デスモドロミック シム調整 2
時間を掛けた、時間が掛かったとも言う

手元にある数十個のシムで近いところまで組む
誤差を計算しシムを買いに行く 
また組みなおし 更に買いに行く
繰り返し 繰り返し

シムセットが欲しい
VEE TOWのシムセット4Vセットより2Vセットの方が
高いのに疑問がわく
4Vの方が2Vより調整範囲が狭くそろえるシムも
少なくて良いことをしる

また買いに行く

一箇所が決まり 納得し 明日また頑張ろうと誓い
一歩階段を上がった充実感の中で眠り
次の晩 確認すると
「狂ってる」 
昨日の作業は夢だったのか?
またやり直す

気力が薄れる このくらいで良いやと思い始める
いかん いかん 妥協は許さない根を詰める
今までの調整を根底から覆される問題にぶち当たる
また 全て分解しする 一からやり直す

ハーフリングが一個消える
ヘッドの中に見当たらない
オイルラインの中にもない
床にも落ちていない
ズボンのボケットにも無い
無い 無い 無い
新しいの補充しちゃおうか
でも
カムシャフトに張り付いているかも 
見えない
ヤバイ カムとロッカーに挟まったら終わりだ
バラしてカム抜くか 
やるか 
しかたない やろう
やり直すぞ
あ 
ドライバーの先に張り付いていた
良かった・・・・・・

おかげさまで 十分に楽しむことができました
問題なく エンジンが目覚めればもっと楽しい 

具体的なシムの入れ替え方法は書に書いてあるのでここでは省きます
実際に気が付いたことだけ 書いてみます
とにかく 絶対に条件を同一にすることが全てです
シム測定でも書きましたが すべて同じです
計器で計測を繰り返すわけですから 最後にはたどり着くはずです
しかし 計測の条件を一定にしなければ間違った測定をしてしまい
方向性を見失ってしまいます

条件とは
シックネスゲージ 

ケージの入る硬さを決める
私は強くゲージを押し込んで入ればその数値
絶対に押し込めなければそれ以下と決め計りました
ハーフリング

新品のハーフリングを使いました
先端のバリをオイルストーンで面取りしました
製品は かなり変形していて丁寧に仕上げをすると
数値は落ち着きます
測定位置

締め状態は長くカムと接触しています
接触位置でクリアランスは違っています
カムの角度で変化してゆくクリアランスをどこで計るかを決めます
カムの角度を限定せずに 一番狭い値を取りました
シム角度

必ずセットしたシムを45°づつ回転をさせながら
クリアランスを計り 一番狭い値を取りました
オイル
接触面にオイルを塗るか塗らないかで測定値が変わります
私は十分にオイルを添付して測定を繰り返しました
   
掃除

1/100の世界です 徹底的に清掃です 一度装着して外したシムは
パーツクリーナーとエアーでいちいち掃除しました
   
気持ち

一番曖昧な物です
自分で出した結果には甘くなるものです
納期は有りません 気長に構えられればよろしいかと
   
初めて知ったこと
カムホルダー

書に有るようにカムホルダーを必ず入れた状態での測定が
義務付けられていますが
何処にもボルト装着しろとは書いてありませんでした
カムホルダーのボルトの締め付け順番 
締め付けトルクにより シムクリアランスが変わります
少なくとも0.03mmは変わります
カムホルダーにボルトを装着して 毎回同トルクで
固定する必要があります
これで 全てを白紙にもどしました
   
スプリングとクリップ

バルブの密着を補助している巻きバネは
ロッカーアームに巻きついています
開けロッカーアームの横スライドスペースを
埋めているクリップは クリップの口の開き方が
ズレています

スプリングとクリップ両方とも 装着すると
ロッカーアームを捻りシムクリアランスが
狭い方向に押し付けられます
経験を積み重ねている職人さんには 変化の推測が
つきますが 私には見当がつきません 
スプリングなしクリップなしの状態でシムをきめ
スプリング クリップを装着して 多少狭くなるのは無視しました
大幅に変わったのでしたら 再組み立てで条件が変わったと判断してやり直しました
   
ロッカーアームのスライド
開けロッカーアームはクリップを外すことにより 隣の締めカム山にスライトして 
ロッカーアームシャフトを抜かないでも 開けシムを交換できる機構になっていますが・・・

騙されました
悩みました

試しにシムを装着して測定し 適切なシムをバルブステムに載せ ロッカーアームをスライドさせようとしても 
シムにぶつかってスライドできません
シムの測定を誤り厚いシムを載せてしまったと思い念入りに測定しなおしても間違いなし
計算を間違えたと思い足し算と引き算 間違いなし
試しに入れたシムを再度測定して装着 隙間を計っても変化なし
もう一度適切なクリアランスをとれるシムを装着すると やっぱりスライドできない
さっき反対側のEX開け調整は上手く行ったのに
訳が解らなくなりました

気を取り直して よく観察すると
開けカムから 隣の閉めカムに乗り移るポイントはお互いの山が交差する
一点しか有りません EX側は開けカムの低い位置(ロッカーアームが完全に上がりきっている位置)で
スライドするのに対して IN側はカム山に少し乗り上げた位置でしかスライドできません
ロッカーアームが少し(0.2mmぐらい)下がった位置でのスライドになります

すでに閉め調整が0.0mmに調整されているので バルブは下がらない状態に0.10mmのクリアランスしか
与えないシムをバルブに乗せた状態ではスライドは不可能です

必殺の技も有る様ですが 私はシャフトをいちいち抜いてシムを装着しました

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