2003/04 沖縄 - 3日目:伊江島、美ら海水族館

3日目になってやっと天気が良くなりました。 そこで、手近な離島の中から 伊江島 を選び、観光モードでのんびりと走ることにしました。 また、伊江島からのフェリーが発着する本部港から海洋博公園が近いので、 以前から行きたいと思っていた 「美ら海(ちゅらうみ)水族館」 の見学をすることにしました。


那覇〜伊江島の高速船を運行している 「あさひ観光」 の切符売場です。 他の離島行きの船と異なり、乗船券は港のターミナルビル 「とまりん」 ではなく、 泊港の北側にある営業所で発売しています。

伊江島までの料金は片道で 3,400円です。 所要時間は 75分、1日に2〜3往復しています。 この料金だけ見ると高いと感じてしまいますが、 バスとフェリーを乗り継ぐの場合の料金とほとんど同じで、圧倒的に早く着きます。 今回は 8:00 発の便を利用したので、9:30 には伊江島を走り始めることができました。


高速船 「あさひ1号」 の乗り場は泊港の北岸の最も先端(遠いほう)にあります。 そこまで自走して行き、折り畳んで、船に乗せました。 陸上で係員に渡せば、積み込み作業はやって貰えるので楽です。 伊江島では舳先部分から乗降するので、 大きな荷物は船の前の部分に乗せることになっています。


BD-3 を乗せたのを確認した後、乗船しようとした時、 折り畳みでない自転車の二人連れがやって来たので見ていると、 自転車をそのまま乗せてしまいました。 そう、折り畳む必要なんてなかったのでした。 悪天候などのため船内に持ち込むのでなければ折り畳む必要はないそうです。 そういえば、去年の西表で利用した高速船も同様だったのをすっかり忘れていました。


「あさひ1号」 は定員が60人の小型の高速船です。 石垣から八重山の離島へ行く船と同じタイプなのですが、 後部座席はオープンな構造になっています。


伊江港に到着した 「あさひ1号」 です。 舳先を岸壁に押しつけるようにして着岸します。 到着は 9:15、本部からの最初のフェリーが到着する前です。 早速、輪行を解除して走り始めました。


伊江島ではちょうど 「ゆり祭り」 が行われていたので、 まずは、その会場の 「リリーフィールド」 に向かうことにしました。 港は島の南側、「リリーフィールド」 は北側にあるので、島を縦断するコースで走りました。 島は海岸近くを除くと標高 70m ほどの台地になっているので、まず、登り坂になります。


台地に登りきってしまうと、ほとんど平坦になります。 サトウキビ等の畑が広がっていて、風景も一変します。 その平坦な台地の中で、「タッチュー(城山=ぐすくやま)」 だけが聳えたっていて、 どこからでも見ることができます。


台地上の畑ではサトウキビの他にこの写真のものが多く作られていました。 何か判りますか? これは葉煙草です。 ちょうどピンクの可愛い花が咲いていました。


「リリーフィールド」 では白いテッポウユリが満開になっていました。 「ゆり祭り」 がどのようなものか知らずに来たのですが、 特設ステージで色々なイベントが行われたり(後で知ったのですが、 前日の夜には登川誠仁のライブもあったそうです)、 子供向けのゲーム等が行われたようです。 しかし、私が行った時にはステージ上でのイベントは無く、 会場全体にアンパンマンの歌がエンドレスで流されていたので、 ユリの写真を数枚撮っただけで退散しました。


「リリーフィールド」 から少し西に行ったところにある 「ワジー(湧出)」 の上の展望台から見た島の北側の海岸線です。 島の北側は切り立った断崖が続いています。 展望台は台地の端にあり、海からは60mほどの高度があるので、 荒々しい海岸線を一望にすることができます。 ここはバスツアーのコースに含まれているらしく、 駐車場には数台の観光バスが止まっていて、多くの観光客が来ていました。 土産物屋も営業していました。


展望台の下に続く道が見えたので、そちら側に回ってみました。 「ワジー(湧出)」 まで続いているようです。 ガイドマップには 「ワジーは波打ち際から湧き出る泉で、島の貴重な水源地となっています」 という記述があったので、ちょっと期待してダウンヒルを楽しみます。

道は展望台の直下まで続いていて、そこに 「ワジー」 はありました。 想像に反して、コンクリートで覆われた施設になっています。 パイプが上の方に伸びていることからすると、 貴重な水源は今でもしっかり利用されているようです。


「ワジー」 への道を登り直して、島の周回道路を反時計回りに走りました。 島の北西部ではピーナッツの栽培がさかんなようです。 季節の関係か、畑にピーナッツが植えられているのは確認できませんでしたが、 写真のようなオブジェ(?)が幾つかありました。 この写真のはピーナッツの形が伊江島の地図になっています。


周回道路は島の西部にある米軍(海兵隊)の訓練場を避けるように通っているので、 それを外れて島の西端を目指してみました。 島の西部は牧草地が多いようです。 写真はその中を緩やかに下りながら海のほうへ続く道です。 白い灯台が見えたので、それを目指して走りました。


