てに隠れ住んでいる先住民エミシ(蝦夷・毛人)。彼らは決して歴史の表には出てこない。アシタカは一族の長になることが約束されている青年だった。

 ある日突然タタリ神が里に乱入してきた。猪神ナゴの守の身体に鉛玉が撃ち込まれ,気が触れて体が腐り,呪いを集めてタタリ神となってしまったのだ。アシタカはタタリ神の突進を止めようとするが効果なく,村の少女達の危機を救うため,やむを得ず急所を矢で射る。その時タタリ神の一部が右腕に触れ,赤黒い痣となって呪いを受けてしまう。身体が徐々に蝕まれ,やがて彼の骨が砕かれていく運命となってしまったアシタカ。巫女のヒイ様は言う。「猪神がタタリ神になってしまうほどの何かが西の国で起こっている。それを見定め,曇りなき目で見つめればあるいは呪いを解く鍵も見つかるかもしれない」と。アシタカは,村の掟に従い,またその呪いを何とか解こうと,大カモシカのヤックルに乗って旅に出る。

 途中,白い山犬のモロ一族に襲われている牛飼いをアシタカは助ける。石火矢(種子島の鉄砲伝来以前に中国・アラビアから伝わってきたといわれている銃)を持った護衛の者たちは,モロ一族を狙っていた。白い山犬の長・モロの君は二本の尾を持つメスの犬神で年齢は300歳。そして,モロたちを退却せしめたこの隊を指揮していたのはエボシ御前。ナゴの守をタタリ神に変えてしまった鉛玉を撃ち込んだのは,このエボシであった。

 製鉄を行っているタタラ場の指導者エボシは,火を絶やさぬために森を切り開こうとし,森の神々と対立していた。また,エボシは,天朝の指令を受けた師匠連と組み,その首に不老不死の力があるという神獣シシ神の首も狙っていた。アシタカはタタラ場でモロの娘で山犬の姫,サン−もののけ姫−と出会う。サンはタタラ場に夜襲をかけ,エボシを倒しに来たのだ。アシタカはサンを助けようとし,かえって自分が深手を負ってしまう。サンは,瀕死のアシタカを,生き物が太古のまま巨大な姿で住んでいるというシシ神の森へと連れて行き,その命を助ける。

 森(もののけ)対人間。アシタカは双方の間にたって和解させようと奔走するが,努力の甲斐なく,壮絶な戦いが始まった。サンは盲目の老猪,乙事主の目の代わりになるため,シシ神の森を出る。一方アシタカは戦いを止めようと戦場に向かう。

 戦いに傷つき,絶望した乙事主はタタリ神へと変容しようとしていた。何とか助けようとするサン。しかし,その勢いを止めることは出来ず,乙事主に取り込まれそうになる。モロの君はサンを取り戻そうと乙事主と戦い,そして助け出すが,力尽きて倒れてしまう。そこに,すべての生き物の生死を司るシシ神が現れ,乙事主の命を吸い取る。

 シシ神の首を狙うエボシと師匠連のジコ坊もその場に駆けつけ,エボシは石火矢でシシ神の首を討ち取った。しかしその時,最後の力を振り絞り襲い掛かってきたモロに、エボシは右腕を食いちぎられ,深手を負う。

 首を奪われディタラボッチとなったシシ神は暴走,見境なく周りの生き物の生命を奪っていった。アシタカとサンはジコ坊から首を取り戻し,ディダラボッチに掲げる。首を取り戻したディダラボッチは日の出と共に湖に倒れ込んで消滅する。そして死に絶えたと思っていた森が甦える。しかし,緑は戻っても,そこはもう元のシシ神の森ではない。アシタカの右腕の痣は傷となって残り,サンの人間不信も解けない。一緒に過ごすうちに,心を通わせたアシタカとサン。しかしサンは,アシタカのことは好きだが,人間を許すことは出来ない,と森で生きていくことを選ぶ。二人はお互いの存在をしっかり見据えながら,別々の場所で生きていくことを決意する。タタラ場は焼け落ちてしまったが,エボシはまた一からみんなとやり直すことを決意し,アシタカを迎えに行かせるのだった。

〜作品について〜

 宮崎氏はスタッフ15名と共に,日本で照葉樹林の残る最後の場所,屋久島へロケハンに行っています。シシ神の棲む極相林の,人跡未踏で純度の高い自然を参考にするためですが,かつてもこの場所を訪れたことが,『ナウシカ』の腐海のイメージの基にもなったといいます。照葉樹林とは,クス,シイなどの光沢のある常緑の広葉樹のこと。主にドングリを産し,それが人間の食料となっていたとの説もあります。『トトロ』でも,サツキとメイがトトロに会う前には,予兆のようにドングリを見つけていましたね。

