赤わいんの

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赤わいん


 これを書いている7月始めは、TV番組の夏季改変前ということで春からのドラマが終わる時期でもある。この春は、不景気な世相を反映してか『春闘』(労使交渉)でことごとくもめて6月半ばにようやくトホホな結果で妥結したり、仕事の引き継ぎがあったりなどで、夜のドラマを見て友達や会社の同僚と話題にするという状況にはほど遠かった。(たまに見ることはあっても、話の流れがつかめないままでイマイチだった。夏以降のドラマはちゃんとチェック&きっちり見て挽回しよぉーっと)
 ろくに見てもいない状況で話題に出すのはひんしゅくだが、7月に終了した番組で、火曜夜9時から『WITH LOVE』というドラマがあった。(←唯一、最終回だけは90分の拡張版&ナイター延長のおかげで後半部分のみ見ることが出来た)
 パソコン通信上でE−MAILの宛名を間違って出したことで、すれ違いながらも巡り会う二人...という‘イマドキの出会い’がテーマであるこのドラマ、本編はほとんど見られずじまい。とりあえず新聞の番組紹介などで大まかなストーリーは把握して、なんとか追いつくぞー、と。やれやれ。
「そぉかー、私にも会社のアドレスに間違ったメールがこないかしらぁ...
(←遠い目)」などと‘団結’の腕章をしながら(春闘真っ最中の時期、“闘争”の時は赤い腕章するんですよマジで)山積みの仕事を前にアンニュイな気分。
(→「...ンなこたぁーいいから早く仕事しろよ」ってか?)
このドラマの場合は、確か“アドレス(宛名)の入力間違いがもとで”...の出会いだったような気がするが(不確かでごめんなさい)、自分でもパソコンを購入して通信を始めるようになってはや半年、パソコンが縁で実際に知り合うこともアリなんだなぁ〜ということがわかってきた。
 例えばネット上で自分のホームページを作って情報交換したり、ショッピングも出来たり、趣味のコーナーで書き込みをしたりして共通の話題で盛り上がったり...そうしていくうちに「じゃあ、実際に会いましょう」なんてことも出来てしまうものね。そういうのもなかなかいいなぁ〜、と漠然とながら感じていた。
 だんだんと、よくわからないながらもネット上でようやく趣味のページ(私の場合は音楽・特にJ-POPです)をあちこちめぐったりするようになってきたという今年の春頃のこと。
 なんとこの時期に、『パソコン通信での出会い』なるものがわが身に起こった。全く見ず知らずの方とネット上で盛り上がって「じゃあじかに会いましょう」ということになって実際に飲み会に参加してしまったのだ。あービックリ。

 とあるHP(ホームページ)に、よく立ち寄るようになったのは去年の冬の頃。そのHPは、辛島美登里さんというアーティストに関してのもので、ファンの方が運営している。新譜紹介や雑誌などのインタビュー記事といった情報に始まり、ファンの人用の伝言板やチャットのコーナー、メーリングリスト(全員にメールが行き渡ってお互いに情報交換できるという仕組みのものです)の案内などがあり、連日ファンが立ち寄っている。かくいう私も、4年前ぐらいに辛島ソングにハマって以来コンサートに行くようになり、パソコン通信をするようになってからは辛島さん関連のHPをちょくちょくのぞくようになった。
「あぁ、辛島美登里って、あの『サイレント・イヴ』歌っていた人だよね」
そうそう。でも「歌っていた」んじゃなくて、今でも「歌っている」んですよ〜。5年前ぐらいにレコード会社を移籍してからは、ハイトーンヴォイスに加えてポジティヴな女性を描いた歌詩が働く女性にじわじわと支持されているのだ。
 最近ではのりピーこと酒井法子に『横顔』という曲(←火曜サスペンス劇場の主題歌でもある)を提供したり、BSドラマ『チョコレート革命(原作:俵万智)』の主題歌を自ら歌っているので、曲を耳にしている方も多いと思う。
「女性に支持されて」と書いたが、実は圧倒的にファンは男性が多い。コンサート会場に行くと8割は男性。先ほど文中で紹介した辛島HP参加者も、ほとんど男性ファンばかりである。このHPでのチャットやメーリングリスト参加者は、なぜか大学院生の割合が多い。
 辛島さんは'89年デビューだから、私と同じ30代のファンが多いのかなぁと思っていた。確かに7割は社会人なのだが、残りはほとんど大学生、特に大学院生であった。(何でだ?)
 今年4月ぐらいから、このHPを訪れ、伝言板への書き込み・チャットのコーナーに出没、そしてメーリングリストに入会するようになった。
(←我ながらオタク街道をバク進していたなぁ〜この時期は。でも、会社の状況が混沌としていて、もうハマるしかないっていう環境でしたねぇ〜...って言い訳!?)
 このサイトでは、昼間には学生・夜から深夜の時間帯には社会人のファンが訪れ、書き込みや話をしていく。なかなか盛況である。
 チャットのコーナーでは、関西や九州の方とリアルタイムで話ができる。これもインターネットならでは、である。週末は次の日が休みということもあって深夜2〜3時まで誰かしら参加している。...で、誰かしらと話をして盛り上がり、かなりハマる。(あぁ電話代が...)

