旅行大好きな、新米ライター望月が、
実際に食べた「駅弁」と、実際に出かけた「小さな旅」を紹介します。
お出かけの時の参考になれば(?)幸いです。




2003年5月19日(月曜)

美しい新緑を求めて、上州へ湯の旅に出かけました。
そんなわけで今回は、JR高崎線・高崎駅をご紹介します。




東京から上越新幹線で50分、
上野から快速「アーバン」号で1時間35分の高崎。
新幹線のほか、高崎線・上越線・信越線・両毛線・吾妻線・
八高線・上信電鉄の各線が、発着しています。




高崎駅の駅弁屋さんは“たかべん”こと「高崎弁当」。
在来線の場合、改札を入って4番線と5番線の間にある売り場が
一番使いやすいと思います。



高崎駅名物といえば、ご存知!「だるま弁当」(900円)ですね。
ついでに「岩魚鮨」(1000円)も買ってみました。




改めて「だるま弁当」の中身を検証してみますと、
上州名物のこんにゃくが目をひくほかは、
だるま型容器に入った山菜ごはんといったところ。
ただ、他の駅の山菜ごはんと違うのは、
知名度の高さゆえに、弁当の回転が早いこと。
つまり、比較的温かい「だるま弁当」に遭遇する機会が
高いわけですね。ある意味、駅弁界の「勝ち組」とも
言えるでしょう。




「だるま弁当」の基本的情報として、“使い終わったら
貯金箱に”…。でも、私は貯金箱として使っている人を
1人も見たことがありません。




「岩魚鮨」は、平成2年の発売。
駅の自動販売機「大清水」としても有名な
上越新幹線のトンネル工事に伴って湧き出した水を、
岩魚の養殖用として活用し、駅弁として仕上げました。
川魚特有の臭みもなく、食べやすくなっています。
1日・100個限定です。




望月イチ押しの高崎駅弁は「とりめし」(800円)。
私の知っている群馬出身の方も、よく食べる駅弁なんだとか。
地元の人からも愛されている、地域に根ざした駅弁です。



鶏肉を照焼き、から揚げ、そぼろと3つのバージョンにアレンジ。
食べる人を飽きさせないのが、ポイントです。
高崎で「だるま弁当」しか買ったことがない方。
ぜひ、お試しあれ。




そして、もう1つ面白い駅弁は、「上州の朝がゆ」(380円)。
まさに「朝専用の」駅弁です。
高崎から新幹線通勤する方は、必須アイテム(!?)でしょう。
忙しい朝、胃にはやさしく、心は温まります。
東京方面在住で、どうしてもこの駅弁が欲しい方は、
上野5時13分発・高崎線始発列車で食べに行けば、たぶん大丈夫?!
(1日100個限定)

高崎の駅弁は「飽きさせない駅弁」がキーワードのように思います。
「だるま弁当」もハローキティシリーズを発売、
朝食用にも、朝がゆ以外のメニューが登場しました。
定番を押さえつつ、新しい方向を常に模索している高崎駅弁。
あくなき挑戦は、まだまだ続くことでしょう。

※高崎駅の駅弁は、高速道路のSAで購入できることでも有名。
 上信越道の横川SA(下り線)は、要チェック!


■旅のワンポイント〜沢渡温泉&川原湯温泉・「上がり湯」を旅して

群馬が誇る、日本一の名湯・草津温泉。
この草津の「上がり湯」として発展してきたのが、
沢渡(さわたり)温泉と川原湯温泉です。
どちらも、アルカリ性のお湯で、
草津の強烈な酸性のお湯を中和してくれます。
2つの「上がり湯」、まずは沢渡温泉からいきましょう。



沢渡温泉へは、JR吾妻線(あがつません)・中之条駅からバスで25分。
本数が少ないので、時刻の事前チェックをお薦めします。
(上野10:00発「草津3号」→中之条12:35発のバスがちょうどいい)



お世話になった「まるほん旅館」です。
沢渡温泉を代表する宿の1つで、湯治のお客さんが多く見られました。
13時チェックインというのがいいです。
食事の量がそんなに多くないので、年配の方にもお薦めですよ。




ここは昔風の「内湯」が、イチ押しの宿。
檜張りの湯端で、寝転びたくなる混浴のお風呂です。
ph8.5のお湯が、体をやさしく包みます。




沢渡温泉バス停から歩いて3分ほどの「沢渡温泉共同浴場」(200円)。
この共同浴場、お客さんが絶えることなくやってきます。
浴槽は2つあり、手前があつ湯、奥がぬる湯となっています。
湯の花たっぷりのいいお風呂でした。
(お客さん多数のため、残念ながら撮影はNG…)