 この作品は,ディズニーと提携して,米国でも上映されました。背景としては,ディズニーが世界で新作を公開して,たった1国だけトップを取れない年があり,それはスタジオジブリのアニメが公開された年の日本。そこでディズニーが提携を申しこんできたことにより,米国での公開となりました。
 キャッチコピーは「生きろ(糸井重里)」,主題歌は「もののけ姫」(作詞:宮崎駿/作曲・編曲:久石譲/唄:米良美一)

〜曲について〜

□アシタカとサン

シシ神の首が戻され,太陽が出てきてシシ神は消えてしまうけれども,緑は戻るシーンの音楽です。いままでの緊張したメロディーとはがらりと変わり,あたたかく落ち着いたメロディーになっています。情緒あふれる美しい曲で,オリジナルはピアノがメインになっています。


「千と千尋の神隠し(Spirited Away)」

〜STORY〜
トンネルのむこうは不思議の町でした。
ありえない場所がありました。ありえないことが起こりました。
人間の世界のすぐ脇にありながら,人間の目には決して見えない世界。
土地神や様々な下級神,半妖怪やお化けたち。
そこは,古くからこの国に棲む霊々(かみがみ)が病気と傷を癒しに通う温泉町だったのです。
10歳の少女千尋の迷い込んだのは,そんな,人間が入ってはいけない世界でした。

この世界で千尋が生き延びる条件はただふたつ。
町の中心を占める巨大な湯屋を支配する湯婆婆という名の強欲な魔女のもとで働くことと,
名前を奪われて,人間世界の者で無くなることでした。
千尋は名前を奪われ,「千」という名で働くことになります。

驚きと不思議の町で千尋が知るのは,大きな無力感と・・・・小さな希望。
けれど困難な世界の中で,多くの出会いを重ねながら,千尋はそれまでよりもむしろ生き生きしていきます。

人生経験豊富なボイラー焚きの釜爺。湯屋の仕事の手ほどきをする先輩のリン。
石炭運びのススワタリたち。
ぶっきらぼうだけど,人の良い仲間たちに千尋は励まされます。
湯婆婆の息子・坊。人間界から逃げてきた,ごみとヘドロにまみれた河の神さま。
仮面の男・カオナシ。湯婆婆の双子の姉・銭婆(ぜにーば)。
さまざまな人物達にも出会います。

次々に起こる想像を越えた出来事。
眠っていた千尋の「生きる力」がしだいに呼び醒まされてゆきます。

そして,千尋の前に現われる謎の美少年ハク。彼は自分の名前を忘れ,魔法使いになるため魔女の弟子になったのでした。
けれど,傷つき,目に狂気が宿った竜の姿になっても,千尋ははくを助けようとします。
約束の縁で結ばれた少年と少女の出会い。
甦ってゆく記憶の中で,ふたりは心を通わせ,助け合っていきます。

千尋は果たして自分の名前を取り戻し,人間の世界へ生還できるのでしょうか・・・?

〜作品について〜

≪『千と千尋の神隠し』が出来るまで≫
【ゴチャガチャ通りのリナ】 児童文学「霧のむこうのふしぎな町」(柏葉幸子作)の映画化が最初に企画されました。「リナ」は,物語の主人公の女の子「上杉リナ」,「ゴチャガチャ通り」とはふしぎな町にある通りの名前です(原作では「めちゃくちゃ通り」)。物語中では,『千と千尋の神隠し』を思い起こさせる内容が随所にあります。最終的に,この企画はなくなりました。

次に企画されたのが,【煙突描きのリン】(オリジナル作品)。震災後の東京を舞台に,大阪からやってきたリンという名の画学生が,たまたまその一角だけに残っている商店街のお風呂屋のお婆ちゃんのところに寄宿するという物語でした。この企画もなくなりますが,この中で『千と千尋の神隠し』の主題歌《いつも何度でも》が生まれることになりました。主題歌を歌う木村弓氏が,『もののけ姫』に感動し,宮崎氏へ手紙を出したことが交流の始まりでした。