ところが、灯台へは行くことができませんでした。 直前で米軍の訓練場を囲むフェンスに行く手を遮られてしまい近付くことができませんでした。 あとほんの少しの距離なのですが... しかたなく、引き返し、今度は島の東端を目指しました。


この写真は島の中西部で良く見掛けた杭です。 「USMC BOUNDARY」 と書かれていて、道端の畑の中などにありました。 これは米軍の訓練場との境界を示す杭だそうです。 写真に写っている所はサトウキビ畑になっていますが、正式には訓練場で、 そこを黙認の上で耕作しているということらしいです。 のどかな風景とは裏腹に、困った事態が続いているのでした。


島を横断して西端にやってきました。 駐車場から草ぼうぼうの小径を少し行くと海岸に出ます。 ここは砂浜ではありませんが、珊瑚礁の内側にあり、海は穏やかです。 スノーケリングに向いている感じの海です。 正面には本部半島の海洋博公園の辺りが見えています。


奇麗な砂浜は少し南側、港に近いほうにありました。 さらさらの白い砂がまぶしいビーチです。 さすがにまだ人は居ませんでしたが、夏は賑わうんでしょうね。

ここで時刻は正午を回っていました。 島を出るフェリーは午後1時のあとは4時になってしまいます。 もう少し島を走りたいところですが、4時のフェリーでは水族館をあきらめなくてはならないので、 ここで切り上げることにし、コンビニで昼食を買ってから港に向かいました。 島内の走行距離は約30Kmでした。


伊江島〜本部港のフェリーは伊江村営で、通常は1日4往復しています。 所要時間は30分、片道運賃は580円です。 自転車は530円でした。 旅客運賃とほぼ同額とは、ちょいと高いですよね。


本部港から 「美ら海水族館」 のある海洋博公園までは30分ほどで着く距離です。 直行すると少し時間を持て余しそうに思えたので、 本部港のすぐ近くにある瀬底島に寄り道しました。 瀬底島へは瀬底大橋で渡ることができます。 長さ700mほどの橋ですが、 下をフェリーなどが通れるように高くなっているので、 見晴らしが良く、海洋博公園方面や伊江島を見ることができます。


瀬底島の集落は島の中心部にあります。 フクギの並木もあり、良い雰囲気です。 その中をのんびりと走りました。 日陰が多くて涼しいのがありがたかったです。


瀬底大橋から海洋博公園までは、ちょっとアップダウンの多い道を30分弱の走行で到着しました。 駐車場の隅にある駐輪場に自転車を置き、「美ら海水族館」 の見学に向かいました。 ゴールデンウィークということで駐車場のほうは満車になっていたようですが、 自転車で来ている人は他にはいなかったようです。

水族館の料金は 1,800円です。 ちなみに、年間パスポートは 3,600円、つまり2回分です。


「美ら海水族館」 のメイン、「黒潮の海」 と名付けられた巨大水槽の様子です。 ジンベイザメやマンタが悠々と泳いでいます。 手前の人影と比べると、その大きさが判ると思います。 大きさと魚の数に圧倒されて、なかり長い間この前に留まっていたようです。 来る前は、水槽の中のジンベイザメやマンタを見てもねえ、 という思いがあったのですが、実際に見ると圧倒されてしまいました。 これなら瀬底島への寄り道は止めておくんだったと後悔しても遅いのですが...

水族館の見学を終えたのが午後4時半すぎ。 これから20Km強を自走して名護まで行き、そこからバス輪行で那覇に戻ります。 名護〜那覇の高速バスの最終は午後6時ごろだったので、 ぎりぎりの時間になってしまいました。 その後も一般道を通る路線バスはあるので、帰れなくなるわけではないのですが、 所要時間がかなり違うので、高速バスを目標に名護に向かいました。

名護までの道は、本部〜名護の区間が良くありませんでした。 石灰石の採石場が数箇所あるためか、やたらと埃っぽいのです。 その上、車の通行量も多くて、二度と走りたくないなあと思う道でした。

特に寄り道することもなく淡々と走り、 名護のバスターミナルに到着したのは 17:50 でした。 そこで時刻表を確認すると、高速バスの出発は 17:55 になっています。 間に合ったけれど、ぎりぎりです。 乗り場へ行くとバスは来ていませんでしたが、既に10数人の乗客が待っていたので、 急いで輪行の準備をしました。

ほどなくバスが入って来たのですが、そこでトラブル発生です。 そのバスには大きな荷物を乗せるスペースが用意されていませんでした。 以前にこの高速バスを利用した時には車内に2座席分の荷物用スペースがあったのですが、 それは必ずあるものではなかったようです。 輪行準備を手抜きしてしまった(ペダルは付けたまま、バーエンドバーの向きもそのまま)ので、 BD-3 は通常よりも大きくなっています。 通路に置くのも難しい状態です。 結局、運転手の指示で、前が広い最前列の座席の上に乗せることになりました。 座席上では安定しないので、横に座って手で押さえておく必要があったのですが、 なんとか無事、那覇に着くことができました。 走行距離は短かったのに、最後になって本当に疲れてしまいました。