ひとくちばなし

※チャイルド本社『おかあさんとこどものえほん』に連載した文章が含まれています。

     おうさまの うんち
でないでないおうこくの おうさまは、べんぴで たいそう くるしんでいました。
もう なんねんも うんちが、でていません。
「とにかく きょうりょくな べんぴやくを つくるように。」
と けらいに めいじました。おうさまの めいれいは、ぜったいです。
そして ついに せかいで いちばん きょうりょくな べんぴやくが、できました。おうさまは おおよろこびで くすりを のみました。
ところが、どうでしょう・・・なんねんぶんもの うんちが、いっぺんに でてきて さあ たいへん。
おうさまの からだは、うんちに うまってしまいました。

へんてこおうこく

へんてこおうこくの おうさまは、おもしろいことしか うけつけない へんてこおうさまです。
いつも けらいに へんてこな ことを やらせては、わらっています。
もちろん じぶんも へんてこが、だいすきです。
でも いつも けらいは、むりして わらっています。わらわないと まほうを かけられてしまうからです。
あるひ へんてこおうこくに たびびとが、まよいこんできました。
おうさまは、たびびとを あいてに じぶんと どっちが へんてこか へんてこうたがっせんで しょうぶすることにしました。
たびびとは、なにもしらずに しんけんに うたを うたいました。でも あまりにも へたな うたに みんな おおわらいです。
しあいは、もちろん たびびとの かちでした。
おうさまは、おこって たびびとに まほうを かけました。
それは うたが、すごく じょうずになる まほうでした。

 かいじゅうのタマゴ

そらから ドスン!と どうぶつむらに おおきな タマゴが、おちました。
さいしょに みつけたのは、むらで いちばんくいしんぼうな こぶたたちです。
「おおきな おおきな タマゴやき いっぱい たべれるぞ!」
「でも どうやって われば いいのかな?」
こぶたたちは、いろいろと りょうりの ほうほうを かんがえました。
しかし こぶたたちが、タマゴりょうりを たべるきかいは、やってきませんでした。
なぜなら タマゴは、かってに われて なかからでてきたのは、なんでも たべる  かいじゅうペロペロンでした。
こぶたたちは、じぶんたちが たべるはずだった タマゴに たべられてしまったからです。

さいせんばこ

タヌキの おかあさんは、かぜを こじらせて ねたきりです。
「こまったときの かみだのみ。」
と こダヌキは、かんがえて じんじゃまで やってきました。
おさいせんを もってないのに きがつきましたが、どうしても おかあさんの びょうきを なおしたくて かみさまに おねがいしました。
すると きゅうに かぜが、ふいてきて いちょうの きから たくさんの ぎんなんのみが、おちてきました。
こダヌキは、それを ひろうと おかあさんの ところに もってかえりました。
その ぎんなんのみを いって おかあさんに たべさすと おかあさんは、たちまち げんきになりました。
こダヌキは、おさいせんを わすれたことを おもいだしたので さいせんばこにのこった ぎんなんのみを いれておきました。

  

   おばけと キツネ
キツネに ばけた おばけと おばけに ばけた キツネが、おなじやまに すんでいました。
キツネに ばけた おばけは、いつも やまの キツネたちと たのしく すごしていました。
いっぽう おばけに ばけた キツネは、もりの どうぶつたちを だまして おどかすのが だいすきです。
あるひ おばけに ばけた キツネが、キツネに ばけた おばけを ほんとうの おばけだとは しらないで おどかしてみようと おもいました。
きの かげで まちぶせすると・・・
「おばけだぞ〜」と おおごえで さけびました。
ところが、キツネに ばけた おばけは、おおよろこび。
それを みて おばけに ばけた キツネは、
「まるで キツネに つままれたようだ。」
と いいました。

あいけんコロ

おとこのこの うちには、かわいい こいぬが いました。そのこいぬは、コロといいます。コロは、すごく かわいいので きんじょの こどもたちも コロを かわいがりました。コロも じぶんほど かわいい いぬは、いないと こころのなかで おもいました。
しかし コロが、おおきくなるにつれて あまりめだたない ふつうの いぬに なりました。
それから おとこのこが、おおきくなって しばらく コロと わかれて くらすことになりました。
コロも おとこのこも さびしいけど がまんしました。
すうねんたって コロも としを とって うごきも ゆっくりになりました。そんなあるひ おとこのこが。たくましくなって かえってきました。
おとこのこは、だいすきな コロの あたまを なでながら・・・
「おまえほど かわいい いぬは、いないよ。」
と いいました。すると コロは、ゆっくり しっぽを ふりました。

 マラソン

どうぶつむらでは、まいとし うんどうかいを ひらきます。
さいごに むらで はじめての マラソンを はしることに なりました。
たくさんの どうぶつが、さんかしました。
ふつうの かけっこで カメに まけている ウサギは、とくべつ はりきっています。カメも がんばりやなので まけては いません。
みんな おたがいに はげましあったり こうふんしあったり ワクワクドキドキです。
ヨウイ・・・ドン!で みんなが、いっせいに はしりだしました。
ところが はしっても はしっても きりがないほど とおくて つらくて くるしくて いつのまにか ワクワクドキドキは、なくなって みんな なきながら はしりつづけました。

たんてい

クロヤギさんの たんていしゃに はんとしぶりに しごとが、まいこんできました。
うれしくて きもちが、うきうきしてきました。
ところで たんていしゃでは、さいきん むりして ファクシミリを かったばかりです。
これで やっと せいかつが、らくになるとおもいました。
もちろん しごとの いらいも ファクシミリで きます。
しかし しばらくして きが つきました。
クロヤギさんが、おなかを すかせて たべたのは、ファクシミリの かみだったことを。