【千と千尋の神隠し】(オリジナル作品) 当初のストーリーは,念願のマイホームを手に入れた一家が山を切り開いて作った住宅地に引っ越して来るところから始まる物語でした。その家は今まで何家族も逃げ出したお化け屋敷で,おかげで安く買い叩くことができたのでした。でも実は,神様の通り道だったところに建てた家だったため,変な生き物が家の中を通るのです。「ビクビクしながらローンを払うなんてまっぴらよ」とお母さんが言い出し,探検に出かける…。という話でした。しかし,2時間で映画が終わらなくなるということで,このストーリーはなくなったようです。その後,新しいストーリーで制作が開始されました。その制作当初,物語の後半では,湯婆婆をやっつけた後,湯婆婆を支配する,さらにすごい悪玉の銭婆というお姉さんが登場してという話も検討されたようですが,時間の制約などもありストーリーが変更になり,物語の後半は,当初は重要な役ではなかったカオナシを中心にした話に落ち着いたようです。

 2003年には,日本アニメ界初のアカデミー賞を受賞しました。

東ゾーンの看板建築
 東京都小金井市にある「江戸東京たてもの園」では,不思議の町のモデルとなった建築を見ることができます。不思議の町を描く為のロケハンも,製作報告会も,この「江戸東京たてもの園」にて行われました。擬洋風の雰囲気や看板建築等が,不思議の町の建物を思い起こさせます。

子宝湯
 【子宝湯(「江戸東京たてもの園」東ゾーン)】 
湯屋のモデルの一つとされています。昭和4年築の建物を移築したものです。

武居三省堂
【武居三省堂(「江戸東京たてもの園」東ゾーン)】 
三省堂の店舗にある棚は,釜爺がいるボイ ラー室の薬草の入っている棚のモデルです。

主題歌 作詞:覚和歌子/作曲・歌:木村 弓 「いつも何度でも」

〜曲について〜

□ふたたび
銭婆の家にハクが千尋を迎えに来,千尋が昔のハクとの出会いを思い出し,そしてハクは自分の本当の名前を取り戻す場面で流れます。二人が手をとりあって夜空に浮かぶこのシーンは,曲ともあいまって本当に感動的です。

□いつも何度でも
すべてを白紙から何度でも繰り返すという,『もののけ姫』のラストに通じる世界観がほのみえる主題歌です。エンドテロップでこの曲をバックに映し出されるのは,不思議の町の入り口だった駅舎の廃墟に始まり,作品の舞台となった空間のがらんどうになった静止画が何枚か重ねられる映像。最後に川に流れた千尋の靴が示されて,この映画は本当に終わります。銭婆の,「一度あったことは忘れないものさ。憶えてないだけで」という言葉が鮮やかに私達の心に蘇ります。
私達アメデオの音楽も,皆さんの心の中のどこかにしまっておいていただけると幸せです。


「ハウルの動く城(Howl's Moving Castle)」

〜STORY〜

 ソフィーは,亡き父から継いだ「ハッター帽子店」で働く18歳の少女。性格は頑固で生真面目,しばしば大胆。彼女の住む町には,4本足で歩く奇怪な動く城があり,そこに住んでいるハウルという魔法使いには,若い娘の心臓を盗むという噂があり,人々に恐れられていました
。  ある日,ソフィーは,町中で親切な青年に助けられます。家に戻ると,そこに荒れ地の魔女が現れ,訳が分からないままソフィーは90歳の老婆に姿を変えられてしまいます。
 人にその姿を見られぬよう,こっそり家を抜け出したソフィー。途中,倒れていたカブ頭のカカシを助けてあげると、カカシはそのお礼にと,ソフィーをハウルの動く城につれていきます。そこでソフィーは城の暖炉に居座る火の悪魔カルシファーから,取引を持ちかけられます。カルシファーとハウルの間の呪い(契約)を解いてくれればソフィーの呪いも解いてやる,と。カルシファーはハウルとの契約により,城を動かし,またハウルの使う魔法の動力となっていたのでした。そしてソフィーはこの城で掃除婦として働くことにします。

 城の主ハウルは実は,ソフィーを町中で助けてくれたあの青年でした。荒れ地の魔女はハウルの心臓を狙っており,ハウルと接触したソフィーに呪いをかけてしまったのです。ハウルは,荒れ地の魔女や戦争参加を求める王宮から逃れるため,色々な偽名を使い,荒地を動き回るこの城で暮らしていたのでした。

 ソフィーは,ハウルの母親と名乗り,ハウルは戦争には参加しないことを伝えるため,かつてはハウルの師であった王宮付魔法使いのサリマンと対面します。そこで「素晴らしい魔法使いだったけれど,悪魔に心を奪われてしまい,魔法を自分のためにだけ使うようになってしまった」と,ハウルの過去を知らされます。

 一方,荒れ地の魔女はサリマンの罠により魔法を封じられ,実際の年齢の姿に戻されてしまいます。そこに,国王に変身したハウルが現れ,サリマンと激突,ソフィーと荒れ地の魔女を助け出し,方向を示す指輪をソフィーに渡し,追っ手を牽制するため彼は一人残ります。

 なんとか城まで辿り着いたソフィーはその夜,子供のオモチャが壁面に埋まった洞窟と,その奥で黒い羽に覆われてしまったハウルを見つけます。これは夢?それとも現実・・・?

