冬の星座・神話 

オリオン座
一等星二つ、二等星五つを含む冬の代表的星座。
雄大で星の配列が美しいところから、冬空の王者と呼ばれている。もっとも見つけやすい星座で、2月初旬の夜8時ごろ、南の空に燦然と輝いて見えます。
鼓星
オリオン座は、斜め一文字に並ぶ三ツ星(δ星ミンタカ、ε星アルニラム、ζ星アルニタク)とそれを取り囲む四つの星(α星ベテルギウス、β星リゲル、γ星、κ星)がとくに目を引きます。これを鼓の形に見立てた呼び名です。
三つの星を三つ星、四つの星を四つ星ともいいます。

リゲルオリオン座β星の固有名詞。
アラビア語のジル・アル・ジャウザ(巨人の左足)からきた呼び名。青白色の一等星で、700光年の距離にあります。

ベテルギウスオリオン座α星の固有名詞。
アラビア語のイブト・アル・ジャウザ(白い帯をした羊のわきの下)からきたもの。古くは三ツ星を白い帯をした羊、α星、β星を羊飼いに見ていた。後に羊飼いが神話のオリオン(巨人)になり、巨人のわきの下という意味になった。
ベテルギウスは500光年の距離にある赤色超巨星で、太陽の直径の700倍から1000倍までの間、膨らんだり縮んだりしている。そのたびに明るさも0.4等から1.3等まで変化する。

平家星・源氏

ベテルギウスとリゲルの和名。
赤色のベテルギウスを平家の赤旗、青白色のリゲルを源氏の白旗に見立てた。


三つ星
斜め一文字に並ぶδ星、ε星、ζ星の三つの星の和名。狩人オリオンのベルトにあたる。

ミンタカオリオン座δ星の固有名詞。
アラビア語のアル・ミンタカ・アル・ジャウザ(巨人の帯)からきたもの。三つ星の右の二等星で、1500光年の距離にある。


アルニラムオリオン座ε星の固有名詞。
アラビア語のアル・ニタム(真珠の糸)からきたもの。古くは三ツ星全部の名前。三ツ星の真ん中の二等星で、1300光年の距離にある。

アルニタクオリオン座ζ星の固有名詞。
アラビア語のアル・ニタク(帯)からきたもの。三ツ星の左の二等星で、1300光年の距離にある。


オリオン大星雲
オリオン座の三ツ星の下(南)にある有名な星雲。月のない晴れた日には、肉眼でも見える。双眼鏡を使うと、鳥が羽を広げたような姿が視野いっぱいにみえる。1300光年の距離にあり、実際の大きさも25光年の広がりがある。


大犬座
シリウスを含む星座で、北東の二星とで、犬の顔の三角を描いている。ギリシアでは古くからシリウスを犬の星と呼んでいた。2月下旬の夜8時ごろ南の空にみえる。

シリウス
マイナス1・5等星の大犬座のα星の固有名詞。
全天で一番明るく輝くことから、ギリシア語でセイリオス(焼き焦がすもの)と呼ばれた。
英語でドッグ・スター、中国語で天狼、エジプトでは山犬の姿をした死者の守護神アヌビスに神に見立て崇めた。


子犬座
冬の天の川のほとりにある星座。一等星と三等星の二つの星が斜めに並んでいる。

プロキオン子犬座α星の固有名詞。
ギリシャ語のプロキオン(犬の先がけ)をラテン語化させたもの。
シリウスより先に東の空に上がることをあらわしている。一等星で11光年の距離にある。



冬の大三角
オリオン座のベテルギウス、子犬座のプロキオン、大犬座のシリウスで描く、三角形をいう。
三角形の中に一角獣座があり天の川が横切っている。