2005/12 鹿児島 - 3日目

3日目は前回の鹿児島ツアーで足を踏み入れなかった桜島に向かいました。 朝は小雨が降っていたのですが昼には晴れるという予報を信じてスタートしました。


3日目の朝、国分は朝日が射し込んでいるのに小雨が降っているという微妙な天気でした。 霧島の山々は全く見えませんでした。


天気予報では雨は止むことになっていたのでホテルを出発するのを遅らせていたのですが、 9時になっても止まなかったので、しかたなく雨具を着込んで走り始めました。 最初は県道472号線を南下し、その後は国道220号線をひたすら南下するコースで進みました。 国分から桜島までは海岸まで山が迫っているので、 坂をなるべく避けようとすると他に選択肢はありません。


6Kmほど走った地点で県道472号線は国道220号線に突き当たります。 そこを左折して国道220号線に入るとすぐ亀割峠への登りになりました。 その登り口からは目的地の桜島が見えました。 雲が多く山頂付近は見えなかったのですが、 標高の高い部分は白くなっているのが判りました。 この冬最初の雪化粧らしいです。


亀割峠は標高が70m程しかない峠ですが、この日の最難所でした。 国道220号線の亀割峠は幅が狭いうえに大型車の通行が多く自転車には厳しい道なのでした。


亀割峠を越えると霧島市福山町です。 福山町の 「宮浦宮」 には樹齢1000年以上、県内最大の夫婦銀杏があります。 12月なので葉を落としていたのですが、樹勢は旺盛とのことです。

福山町は 「黒酢」 でも有名です。 醸造のための瓶が並べてあるところが何箇所もありました。 天日に当たるところに1年間置いて醗酵させるそうです。


国道220号線沿いにはみかんの無人売店が何箇所もありました。 みかんは好きなので買いたかったのですが、 1袋がかなり大きく重そうだったので断念しました。


国道220号線に並行して廃線跡らしきものがありました。 後で調べたところ、国鉄の大隅線(国分〜垂水〜鹿屋〜志布志)の廃線跡でした。 1987年3月に廃止されたそうです。 ちなみに開通は1972年で僅か15年しか使われなかったそうです。


この廃線跡を利用した道路があったので走ってみました。 国道220号線は車の通行が多いので、 廃線跡が全て道路として整備されていたら良かったのですが、 一部だけのようでした。


少し走ると整備された区間は終わり荒れるにまかせたような状態になっていました。 轍はあるので農作業の車ぐらいは通るようでしたが、自転車には辛い状態でした。


国道220号線は錦江湾沿いを通っているのでどこからでも桜島が見えました。 5合目ぐらいから上が雪化粧していました。 天気は思ったほど回復しないで曇り時々小雨のままでした。 風景は良いのですが、海から冷たい風が吹き付け辛い行程でした。


大隅半島と桜島が接する少し手前に 「道の駅たるみず」 がありました。 2005年4月に出来たばかりの新しい道の駅で、 手持ちの資料に載っていなかったので現地で見るまで存在を知りませんでした。 ここからは桜島が間近に見えました。


大隅半島と桜島が接する地点で右折して県道26号線に入りました。 ここから桜島を反時計回りに走りました。 この付近では国道220号線の改良工事が大々的に行われていたので、 さっさと通り過ぎました。


県道26号線は桜島の北側を通る道です。 南側を通る国道224号線がメインルートになっているので、 北側の県道26号線は車の通行が少なく閑散とした道でした。 この県道26号線に入ってすぐに 「この付近は、桜島爆発の時、噴石が落下する恐れがあるので、通行に注意して下さい」 という恐い看板が出ていました。


県道26号線はアップダウンの連続で、桜島の北岳・南岳を一望できる所はほんの一部だけでした。 静かで良い道でしたが、その点だけは残念でした。


桜島に入ってから3.5Kmほど進んだ黒神町には有名な 「埋没鳥居」 があります。 大正3年(1914年)の大噴火の際の火山灰で埋もれてしまったものです。 この時の噴火は凄まじくて八つの集落が埋まったそうです。 桜島が大隅半島と繋がったのもこの時の噴火です。


埋没鳥居のある集落から少し坂を登ると川があったのですが、 水が流れる川というより土石流が流れる所という感じでした。 立派な堤防があるのですが集落のほうがずっと低い訳で、ずいぶん危ない感じでした。