 ある日ハウルが突然引越しをしたその先は,今は閉店しているハッター帽子店でした。城のドアを開けると,そこには一面の花畑。そして,ハウルが少年時代の夏を過ごした家。遠くには湖も見えます。手を取り合って歩くハウルとソフィーでしたが,その二人の頭上を飛行軍艦が横切ります。

 その夜,町は空襲に見舞われます。ソフィーは,鳥になったハウルを,この戦争から逃げようと説得します。けれどハウルはソフィーを守るため,戦火の中に飛び立っていきました。

 ソフィーは,戦火の中のハッター家と城の繋がりを絶つため,引越しを決意し,暖炉から動かしてはいけないカルシファーを出してしまいます。するとみるみるうちに城は崩れてしまいました。ソフィーは,ハウルのもとにいくため,残骸となった城を動けるようにしてほしいとカルシファーに頼み,カルシファーは、彼女の髪の毛と引き換えに"ソフィーの城"を作り上げます。ところが,狙い続けていたハウルの心臓がカルシファーの中にあるのを見つけた荒れ地の魔女がカルシファーに手を出してしまうのです。火だるまになる荒れ地の魔女。ソフィーが慌てて雨水をかけてしまったため,カルシファーの火力は弱くなり,再び城は壊れ,ソフィーは一人になってしまいます。すると指輪が光りはじめ,瓦礫の中の扉を指し示しました。扉を抜けて辿り着いたのは,いつかハウルが見せてくれた花畑。そこでソフィーは,少年時代のハウルが湖―星の湖(うみ)―のほとりで,地上に落ちる前の星の子を呑み込み,赤い火―カルシファー―に包まれた自分の心臓を取り出すのを目撃します。それはハウルとカルシファーの契約が結ばれた瞬間でした。その時ソフィーの足下にブラックホールのような暗い口が開きます。そこに呑み込まれていきながらソフィーは叫びます。「私きっと行くから!未来で待ってて!」

 再び闇をくぐって現実へと帰還してきたソフィー。そこには,完全に鳥の姿になってしまい,言葉を失ったハウルの姿がありました。ソフィーは,荒れ地の魔女からカルシファーと心臓を返して貰い,ハウルの胸に押し込みます。ハウルの胸から飛び出す青い光。ハウルとカルシファーの契約は解かれ,カルシファーは元の星の子の姿に戻ります。そしてハウルも・・。「こりゃひどい,体が石みたいだ。」ソフィーは答えます。「そうなの,心って重いの。」

 さらにソフィーのキスで,カブは人間の姿に戻り,隣国の王子だったことも明らかになりました。彼は戦争の終結を宣言します。契約の解けたカルシファーも自分の意思で再び皆のもとに戻ってきます。お婆さんになってしまったソフィーの呪いも解けました。髪の毛だけは,星の光の色をしたままだったけれど・・・。

 でも,ソフィーがハウルを想う気持ちの強さと優しさが、ハウルのハートを取り戻し,世界を少し素敵にする奇跡を起こしたのでした。

〜作品について〜

 原作は,ファンタジーの本場イギリスの作家,ダイアナ・ウィン・ジョーンズの「魔法使いハウルと火の悪魔」。ジョーンズ作品には必ずミステリのような謎が登場しますが,実はこの謎を解くヒントは私達が幼い頃から親しんでいるおとぎ話や名作に隠されています。例えばこの作品で重要な鍵を握る作品の一つは・・・・犬,かかし,魔女,魔法使い。何か思い出しませんか?そう!「オズの魔法使い」です。気がつきましたか?