続いては「川原湯温泉」。
付近では、八ツ場ダムの工事が進んでおり、
近い将来、この温泉はダムの底に沈むことになっているんです。







美しい新緑の「吾妻峡」も、やがて見納めの時が来るのでしょう。



この吾妻峡の近くに、隠れたスポットがあります。
ズバリ、日本一短い鉄道トンネル・「樽沢トンネル」。
長さ7.2メートル、電車では、まさに「あっ!」という間です。




吾妻峡の遊歩道を歩いて2時間。
一汗かいたら、やっぱりお風呂!
川原湯温泉の有名な共同浴場「王湯」(300円)です。




内湯は熱い!源泉71度のお湯がそのまま。
相当、水でうめないと入れません。




こちらは露天風呂。内湯からは、1度着替える必要が…。
でも、新緑を眺めながらのお風呂はいいですよ。
他に「笹の湯」(300円)、「聖天様露天風呂」(100円)の
2つの共同浴場があります。特に「聖天様露天風呂」は、
入浴と森林浴が一緒に堪能できる森の中の混浴露天風呂です。
(入っているのはほとんど男性ですが…)

草津の帰りにちょっと立ち寄る、肌に「やわらかい」温泉。
人も草津ほど多くなく、気持ちも落ち着くことでしょう。
「上がり湯」、温泉が奥深いものであることを知る
きっかけになるのは、間違いありません。

◆列車の賢い利用法
JRの料金体系を押さえておくだけで、ちょっとおトクに
なることがあります。
1.特急料金は50キロ単位!
  特急料金は、乗車区間が50キロ単位で上がります。
  首都圏近郊なら特急列車の自由席は、50キロまで500円、
  100キロまで900円、150キロまで1300円です。
  (指定席は、通常、これに510円増しとなります)
  ですから、次の料金ゾーンへ入る直前まで特急を使うのが、
  賢い特急の利用法というわけです。
  例えば、東海道線「踊り子」自由席では…、
  東京→熱海(104.6キロ)1300円、東京→湯河原(99.1キロ)900円
  また今回の「草津」自由席では、
  赤羽→長野原草津口(155.2キロ)1680円、
  赤羽→川原湯温泉(149.3キロ)1300円となって、
  川原湯温泉の入浴料を捻出することが出来ます。
2.山手線に入る直前の駅をうまく使おう!
  今回、川原湯温泉からの帰途、埼京線・板橋までと
  板橋→池袋のきっぷを、分割購入してみました。
  すると、通しで購入した時(2940円)となるのに対し、
  分割した場合(2520円)+(130円)=(2650円)となり、
  (290円)お得になったんですね。
  このからくりは「東京山手線内」という料金体系にありまして、
  山手線に長く乗れば乗るほどお得ではありますが、
  山手線に乗る必要のない人には、高くつくことになるんですね。
  別のところで応用しますと、熱海→品川では(1890円)。
  しかし、熱海→大井町・大井町→品川と分割すれば、
  (1620円)+(130円)=(1750円)となって(140円)お得。
  ジュース1本分は、浮く計算になりますね。
  たいてい駅員の方は「通しの方が安いんじゃないの?」といいますが、
  「分けて買います!」と言えば、大丈夫のはず。
  ※但し、基本的には「通し」で購入したほうが安くなることが多いです。





2003年5月8日(木曜)

今年も5月3日〜5日にかけて「浜松まつり」が開かれ、
全国からおよそ68万人の観光客を集めました。
お祭りの模様は、改めてご覧いただくとして、
まずはJR東海道本線・浜松駅の駅弁から…。




実は、浜松駅をご紹介するのは2回目。
前回(去年7月)は、在来線の駅名票をごらん頂きましたので、
今回は、東海道新幹線のホームにある駅名票です。
JR東海の場合、新幹線は「漢字表記」がメインで、
在来線は「ひらがな表記」がメインと少しアレンジが入っています。




新幹線ホームの駅弁売場。東海道新幹線の売場には、よく
「新幹線グルメ」のロゴが入っていますね。




浜松駅の駅弁屋さんは、「自笑亭」さんでした。
今回は、「白ワイン仕込みのうなぎ弁当」(1200円・右)と、
「どんどこ丼」(1020円・左)の2つ。




「白ワイン仕込みのうなぎ弁当」は、京風の白焼。
本ワサビを自分ですりおろし、タレをかけて頂きます。
うなぎを前に、ワサビをすりおろしている間の「待ち遠しさ」が、
何ともいえません。
比較的あっさりとした食感がいいですよ。
生産量が少ないので、夕方は入手が難しいと思います。




こちらは「浜松まつり弁当・どんどこ丼」。
「浜松まつり」の日に、初節句の家で若衆に、
酒肴としてふるまわれる「串料理」にちなんだ駅弁なんだそうです。
私としては、もち米を使ったあさりご飯が高評価!