島の北東側の県道26号線は山側の展望はいまいちでしたが、 海側の風景はなかなか良いものでした。 アップダウンが激しくて辛い箇所もありましたが、 自転車で走るには良い道でした。


島の北東のアップダウンの激しい区間を抜けると白浜です。 そこに 「さくらじま白浜温泉センター」 があるので立ち寄りました。 鉄分を多く含んでいるらしく赤茶色に濁ったお湯でした。 午後1時半ごろだったせいか、利用客は少なくゆったりと利用できました。 ただ、錦江湾の展望が良いという露天風呂が設備の問題で閉鎖されていたのは残念でした。 鹿児島市営(桜島町営だったのですが桜島町は鹿児島市に合併しました)で、料金は300円でした。


「さくらじま白浜温泉センター」 のすぐ脇に桜島大根らしきものの畑がありました。 葉っぱしか見えなかったので不確かなのですが、 普通の大根に比べて立派な感じだったので桜島大根ということにしておきます。


島の北〜西の県道26号線は綺麗に整備されていたのですが、やや単調な道でした。 そこで、一部に旧道らしき道が残されていたので、そちらを走りました。 車には狭過ぎですが自転車には快適な道でした。


桜島の西部まで来ると鹿児島の市街が見えてきました。 昼には晴れるはずでしたが、未だ雲が一面に広がっていました。


途中で小学生が下校しているのを見掛けたのですが、 全員が黄色のヘルメットを着用していました。 桜島の噴火に備えてのものらしいです。


桜島の西端には 「桜島フェリー」 が発着する桜島港があります。 フェリーは鹿児島市街にある鹿児島港との間を15分で結んでいて、24時間営業です。 鹿児島市営(桜島町営だったのですが桜島町は鹿児島市に合併しました)です。


フェリーの料金は、どの方向に乗っても桜島側にある料金所で払います。 自転車の場合もここを通って料金(人150円+自転車100円)を払います。

後でここからフェリーに乗る予定ですが、未だ桜島の南側を走っていないので、 先に進みました。


フェリー乗り場から2Km程のところに 「烏島展望台」 があるのですが、 そこまで走る間に青空が広がり、山頂近くまで見えるようになりました。 雪化粧した山はとても綺麗でした。 あともう少しで山頂まで見えそうだったのですが、 この後、また雲が広がってしまいました。


さらに進み、国道224号線の 「桜島国際火山砂防センター」 の前まで来た時、雲が多いながらも山頂まで見えました。 ここに限らず、島の南西側は東側〜北側と違って山の展望が良い所が多くありました。


左に桜島南岳を見ながら国道224号線を走っていると、 また雨が降り出してしまいました。 それも本格的な降り方だったので噴石避けのシェルターに入って雨宿りをしました。 幸い、5分程で止んだので雨具を着ないですみました。


島の南端、観音崎を越えると古里温泉や大隅半島が見えてきました。 また、先ほどの雨が嘘のように青空が広がってきました。


観音崎を越えてすぐの古里温泉に立ち寄りました。 あと5Kmほど走れば桜島一周になったのですが、 予定より大幅に遅れていたので一周は止めにして温泉を選んでしまいました。 利用したのは 「ふるさと観光ホテル」 です。 男女とも浴衣を着て入浴する 「龍神露天風呂」 が有名です。 お湯は無色透明無臭の温泉らしくないものでした(加温しているが加水は無いそうです)が、 海辺にあるロケーションは最高でした。 入浴したのが午後4時から5時すぎまでだったので、 青空が広がっている状態から日没までの最高のに良い時間帯でした。 入浴料はちょっと高くて1050円でした。


入浴後は暗くなってしまった中、来た道をフェリーの乗り場まで引返しました。 フェリーは運航本数が多い(深夜早朝を除き10〜15分間隔)ので待たずに乗れ、 午後7時前に鹿児島市街に入ることができました。 その後は港から近い鹿児島駅まで走り、そこから国分駅まで輪行で戻りました。 鹿児島駅から国分駅の所要時間は45分ほどでした。

この日の夕食は 「串膳 つく根」 にしました。 なかなか美味しい店でした。 特に鳥皮は表面がパリッと焼けていて最高でした。 締めに食べた蕎麦(その日のお薦めメニューにあった)も良かったです。