現在進行中のDUCATIいじり アマチュアにデスモドロミックヘッドのオーバーホールは可能か?
デスモヘッドを何台か分解し 何台かのタペットクリアランスを計り
マニュアルほか資料を読みあさり プロの話を聞き 行き着いた私の結論は

「DUCATI工場の組み立て出荷時のレベルには戻せる」と言う結論です
回りくどい言い方ですが お金と時間をかければマニュアルどおりには
もとに戻り 使用できると言うことです
 
マニュアルどおりとプロによる組み立て調整の違いはどこかと言うと
(ここでのプロとはデスモドロミックヘッドを熟知し真剣に作業することによって
収入を得ているひと)
加工から上がってきたヘッド 数々の構成部品の組み合わせから
15000km20000km先のデスモドロミックの状態を経験より推測し
調整をすることです
バルブシートは新品か加工か バルブフェイスの加工状態は
シムの形状は新品か ハーフリングの形状は ロッカーアームの当たり面は
カムシャフト面の馴染みぐあいは オーナーの使用環境は 
などなどを考慮しクリアランスを調整して行くようです

私には経験も実績も無いわけですから20000km先の予測はできません
しかし お金をもらっているわけでは無いので 時間は掛けられるのですから
デスモドロミックに当たりが出始めて クリアランスが極端にづれる前に
調整を繰り返せば良いのです

「極端に短いサイクルでのシム調整を覚悟する」
ヘッドオーバーホール予定メニュー
カムシャフト
ロッカーアームとの当たり面に傷が無ければそのまま使用する
750cc用のハイカムを使用するには ロッカーアームの動作角の変化に対応するために
ステムの長いバルブを使用しなければならないので 750cc用のバルブになる
しかし傘径が大きく使用不可 したがってカムシャフトを選択する余地はない

バルブ  
シート面の虫食い 曲がりが無ければ フェイスカット芯だしを行う
現行では400と同じサイズになってしまったが 旧600ccのバルブを使用することが可能
バルブシート位置を深く変更しないとバルブ同士が接触してしまう
シムの調整範囲内で内燃機屋さんにバルブシート位置を指定しなければならず
ノウハウが無いのでできません

ロッカーアーム 
当たり面にかじりがなければ 鏡面せずに使用
鏡面仕上げしてハードクロームメッキを施すのも魅力的ですが 
あのザラザラな処理の理由が解らないため保留

バルブガイド 
ノーマルは青銅と鋳鉄のようです 
IN EX共に青銅製に打ち換え 内燃機屋に製作依頼

バルブシートカット
当たり面を外側にしてボートの内径を大きくできそうです
バルブガイドを打ち代え 組み立て前のヘッドを見せてもらったが
オイルが関与していないのに 注射器のような機密性でした
0.03の隙間を体感できました

INポート 
マニホールド接合面のポート面積が バルブシート内径の面積より小さい
バルブシート内径まで拡大し マニホールドとの位置合わせ 内部鏡面加工
ポート内壁の処理方法は色々な考え方が有るようですが 
流速が計れない現状ではやっぱり鏡面

EXポート 
十分な内径があり 拡張は不要 カーボン付着を少しでも防ぐ為に 鏡面加工

ツインプラグ加工
時代遅れの半円型の燃焼室形状と極端なボアストロークでは高回転での
失火 燃焼スピードを上げる為にツインプラグは効果が有ると判断
ヘッドオーバーホール費用概算
某内燃機屋さんの加工料金
バルブガイド製作 4

\5,000

\20,000

バルブガイド打ち代え 4

\1,500

\6,000

バルブシートカット 4

\2,100

\8,400

バルブフェイスカット 4

\1,500

\6,000

バルブすり合わせ 4

\800

\3,200

ツインプラグ加工

\24,000

\67,600

消耗部品
オープン シム 4

\660

\2,640

クローズド シム 4

\1,940

\7,760

ハーフリング  コッター 8

\300

\2,400

ステムシール 2

\660

\1,320

2

\360

\720

カムホルダーガスケット 2

\90

\180

オイルラインガスケット 5

\200

\1,000

\16,020

内燃機加工料金は練習用ヘッドを持ち込み 直接相談し確認をとった金額です
消耗部品は最低交換が必要と思われるリストです 単価は確認を取っていません
プラグ加工を除いた43600円と消耗品16000円の6万円ほどで ヘッドのオーバー
ホールが出来てしまう様に見えますが 最大の問題点はシムです
シムを何個買うはめになるか楽しみです
追伸
「6万円でヘッドがオーバーホールできるのですか?」と質問をいただきました
誤解の無いように補てんさせていただきます

上記の設定は構成部品に損傷が無いことを前提としています
バルブが駄目なら1本13000円 ロッカーアームは20000円しますし
ベアリング6ヶも含まれていません
バルブシートリング入れ替えは4箇所で20000円かかります

ducatiショップでのオーバーホール料金は20万-25万円だと思いますが
メニューにはピストンリングの測定に伴うガスケット ロッカーカバーガスケット
タイミングベルトなどが追記され
エンジン脱着 ヘッド分解 カーボン除去 測定 組み立て調整 車両保管など
含め 製品に対してのリスクを考えると妥当な値段と思います

個人で作業することは リスクは自分が背負ってゆく覚悟が必要です
しかしそれが楽しくワクワクドキドキなのですがね

ショップに頼むにしても 信頼のおけるショップを選ぶ必要はあると思います


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