12月31日 年の瀬に 

 いつかは報告しなければと思いつつ、ずっと書けないでいましたが、心に区切りをつけるためにも、やはり今日、報告します。

 3月17日、キッキの死亡を確認した。飼育日数520日、推定日齢528日齢(1才5ヶ月)だった。一昨年の10月、草刈されたオギについていた巣ごと保護され、私の元にやってきた。「素敵な宇宙船地球号」で紹介された子カヤの1頭だ。

 今だから告白するが、当時、私は精神的に非常に苦しい状況にあり、フィールドに出られない日が続いていた。カヤネズミの研究者なのに、カヤネズミどころか巣も満足に見ていない、そのことでさらに自分を苛んでいた。その時期に、突然人差し指にちょこんと乗るような小さな7つの命を委ねられた。とまどいながらも何とか助けたい一心でつきっきりで世話をし、成長に一喜一憂しながら毎日を過ごしているうち、スカスカだった心に少しずつエネルギーが戻って来るのを感じた。

 ケージの生活は快適では無かったと思うが、キッキは他のきょうだいが死んだあとも頑張って生きて、私のエネルギーがほぼ回復したのを見届けるように息を引き取った。もしかしたら、きょうだいの中で彼が一番義理堅いネズミだったのかも知れない。

 

 大切な人や動物たちとのつながりは、ジグソーパズルのピースに似ている。それぞれの存在は、「私」を構成するピースのひとつで、似たような形はあっても、同じものは一つとしてない。克服したと思っていても、何かのきっかけで悲しみが呼び覚まされてしまうのは、一度欠けてしまうと、別の誰か(何か)では、埋め合わせることが叶わないからだろう。

 今年、新たにいくつかの出会いがあり、いくつかの別れあった。その全てが人生の糧になるよう、
私を助けてくれたキッキたちに恥ずかしくないように、来年は、今年よりちょっとはましな自分になりたいと思っている。