デスモに優しさを
「優しさを」て言っても 機械に対してですからね・・・・・

仕事の邪魔をしに寄らせてもらっている、River's MOTOR CYCLE 古川氏の施す
マニュアルに無い数多くの作業の中から、私にもわかる 巧みを 二つほど
デスモ運河???
ヘッドに上がってきたオイルは カムシャフト
の中を通り ヘッドの中に散布されます
散布され溜まったオイルは 縦穴からクランク
ケースに自然落下するわけですが
この穴の位置が問題なのです

リアバンクのIN側です
バルブシールの左側の穴です 穴の入り口が
底より高い位置にある為に オイルが排出され
ないで溜まってしまい シールを浸しています
これが シールの劣化を早めてオイル下がりを
起こさせる起因の一つと思われます

壁を削り落として 低い位置から運河を掘りま
した 溜まりはゼロにはなりませんが油面は
シールより低い位置になります
EX側です 
ヘッドの傾きの違いにより かなりの量が
落ちきれずに溜まってしまいます
カバーを外された方は 気がつかれていますね
サイドスタンドを想定して少し左に傾けています
こちらも ザックリ削りました

これで シールは守れるはずです

メーカーができていない ちょっとした所に
気が付き 致してあげる優しさです
スタッドボルト テンション戻し
「スタッドボルトは長いから 締めると
中で捻られている。規定トルクで締終わったら
捻られている分だけ戻してやれば 
ステンだって折れないよ。」古川氏談

理屈はその通りだ 38Nmの強いトルクで
締められれば 長いシャフトは捻られる
捻られてストレスを貯めたまま 打撃を受け
続ければ 引き千切れるよなーー

あの ザクサク 剣山状態で折れた
ステンスタッドを思い出す
折れたんじゃない 引き千切れたんだ   

でも 戻すってどれ位戻すの?

ダブルナット38Nmでどの位 捻れるかやってみた

ありゃー 
トルク掛けたら 締まって行く????
ちゃんと締まってないじゃん!!!!
抜いてみた
ネジロックは効いてるが抜けた

前回はスタッドボルトの増し締めなんて
していませんでした  全部点検


話を戻して 38Nmの捻り ボルトがしなって
曖昧だけどレンチのグリップの太さ分位か???

とりあえず イメージだけ持って実行

段階を踏んで閉めこんで
トルクレンチを外したメガネを掴み
思いっきり 緩めると!!!!!

「クッ」とレンチが回るんです
ほんとです ほんと

考えてみれば 38Nmがこんな短いレンチで回せる訳が
有りません

戻りたかったんですね ボルト
多分 昔は当然のように行っていた作業だったでしょう
素材が替わり 折れなくなったスタッドボルトと
うるさい先輩がいなくなり 当然の作業は伝えられず
忘れ去られていくのでしょう

手をオイルで汚した時 本当にアマチュアに必要なノウハウは
マニュアルや雑誌には書かれていません

私がこんなことをやっているのも
数人の優秀な熱意のあるメカニックに出会えたからです
心から 感謝しています

もどる  << 注意 >>  此処に書かれている事は保証をするものでは有りませんので、 作業をする場合は個人の責任で行って下さい。  また、安全には十分に気を付けて下さいね。