   うどんやさん
やまおくに うどんが だいすきな キツネと タヌキが、いました。
あるひ キツネが、タヌキに いいました。
「うどんは、キツネうどんに かぎる。」
すると タヌキも いいかえします。
「タヌキうどんほど うまい うどんは、ない。」
そんなキツネと タヌキが、にんげんに ばけて にんげんの うどんやさんに いくことになりました。キツネうどんと タヌキうどんと どちらが、おいしいか たべくらべるためです。
ところが どうでしょう にんげんの うどんは、とても おいしくて・・・キツネも タヌキも うどんを つぎからつぎへ おなかいっぱい たべました。そして つい うとうと キツネも タヌキも ふかくにも ねむってしまいました。つぎのあさ うどんやさんの カンバンには、こんなもじが、はいりました。「ほんものの キツネうどんと ほんものの タヌキうどん はじめました。」

いぬの しつけ

おとこのこにとっては ポチは、せかいで いちばん かわいい いぬです。
でも ポチは、さわいでばかり。いつも おかあさんに おこられます。
おとこのこは、ポチを おりこうな いぬに したいと かんがえました。そこでおとうさんに きくことにしました。
おとうさんは、おとこのこの あたまを なでながら いいました。
「ポチを しつけるには、ポチの いちばん ほしいものを ポチの はなさきへもっていって じかんを かけて しつけることだよ。」
すると それを きいていた おかあさんが、
「なあるほど にんげんの こどもと おなじように しつけるのね。」
と いったので おとうさんは、あわてて・・・
「よいこには、ものではなくて ゆめを あたえるんだよ。」
と いいかえしました。

 

かごのとり

かごのなかのとりは、いつも そらを ながめながら いいました。
「じゆうになって そらを とんでみたいなあ〜」
とりかごを もってる おとこのこも そらを ながめながら・・・ 
「いっしょに そらを とべたらいいね。」
と かごのなかのとりに はなしかけました。
あるひ おとこのこの ゆめが、かないました。
ひこうきに のって りょこうに いけることになったのです。
おとこのこは、ワクワクドキドキして いいました。
「やっといっしょに とべるんだね。」
かごのなかのとりも ワクワクドキドキでした。
そして おとこのこは、とりかごを もって ひこうきに のりこみました。
けっきょく かごのとりは、かごのなから がっかりしながら おとこのこの かおを ながめていました。

    あくま

おとこのこは、あまり べんきょうの できるほうでは ありませんでした。
あるひ やしょくを たべながら ためいきを つきました。
「もっと あたまが、よかったらなあ〜」
そんな ひとりごとを いったときです。・・・
あくまが、あらわれて いいました。
「ぼくは、おなかが ぺこぺこです。きみの やしょくを ごちそうしてくれたら
きみの あたまを よくしてあげますよ。」
すると おとこのこは、すこし かんがえてから あくまに やしょくを さしだしました。
しばらくして おなかが いっぱいになった あくまが、いいました。
「あたまを よくするには・・・たくさん おべんきょうするのが いちばんさ。」
そして あくまは、どこかへ きえてしまいました。

     キューピット

こいする しょうじょが、ためいきを つけば・・・どこかで あいの キューピットが、                            みまもっているはずです。
あるひ キューピットが、しょうじょに はなしかけました。
「きみの こいする ひとを わたしが、このやで いぬいてあげましょう。」
しょうじょは、めを かがやかせました。
しかし つぎの ひの しんぶんには、
「はだかの てんし さつじんみすいで たいほ。」
そんな きじが、めに とまりました。

        こねこのゴロ

こねこの ゴロは、いつも ひるねばかりしています。あるひ おかあさんが、こどもたちに ネズミの とりかたを  おしえようとしました。ほかの きょうだいたちは、おかあさんの まねをして いっしょうけんめいです。でも みんな こどもなので うまくは いきません。
おかあさんは、こねこの いるほうへ ネズミを おいこんで だれが、 いちばん はやく ネズミを とれるか きょうそうさせました。
そして おかあさんが、ネズミを おいだしたときです・・・ゴロが、おおきな あくびを しました。すると そこへ ネズミが、にげこんで ゴロのくちの なかに すっぽり。・・・ゴロは、みごと いっとうしょう。
きょうだいたちは、がっかりしました。

   カラオケびょう
おとこのこも おとうさんも カラオケが、だいきらいでした。
おとうさんは、こどもの ときから うたが へたくそで ひとに わらわれるくらいなら ぜったい うたわないと おもっていました。
そんな おとうさんが、カラオケを はじめました。
どうしてなのか だれにも わかりません。
ただ きが、かわっただけだとか。
おとこのこは、おとうさんの へたな うたを きかされて いまよりも もっと もっと きらいになりました。
ところが そんな おとこのこも カラオケを はじめました。
どうしてなのか だれにも わかりません。
ただ きが、かわっただけだとか。  

てぶくろとネズミ

ゆきの うえに やぶれた けいとの てぶくろが、おちていました。
そんなとき びんぼうな ネズミ4ひきが、さむくなってきたので きるものを さがしていました。
ちょうどいい てぶくろを みつけて おおよろこびです。
いっぴきづつ やぶれた あなから あたまを だして たのしそうに あるきだしました。
ところが こんどは、そこへ ぼうしを なくした イヌが、やってきて ゆきのうえを あるいている てぶくろを はっけん。
「あったかそうな てぶくろだなあ。ぼくの ぼうしに ぴったりかもしれないぞ。」
そういって てぶくろを ひろいあげました。
すると ネズミたちが、あわてて いいました。
「ぼくたちが、みつけた てぶくろよ。だれにも わたさないよ。」
でも イヌは、その てぶくろを ネズミと いっしょに むりやり かぶりました。めでたしめでたし。

自己紹介をさせて下さい。