ヘッドオーバーホール 3500kmでどうなったの?
ヘッドオーバーホールを行なって 3500km走行  
使用に何も問題は感じていないが 更なる野望(悪戯)にヘッドを開けました
さて どうなっているのか   お楽しみ
SSのヘッドを外すには ここまでエンジンを傾けないと外れません
エンジンを傾けなくてリアヘッドを外せる 水冷やMが羨ましい 
エキパイ キャブ ベルト 電装 スッテプ サイドスタンド
スイングアームが異常に傾くので チェーンを緩ませます
今回はスプロケを外しました
ショックユニットが持ち上がるので フレームに干渉します ショックも外します
ショックを外すので 何らかの方法で車両を自立させなければなりません
パンタジャッキがペッタンコになるまで 傾けます
元に戻すのは大変ですが 一人で作業が出来ることを幸としましょう
 

フロントヘッド

カーボンはあまり積層されてはいません
一部はアルミが焼け色になっているだけ

排気バルブ周辺と 温度の低い吸気バルブに
付着が見られます


ガリガリ  爪で引っかいてみた
簡単にポロポロ剥がれ落ちる ラッキー
リアヘッド

開けたら ギョギョギョ オイルだらけ!!!
と思ったら 外す時に 下がりオイルラインから
オイルが回ってしまっただけでした

焦らせるなよ

相変わらず リアはカーボン全盛です
FCRのセッティングのせいでしょうか?
フロント

リア


歯ブラシとスプレー潤滑剤でここまで綺麗になりました
写真右のオーバーホール組み立て前とは比較になりませんが
燃焼室の鏡面化(切削痕削除処理)は カーボン付着防止に大変効果があります
ヘッドを開けられたなら 必ず処理してみてください
簡単では有りませんが挑戦してください
 


フロントピストン
一部分カーボンが剥げ落ちている プラグホールからダイヤルゲージを突っ込んだ跡かも
こちらも ここまで綺麗になりました シリンダーも傷は入っていないので
ピストンは外すのは止めよう
ピストンクリップ苦手 ガスケットが面倒なだけです

リア ピストン

同様
分解する前に シムクリアランスを計ってみた

計る前にシムを触ってみる 適正値での感触とは
バルブを閉じる状態にカムをセットして

開けシムは 
シムは自由に回るが 
ロッカーアームとの隙間にカダが感じられない位が正常
隙間を感じられるのなら 広いはず

閉めシムは
強く押してみて ガタを感じたら大きく開いている
オイルまみれの指でシムを回してみる
やっと回せるのなら 正常 回せなければきつずぎ

ロッカーアームカバーを外す機会があったなら 触ってみてください

こちらは
IN側押すとカツカツ言ってる あーー開いてます
 
ゲージにより計測

O/H時
IN
EX
オープン
0.10
0.12
クローズ
0
0
フロント
IN
EX
オープン
0.10
0.13
クローズ
0.05
0
リア
IN
EX
オープン
0.01
0.14
クローズ
0.04
0
オープンは変化がないが INクローズ側が0.05mmも開いてしまっている 0.0より-気味に調整したはずなのに・・・・・・ EXの閉めが開いていないのは バルブフェイスにカーボンが蓄積しているからだろう EXバルブを擦り合わせをして フェイスのカーボンを取り除いてみると 0.03mmも開いてしまった・・・・・・・ 結局 3500kmで両方開いてしまった訳です
フロント

リア
擦り合わせを軽くして カーボンを取り除いたEXバルブフェイスには
もう カーボンの弾痕が発生しています
この点点が 大きく凹んで行くのでしょう
400の問題点ですね
シム調整の狂いについて 再確認します

絶対的な基準は バルブフェイスとバルブシートの当りの位置が基準となります
この基準点がずれる要因は 
フェイスとシートの間にカーボンを噛みこみ開く
強く打ち込まれて シートとフェイスが変形して食い込み開く
入れ替えられた バルブシートが馴染んでシート自体が沈む 隙間は開く
バルブのすり合わせで作られる ザラザラが平らになって隙間が開く
優秀な内撚機職人によりカットされた フェイス・シートは 擦り合わせをしなくても
漏れはないそうで 擦り合わせをしないフェイス・シートは 狂いも少なくなります 

この基準点で位置決めされたバルブを上下に動かし 制御しているのが
ロッカーアームとカムシャフトです この接触面にも大きな力が働いて
ロッカーアームには金属が溶着? カムシャフトには焼きが入っているにも関わらず
ロッカーアームを凹ませ カムシャフトを消耗させて 隙間を作ります
酷い物はロッカーアームがグラインダーで削られた様になります

シムの消耗削ったシムは狂い易いと言われています
シムは非常に硬く 手動でオイルストーン相手に平行を狂わせないように0.05mm削るのは
根気が必要な作業です    切削による表面の凹凸が慣られることによって厚みが痩せる
のが原因と思われます

ハーフリング(コッター)の変形 常にバルブのスリットとシムの間で叩かれています
当然 変形し隙間が開きます    
使用した物を観察すると 当りの違いにより裏表が判断できます
条件により バラバラにせん断されることも有るようです

バルブステム スリット スリットのふちがハーフリングに叩かれて
めくれあがってしまいます 閉めがきつくなると発生するようです

などなど シムクリアランスの狂う要因は沢山ある訳で しかも1/100mmの世界のことです 
ノーメンテナンスで長い時間 無事に使えそうな機構ではありませんね
メンテナンスサイクルを伸ばすには エンジンの使用条件や部品の状態を見極めて
シム調整が行なわれなければなりませが そのノウハウを持つduca職人は何人いるのでしょうか

  
今回間違っていたのは ハーフリングに新品を
使ったことです
 
十分にバリは取り除きましたが 打たれて
変形しています 
機材の問題で解りにくい写真ですが
右 表 左 裏 です
馴染みの出たハーフリングを使うべきでした
この潰れ代が 狂った数値の大半を占めている
と思います
   
そして 解った事と問題点

走行距離3500km 時には10000回転/分を超える 普通の400ccの使い方をしていて
問題が発生しなかったことにより デスモシム調整はアマチュアの手におえる物だと解りました
もちろん自信が無かったら行ないませんが 自信が付き実行するのには何年も掛かりました
大切な自分のducatiですから

ヘッドオーバーホールの重要な部分は 内撚機屋さんの腕にかかっています
内撚機屋さんが要求する数値を把握していないと 正常な加工を依頼出来ません
十分な勉強と話し合いが必要になります

一番の問題点はカーボンです
このカーボン問題を解決しないと コンディションの良い状態は長く続きません 
オイルの上がり下がりによる潤滑油の燃焼によるカーボン付着は問題外ですが
400エンシンはキャブの銘柄に関係なく 燃焼室はカーボンまみれです
900はキャブ インジェクションに関係なく 酷い物がありますが
綺麗に軽く焼けている物も多く見られます
400エンジンは何故 カーボンが溜まりやすいのでしょう

プラグが増えても 解決しません
FCRにはチョークも無く 私は止まった状態ではほとんど暖機を行ないません    
ボアxストロークに起因が有るのでしょうか?
燃えにくい ハイオクタンガソリンが関係するのでしょうか?
体感的に良い撚調は 濃すぎなのかも?


さて

大丈夫
 
でも 油断しないように

まず15mmを削ろう

誰でも 初めてが有ったわけだし

言い伝えのような 神聖な物でもない

機械は正直だけど 騙してくるから

本当に自分の物にするには

奴と会話をするためには

油まみれの自分の手が好きなら

業者と雑誌が作った 神話なんて ぶっ壊しちまえ

   

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