 この5〜6月にかけて、辛島さんの全国6箇所でのコンサートツアーがあった。東京では6月4日にNHKホールでのライブがあり、その日はツアーのファイナルでもあった。もちろん行くつもりであったが、チケットは購入しておいたものの、会社で組合関係の集会が行われることになり、これは間に合うか?という 状態になった。
 このネット上では、コンサートが終わったらオフ会(飲み会などでじかに顔をあわせる会)という流れになっていた。「オフ会はともかくコンサートもあやういかもぉ〜」とチャットで泣きを入れて(?)しまったところ、参加している皆さんがいろいろと声をかけてくれた。

>大阪でもコンサート後にオフ会やって盛り上がりましたよ。KAOさんも行けるといいね。
>自分は西武にいたデストラーデという選手に似ているらしいから、目印にしてもらえればいいんだけど。でも彼、もう国へ帰っちゃったんだよなぁ〜。顔が載っている雑誌、探しているんだけど全然なくって。
>KAOさん、どんな服装でいくのか、とか特徴(?)をある程度言ってくれればこちらで把握しておいてさがしますよ〜。
>入り口付近でみんな集まっているから、カタマリを見たら引いちゃうことなく声かけてね〜 

...という感じ。みなさんかたじけない!
(ちなみに、KAO(/KAORU)はこの辛島サイト上での私のハンドルネームです)
 このオフ会、過去に数回行われているという。そのため、常連さんはお互いの顔をわかっているが、初参加ともなるとさすがにそれとおぼしき集団に声をかけるのは勇気がいる。私のような初参加組の人もその会ごとに何人かいるらしいが、いくら「皆最初は初参加」とはいえ、普段ずーずーしい私でもしりごみしかねない。本当に、勇気だして声かけて合流できる?いざその場になったら気が引けてしまわないだろうか。
一抹の不安をかかえ、いざコンサート当日。
 実はコンサートの直前、メーリングリストとチャットで面識のあった同世代の女性からメールがきた。
「せっかくチャットとかで知り合ったことだし、この機会にぜひ会いたいので、
遅くなってもいいから良かったら連絡を...」と、メールで携帯のナンバーを教えてくれた。
 直接会ったこともない人から、である。いたく感動!これはもう、ご好意をムダにすることなく何が何でもいかなくちゃ!
運良く、集会は6時で終わり、7時開演にぎりぎり間に合った。そしてコンサート終了後、ホール前で無事合流する事が出来た。(ちなみに、いくつかの集まりがあっていったいどのカタマリなんだぁ〜?と迷ってしまい、ホールロビーの公衆電話から彼女の携帯に電話して、来てもらった)
その方は、私よりも数ヶ月前にこのサイトに来たということで「ここで知り合った人たちはみんな良心的でやさしいから」と言っていた。コンサートが終わって9時ぐらいからの飲み会のため時間は短かったが、しっかり名刺交換をして話もできた。メーリングリスト系とファンクラブ系、30人以上の大集会だった。

 自分にとってはかなりの偶然、そして多少の‘勇気’を伴ったが、いやぁ、会えるものなんですねぇー!通信外でじかに会って交流ができたことは収穫だった。
漠然と「そーいうのもアリよね」ぐらいにしか思っていなかったのに、いともあっさりと実現してしまったことは、最近の自分のあわただしい日常の中では実に新鮮なことだった。

 まぁ、「いい感じのネット上での交流」が出来てラッキーだったが、少し前に、とある派遣会社の社員データがインターネットに故意に流され、これを書いている頃に派遣会社の管理不備を理由に社員が会社に対して訴えをおこしたというニュースもあったり、他にも著作権のことなど、色々あるんですよねぇ。必ずしも「いい感じ」だけでもないなぁ、と思いました。相変わらずパソコンビギナーで右往左往していますが、次から次へと学習する事がたぁーくさん、何だかエンドレス!?という気もしています。

===ここでおまけ...
 ハンドルネームは自分の名前をとって“KAO”にしていますが、このサイト上では、2ヶ月間ぐらい数人の方に男性に間違えられていて、がぁ〜ん!ショック!
でした。「KAORUって、男性にも使う名前でしょ」って、それはそうなんだけど、割と、チャット上でも『ですます』調で通していたからかなぁ。まぁ、言葉遣いが女性らしくなかったかもしれない。ここのところOLじゃなく労働者、だったしなぁ。日頃のワイルドさ(?)をいたく反省。い、いけない、これでは間違いメールが来ても何にも発展しないわっ!(←急に語尾を変える)
ドラマ『WITH LOVE』での主人公のハンドルネームのように‘てるてる坊主’さんみたくかわいい名前にしようかなとかなり真剣に考えている今日この頃です。


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