 主人公ソフィーの声は倍賞千恵子,ハウルはSMAPの木村拓哉があてています。ほかに,荒地の魔女に美輪明宏,カルシファーに我修院達也,マルクルに神木隆之介,サリマンに加藤治子など,宮崎アニメにはお馴染みの俳優,声優陣がキャスティングされています。SMAPの中でも香取慎吾はジブリと関係が深く,「日本一のジブリファン」に認定されているほど。『特上!天声慎吾』(日本TV)の オープニングは,ジブリが手がけています。

 この作品の制作開始に先立って,スタッフたちは,フランス・アルザス地方にロケハンに行っています。目的は,ヨーロッパの田舎の風景を実感すること。スタッフたちは、同地方のコルマール,リクヴィルを訪れ、その成果は背景を中心に作品に反映されています。例えば,アルザス地方では採取される石材が限られているため,木組みの家が建設されています。柱や梁の木材が外側に見えているこの建築様式は,フランス語でコロンバージュ(英語でハーフ・ティンバー様式)と呼ばれ、アルザス地方の特徴的な風景の一つとなっており、本作品では、ソフィーの住む町の風景に生かされています。

  因みに,ソフィーたちの住んでいる町の名前は,映画では特に決まっていませんが,原作では「インガリー」と呼ばれており,敵国の「高地ノーランドおよびストランジア」が今にも宣戦布告しそうな状況。ハッター帽子店がある町は「がやがや町」,ジェンキンスが店を構える港町は「ポートヘイブン」と名付けられています。

〜曲について〜

□人生のメリーゴーランド
 メインとなるテーマを1曲作り、そのバリエーションを中心にサウンドトラックを構成してほしい、との話が出たことにより、ワルツであるこの曲が作られました。いつもより主体的に音楽を参加させ、また同じテーマを流し続けることにより、映画に統一性を持たせようとした、宮崎氏の意図が見受けられます。そして,その狙い通り「これが同じ曲なのか」と思えるくらい,色々な変奏曲に姿を変え,映画を盛り立てています。

 久石氏は,いつもはデモを作りそれを送るだけなのですが,今回は3曲作り,実際にジブリで自分でピアノを弾いて宮崎氏やプロデューサーの前で演奏しました。その3曲の中で,隠し玉として用意していた(採用されないだろうと思っていた)2曲目のワルツが,宮崎氏達の耳に止まり、3曲目を演奏することなく,この曲に決定しました。ワルツにしてみようとおもった理由は「映像に付けるには自分のやっている音楽は強すぎる。でも自分が最も求めている音楽をやるのが,作曲家としては正しいのだから,その落としどころをどうしようかと考えていて出てきたのがワルツだった。ワルツなら,自分がやりたい音楽と『ハウル』の映像の接点になってくれると考えた」からだと語っています。

☆原作は,ファンタジーの本場イギリスの作家,ダイアナ・ウィン・ジョーンズの「魔法使いハウルと火の悪魔」,主題歌は作詞:谷川俊太郎/作曲:木村弓/編曲:久石譲/歌:倍賞千恵子「世界の約束」

 木村弓が2003年にアルバム「流星」をリリースしたところ,宮崎がその中の「世界の約束」を気に入り,この映画の主題歌として使われることになりました。

☆主人公ソフィーの声は倍賞千恵子,ハウルはSMAPの木村拓哉があてています。ほかに,荒地の魔女に美輪明宏,カルシファーに我修院達也,マルクルに神木隆之介,サリマンに加藤治子など,宮崎アニメにはお馴染みの俳優,声優陣がキャスティングされていま す。SMAPの中でも香取慎吾はジブリと関係が深く,「日本一のジブリファン」に認定されているほど。『特上!天声慎吾』(日本TV)の オープニングは,ジブリが手がけています。

☆この作品の制作開始に先立って,スタッフたちは,フランス・アルザス地方にロケハンに行っています。目的は,ヨーロッパの田舎の風景を実感すること。スタッフたちは、同地方のコルマール,リクヴィルを訪れ、その成果は背景を中心に作品に反映されています。例えば,アルザス地方では採取される石材が限られているため,木組みの家が建設されています。柱や梁の木材が外側に見えているこの 建築様式は,フランス語でコロンバージュ(英語でハーフ・ティンバー様式)と呼ばれ、アルザス地方の特徴的な風景の一つとなっており、本作品では、ソフィーの住む町の風景に生かされています。

  因みに,ソフィーたちの住んでいる町の名前は,映画では特に決まっていませんが,原作では「インガリー」と呼ばれており,敵国の「高地ノーランドおよびストランジア」が今にも宣戦布告しそうな状況,ハッター帽子店がある町は「がやがや町」,ジェンキンスが店を構える港町は「ポートヘイブン」と名付けられています。

<参考文献>
*宮崎アニメの暗号(青井汎・著/新潮社・刊)
*宮崎駿の<世界>(切通理作・著/ちくま新書・刊)
*ハウルの動く城徹底ガイド(角川書店・刊)
*ロマンアルバム「ハウルの動く城」(徳間書店・刊)
*宮崎駿のススメ。(井坂十蔵・著/21世紀BOX・刊)
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