岐路に立つ釧路湿原・・・取り戻せるのか 原始の姿を
−自然再生推進法案による河川の改修−

日本最大の湿原、そして日本で初めてラムサール条約に登録された「釧路湿原」。

素晴らしい雄大な自然ですが、

この釧路湿原で、「自然再生推進法案」による河川の近自然化として

過去に公共事業で直線化をした新釧路川を再蛇行化しようという計画があります。

この湿原から流下する釧路川は洪水防止の名目で

蛇行する自然の本川を付け替え、直線化した川として「新釧路川」と呼んでいるのです。

「自然再生推進法案」の事業は生態系の再生につながる動きとして賛成する声もありますが

多くの税金を投入して自然を破壊して、再び税金をかけて再生しようというのは

公共事業創出のための手段であるという意見も大きいです。

こんな釧路湿原についてそんな視点から釧路湿原を見てみました。

(02.10.25調査)                   日本の楽園「丹頂のふるさと 釧路湿原」ページへ

新釧路川下流
直線化された新釧路川

釧路湿原から流れてくる水はこの新釧路川に殆どが流れてきます。湿原の中はくねくねと蛇行しているものの下流はこのように一直線です。

新釧路川最下流部
新釧路川の下流部

延々と一直線の川が河口まで続いています。右側には工業地帯の煙突が見えます。

新釧路川河口
新釧路川河口
旧釧路川
旧釧路川

釧路川の表示が見えます。

                    
公共事業の表示看板
岩保木水門近くの堰堤

平成5年の釧路沖地震による被害復旧のための工事であるとの表記がありました。

堰堤道路
新釧路川と平行に走る堰堤上道路

誰も使うことがない場所にこれだけの幅、これだけの長さの道路が延々と続いています。(下流側は進入禁止となっておりこの道路を使うことはできない)

釧路川の蛇行化を行う計画を聞いたときは「素晴らしい計画だ」と正直思いました。

しかしながら、色々調べていくと環境を政治的に利用して

新たな資金源として利用しようという可能性が高いのです。

つまり環境を改善しようということを行うのと同時に

片方では必要性の全く感じられないダム計画を推進するなど

いってみれば「壊しながら直す」というようなことを行おうとしているのです。

もちろん河川改善化の是非については学術的な意見も交えて

推進するのは素晴らしいと思いますが

片方の国土を「国民のため」という言い訳のために

壊す行為を一旦止めて方針を定め、国民の理解を受けた上で進めるべきではないでしょうか。

今回、久々に釧路湿原を訪れてそう感じました。



(02年12月1日UpLoad)


釧路湿原・自然再生法関連リンク:

朝日新聞自然再生推進法案記事・・・・・・自然再生推進法案に関する釧路湿原の記事

日本弁護士連合会・・・・・・・・・・・・・・・・・湿地保全・再生法の制定を求める決議

札幌弁護士会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・自然再生推進法案に対する意見書

環境省・自然再生について・・・・・・・・・・・生物多様性など国の基本方針

国土交通省・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・釧路湿原の自然再生について

公共事業チェックを求めるNGOの会・・・・・自然再生推進法案について具体的情報を交えた反対意見


釧路湿原関連リンク:

釧路観光協会・・・・・・・・・釧路市周辺の情報

標茶町観光協会・・・・・・・釧路湿原北側の標茶町周辺情報

釧路市役所・・・・・・・・・・・釧路湿原南側釧路市のページ

釧路町役場・・・・・・・・・・・釧路湿原東側釧路町のページ

標茶町役場・・・・・・・・・・・釧路湿原北側標茶町のページ

東北海道地区自然保護事務所・・・・・・環境省の出先機関のページ 釧路湿原を中心に編集

丹頂の家・・・・・・・・・・・・・釧路湿原情報、NPO”やちの会”の紹介

釧路ドットコム・・・・・・・・・釧路湿原周辺の情報が詳しい

国際自然保護連合・・・・・ラムサール条約について

釧路湿原に関する文献・・・釧路湿原に関する文献の一覧(北海道開発局)