ブリュッセル到着



さあ、待ちに待ったブリュッセル国際空港! 着いたのは夜9時半だった。機内アナウンスで、「本日のすべての乗り換え便は終了しております」 と何度も流れた。ブリュッセルが中継地の人はたいへんだろうなあ。(その人達は、今夜はサベナ の用意した豪華ホテルに宿泊できるらしいが。) 我々はブリュッセルが最終目的地なので、とにかく公共交通機関があるうちに入国審査をすませて 荷物をとらなければならない。あせるあまり、到着の写真もビデオも一枚もとらないまま 入国審査の表示を頼りに小走りで急いだ。何度も何度も動く歩道を乗り継ぎ、やっと入国審査。

何か言われたら、お父ちゃんに助けを求めることができるように、お母ちゃんが先に審査を受ける。 同じ時刻にラテン系の人々が大勢到着したみたいで、ごっちゃになる。お母ちゃんは日本人のなかでは 最初の方だ。 英語を話すかどうかきかれた。後で考えると、「話せない」、と答えればすむものを、「ちょっとだけ」、 と答えたばかりに、いろいろ質問された。まあ、どうってことのない紋切りの質問だったが。

無事全員入国。前回新婚旅行でブリュッセルを訪れたときには、ロンドンからユーロスターで入国 したので、パスポートには電車のはんこを押してもらった。今回は飛行機のはんこだ。 生後5ヶ月のごまちのパスポートにもはんこがしっかり押されていた。

そして、空港の大混雑のなかを荷物のピックアップの場所を探していそいだ。 何でこんな夜遅くにこんなに大混雑しているのかといぶかしく思うほど混雑していた。 みんな、市内への交通機関の最終便がでてしまうことをおそれて殺気立っている。

日本からの荷物がやっとでてきはじめた。 荷物用のベルトコンベアーは普通は荷物の上に荷物が重ならないように自動でストップする 装置がついているはずなのだが、それが機能していないのか、どんどん荷物が落っこちてくる。 スーツケースの上にスーツケースがのっかって、自分の荷物がでてきても非常にとりにくい。 ごまちは抱っこひもで抱っこされてすやすやお休み中。よかった。これでごまちが泣き叫んで いたら目もあてられない。お父ちゃんががんばって我々の荷物をピックアップしてくれた。 お母ちゃんはごまちのおしめをとりかえたかったけどトイレにはおしめかえ用の台がどこにも ついていなかったため断念した。うんちはしていなさそうだから、気持ち悪いだろうけど ごまちにはもうしばらく我慢してもらおう。とにかく市内行きの最終列車がでてしまうのが 恐かった。タクシーでもいいのだが、夜中の空港からのタクシーは危険だときいたことがある。

ここで問題がおこった。日本のゲートであずけたごまちのベビーカーの取っ手の一部がこわれ て紛失していたのだ。機能的には一部支障をきたすだけでそんなにおおきな損傷ではないのだが 修理するにはサベナベルギー航空の証明書が必要だろう。サベナベルギー航空の制服を着た おばちゃんをみつけて苦情を言った。おばちゃんは申し訳なさそうな顔をしたが、苦情窓口 を教えてくれて、そこに長蛇の列があるのを知ると、「とにかくあそこで交渉してください」 の一点張りにかわった。すでに時刻は夜11時をまわっていた。「あの列に並んで苦情を 言うか、時間が心配なのならあきらめるか、up to you」と言われ、「到着がこんなに遅れたの もあんた達のせいだろう!」と言いたかったがその元気もなかったし、このおばちゃんに文句をいって も仕方のないことだった。それよりはやく市内に出ないと心配だったのであきらめることにした。 外国ではこんなことにいちいち腹をたてていたらやっていけないことはお父ちゃんもお母ちゃんも じゅうじゅう承知の上だ。ちょっと気分を害したことはまあ旅の高揚感の中ではたいした問題で はなくなるだろう。

つづく

目次へもどる