ちなみに浜松から程近い、浜名湖に浮かぶ「弁天島」では、
ちょうど今ごろが、潮干狩シーズン。
海上に浮かぶ「鳥居」付近の浅瀬に大勢の人が繰り出します。
(私も、昔はよく行ったものです)


■旅のワンポイント〜浜松まつり&浜松の歴史

私は、静岡県・東部地方(富士山の近く)の出身なので、
浜松へ行くのと、横浜へ行くのが、ほとんど同じくらいの距離。
どうしても、横浜・東京方面へ出かける機会が多かったんですね。
今回、浜松市街を歩いたのも、平成元年以来、実に14年ぶりでした。

浜松市は、人口57万人を擁し、静岡県では2番目に大きい街です。
浜松は、江戸幕府を開いた徳川家康が、
29歳から45歳までの17年間を過ごした街でもあります。




浜松城公園には「若き日の徳川家康」と銘打った銅像があります。



浜松城は、荒々しい石垣が特徴的です。
家康にとっての浜松時代は、徳川300年の歴史を築く試練の時でした。
それゆえ、浜松城は「出世城」と言われます。

さて、家康が体験した浜松時代の苦難の1つに、
1572年の「三方が原の合戦」(浜松市郊外)があります。
織田・徳川連合軍1万1千人と武田軍の2万5千が対戦した戦いでして、
人数の少なさが災いして、敗れた家康は浜松城へ敗走いたします。
この逃げ帰る途中、家康は茶店で「小豆餅」を見かけます。
とても腹を空かせていた家康は、「もちをくれ!」といって、
店頭の「小豆餅」を口に頬張りました。
するとその時、「武田軍が追ってきたぞ!」との声。
さすがの家康も、急いで逃げ出しました。
その現場、今でも「小豆餅」として地名に残っているんです。




遠州鉄道バスの「小豆餅」バス停です。
「次は小豆餅、小豆餅です」と車内アナウンスが流れます。




バス停から信号1つ隔てたところにある「小豆餅公民館」の前には、
事の経緯が書かれた看板が立っています。
近くには数年前まで、本当に「小豆餅」を売っている
お菓子屋さんが残っていました。
でも後継者がいなくて、残念ながらお店をたたんでしまったと、
ご近所の方は話していました。

戦国時代の話に戻りますと、「食い逃げ」されてはたまらないと思った
お店のおばちゃん、何と2キロに渡って家康を追いかけます。
そして家康を呼び止め、ちゃんとお金を払わせたというんですね。
その場所、今では「銭取(ぜにとり)」といわれています。

なお「浜松まつり」の模様は、ギャラリーのコーナーに、
アップしましたので、あわせてご覧下さい。

◆休日限定!浜松&豊橋「格安」ルート!

東京〜浜松間は、普通列車の運賃だけでも、片道4310円。
東京〜豊橋間に至っては、4940円と結構な額です。
もちろん往復では、その倍の金額がかかります。
日帰りで出かけるとしたら、交通費だけで1万円。
新幹線を使えば2万円…、ちょっと考えてしまいますね。
でも、よく探してみますと「ケチって行きたい!」方には、
お薦めのチケットがあるんです。
これを使うと土休日限定で、豊橋まで往復「4100円」!
実に60%引きのディスカウント価格で行けるんです。

きっぷの名前は、ズバリ「休日乗り放題きっぷ」(2600円)。
東海道線(熱海〜豊橋間)、身延線と御殿場線の全線が、
土・休日の1日が、乗り放題になるきっぷで、
JR東海・静岡支社が発売しています。
ただ、東京から浜松・豊橋へのルートは限定されます。
まず、新宿から小田急線で「新松田駅」まで行き(片道750円)、
JR御殿場線の「松田駅」で、「休日乗り放題きっぷ」を購入。
(新松田〜松田間は、歩いて1分ほど)
下り列車に乗り、沼津で再び東海道線に乗換えが必要となります。
ノンビリと汽車旅を楽しみたい方には、お薦めのルートでしょう。



詳しくは、JR東海のHPで。

※首都圏近郊の駅(JR東日本)では、発売していません。
 くれぐれもご注意ください。



2003年5月5日(月曜)

