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台北電脳街事情

OZ.


[写真]光華商場の歩行者天国促進スローガン

 11月下旬に台北へ行きました。「電脳大国・台湾」のコンピュータショップ街を見る、 というのが、今回の目的の一つでした。台湾のパソコンショップと言えば、台北の 光華商場とその周辺が有名で、4年前に一度そこに行ったことがあります。
 しかし、今回台北を訪れた際には、より多様化していました。以下、ガイドブック には載らない(あまりにマニアックなので(笑))台北の一面を伝えたいと思います。

台北電脳街地図


●NOVA:忠孝西路一段

[写真]NOVA

 「NOVA」は、ここ数年の間にできた新しい「電脳ビル」である。
 台北駅の南側、地上46階の展望台がある新光三越デパートの西側に、「NOVA」 台北站前店がある。7階建のビルの地下1階〜地上2階までの3フロアにまたがって、 多数のパソコンショップが入居している。
 内部の感じは、香港の旺角電脳中心(モンコック・コンピュータセンター)や 高登電脳中心(ゴールデン・コンピュータセンター)と似ていて、小さなパソコン ショップが狭い通路の両側に並んでいる。
 小さいパソコンショップが集まったビルが「新しく」て、さらに台北市内に数か所 存在している、というのが、中小企業が活発な台湾らしい。

 主力商品は、店で組み立てたミニタワーPCや、CPU・ハードディスク・ビデオカード等 のパーツなどである。
 しかし、中にはノートPCを扱っている店もある。「国産」であるエイサーやASUSの ノートPCが多く、他にコンパックやIBMのものもあった。日本では、ASUSといえば、 マザーボードしか知られていないが、ノートPCも作っているのだ。
 サプライ商品では、CD-Rのバラ売りが目立つ。何十枚もの裸のCD-Rが、「軸」に さされ、重ねられている。それを1枚いくらで売っているのだ。サプライ専門でCD-Rが 主力商品の店まである。
 気になる価格は、例えば 64MBのメモリ(PC-100 DIMM)がおよそ新台幣3,000元 (約10,500円、1999/11現在)であり、日本と大差はない。


●T-ZONE:忠孝東路一段

 台北駅から忠孝西路を東へ歩いて行くと、すぐに中山南/北路との交差点にぶつかる。 ここから、通りの名前が忠孝東路に変わる。
 その忠孝東路を少し歩くと、来来大飯店(シェラトンホテル)の隣に、T-ZONEがある。 建物の1階および2階の2フロアがT-ZONEとなっている。ここのフロアは、NOVAや光華商場 であれば優に10店舗は入ってしまう広さだ。

 店内の印象は日本のT-ZONEと同じで、店員の制服までいっしょである。大手のショップ だけあって、マニアックなものは少ない。また、商品の陳列場所を示す吊プレートには、 日本語も併記してある。日本人駐在員の利用を見込んでいるのだろう。


●国際電子広場:八徳路一段

 さらに忠孝東路を歩くと、北側に斜めに分かれる道がある。これが八徳路だ。 八徳路一段のあたりは、道路の両側にパソコンショップが林立している。

 そのパソコンショップ街の中で、ひときわ規模が大きいのが、「国際電子広場」 である。ビルの地下1・2階にパソコンや電気部品を扱う店が集まっており、1フロア あたり約10店ほどが営業している。内部の雰囲気はNOVAと同じで、パソコンショップの 主力商品は、組み立てパソコン・パーツなどだ。

 「国際電子広場」の裏の通りには、自助餐や小吃店が並んでおり、軽い食事ができる。 私のおすすめは「香港八徳臘飯店」。広東風の焼き豚丼がなかなかいける。


●光華商場:八徳路一段

[写真]光華商場

 八徳路と新生北路が立体交差する高架橋の下にあるのが、有名な「光華商場」である。

 ここは、秋葉原と神田を凝縮したようなところだ。1階が古本も含む書店や、 CD・ゲームソフトなどの店舗街、2階が電気部品やパソコンパーツなどの店舗街と なっている。2階の雰囲気は、まるで秋葉原の総武線高架下のラジオセンターである。
 いっぽう、1階のCDショップでは、音楽CDが1枚NT$100(約350円)強の値段で買える。 J-POPなど日本からの輸入物も多い。また、シングルの曲ばかり集めた「単曲集」 なるものもある。
 書店では、漫画や日本のアイドル写真集などが多い。中には、売価が日本での定価の 10分の1以下の、海賊版らしきものまで売られている。
 ビデオ・VCDでは、日本のドラマ全集が目立つ。ビデオの録画をしそこなった人は台北 まで行くべし!

 ところで、「秋葉原」という表現を使ったが、これは勝手なたとえではない。 光華商場の正面入口左右の壁や陸橋に、「台北の秋葉原を作ろう!」という 「光華商場自治会」(店舗組合のようなものか?)のスローガンが掲げられている。 光華商場周辺に歩行者天国を実現しよう、という運動らしい。
 中小のショップが林立し、屋台もたくさん出店するような歩行者天国ができれば、 秋葉原とは一味ちがう台北の「名所」になるにちがいない。今後の進展を期待する 次第である。(了)

[図]台北電脳街地図

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