長い休みがとりにくかった今年のゴールデンウィーク。
新米ライター望月も、「近場」に出かけてみました。
そんなわけで今回は、JR東海道本線・熱海駅です。




東京から新幹線で50分。特急「踊り子」号で80分。
快速「アクティー」でも90分で到着する身近な「リゾート」ですね。




熱海の駅弁は、小田原の「東華軒」が営業。
改札外に1ヶ所、改札内、および各ホームで販売しています。
(画像は2・3番線の駅弁売場)



熱海らしいお弁当といえば、「熱海をどり」(980円)ですね。
今回はリーズナブルな「こゆるぎ茶めし」(710円)も買ってみました。




「熱海をどり」は、海鮮丼です。
相模湾名物の「金目鯛」の焼魚や「アジの干物」のマリネ。
このあたりが、結構イケます。




「こゆるぎ茶めし」も、この地域の定番ですね。
値段の割にボリュームがあるのが、人気の秘密でしょうか。

東海道線で旅行しますと、熱海で乗換えとなるケースが多いものです。
ということは逆に、駅弁に触れる機会も高いともいえるでしょう。
去年10月にご紹介した「小田原駅」の駅弁も参考にしながら、
熱海での待ち合わせの間に、駅弁を選んでみてはいかがでしょうか?


■旅のワンポイント〜意外といいぞ!熱海湯めぐり・日帰りコース



「熱海は大きいホテルばかりでちょっと…」という方。
実際歩いてみますと、熱海は大きいホテルばかりじゃありません。
意外と人のにおいのする温かい街なんです。



熱海駅から歩いて2分。「熱海駅前共同浴場」です。
通の方なら、当然ご存知の「塩辛い」温泉ですね。
(営業は正午から)
詳しくは、今月のメールマガジンで!(登録はこちら)




車道にはみ出て共同浴場の写真を撮る望月氏。




駅前から急坂を下って国道135号線に出てくると…、
これまた、有名な「お宮の松」。
胸を打つような感動はないかもしれませんが、
熱海の「シンボル」みたいなものですから、一応見ておきましょう。




「お宮の松」から歩いて5分。
行列の出来るラーメン屋さん「わんたんや」です。







奇をてらわない、きわめてオーソドックスなつくりが、
人気の秘密でしょうか。混雑時間帯には、
15席ほどの店舗にも関わらず、店員が6名もいて、
きめ細かいサービスを提供しています。
(ちなみに、この3軒隣にも、共同浴場があります)




海岸から湯河原方面へ少し行ったところが「伊豆山」になります。
伊豆山といえば「走り湯」。
日本三大古泉の1つとも言われる有名な温泉ですね。
その昔、走るが如くお湯が湧き出し、海へ注いでいたことから、
「走り湯」と呼ばれるようになったといわれています。
国道135号線から階段を下ったところにある
共同浴場「浜の湯」(250円)は、14時30分からの営業です。
アパートの一角にあるような感じです。




再び国道135号線に戻って、伊豆山神社の石段を登ります。
実に428段!ゆっくりマイペースで上っていくのがコツです。
つらい石段を登った先には…、そう!温泉があるんです。




伊豆山神社から5分ほど。「般若院共同浴場」(250円)です。
隣に源泉があって、いつも「ゴボゴボ」と音がしています。



ココのお湯は、意外にもph4.4で「酸性」。
鉄のような、塩のようなにおいがします。
タイル張りの浴槽に、泉質のいいお湯。
石段のぼりで、ほてった体を癒します。

このルートを「日帰りコース」としてまとめてみますと、
東京11:00ー特急「踊り子107号」→熱海12:20…(徒歩2分)…
「駅前共同浴場」…(徒歩15分)…「お宮の松」(13:45頃)…(徒歩5分)…
「わんたんや」(14:00頃)…(徒歩40分)…伊豆山「浜の湯」(15:30頃)…
(徒歩30分)…「般若院共同浴場」(16:30頃)…(バス10分)…駅
熱海18:18ー特急「東海4号」→東京19:41
こんな行程になるでしょうか。

◆熱海への便利なきっぷ
日帰りでも1泊でも、熱海への旅行に便利なきっぷといえば、
指定席も使える「踊り子熱海往復きっぷ」(5100円)です。
品川・熱海間を自由席で往復しても5580円ですから、
確実に席を確保して、かつ安い。
(特急東海号の指定席、快速・普通列車のグリーン車も使えます)
詳しくはJR東日本のHPで。
http://www.jreast.co.jp/tickets/de_f.html?ID=94