BL学園リレー小説
第2話 濃いからはじまるラブモード(仮)A
めくるめく光の洪水、暗転、そしてピンスポットにに照らされる二つの影。
真っ赤な女王様と、純白の花嫁ならぬ花奴隷。
「この真性マゾは私が見つけ出しだおもちゃですわ!お父様には絶対にわたしませんわ〜!
おーっほっほっほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほ!」
ピシッ
「う…」
お嬢さんの高笑い、しなる鞭…そして俺の呻き声。
「カーット!」
笠原の声で恐ろしい撮影会は終了した。
「お嬢サイコー!鞭さばきサイコー!流し目サイコー!最高の画がとれましたよ!!」
パチパチパチパチ…
笠原の喝采の声と、ギャラリーたちの惜しみない拍手。
「ふふふ〜、自分でもなかなかだったと思うわ!」
「そっこー編集します!30分お待ちください!」
そう言うと、笠原は隣の部屋に消えた。
専用の編集ルームらしい。
俺は…何をしていたんだろう…。
振り下ろされる鞭を、避けようと思えばいくらでも避けられたはずなのに、
甘い…その痛みを自ら求めていた…?
痛み…いや、それ以上の、自分の身体の奥深くから湧き起こる甘美な感覚に酔っていた…?
「ううう…うそだー!誰か嘘だと言ってくれー!!!」
「嘘じゃないよ。確かにお嬢の鞭さばきはすごいけど、あそこまで恍惚とされると、
私なんてまだまだお仕込みが甘いんだなぁって思った。」
片桐の肯定の言葉が、ぐさぐさと突き刺さる。
顔面蒼白、半泣き状態の俺はまたもや心の中のつぶやきを声に出していたらしい。
がっくりとうなだれる俺を尻目に片桐は
「もっとがんばんらないと♪」
張り切っている。何を頑張るというんだ?
向学心(?)に燃える片桐と、その足元に崩れ落ちている俺のほうに、もう一人の男が近づいてきた。
「やぁ、はじめまして、オカマさんの新しい奴隷の人」
「ど…奴隷じゃなくて運転手なんですけど」
近づいてきた男は、宮廷社のオカマモモコ担当編集、真巣マス夫。
今まで自分のことが手いっぱいで気がつかなかったが、やっぱりあのお嬢さんのまわりにまともな人間がいるわけなかった。
ぱっと見は普通のサラリーマンなのだが…足元が…ルーズソックス。
かつて女子高生必須アイテムであったスーパールーズだ。
三つ揃いスーツのズボンの膝から下が変なシルエットでに膨れていて、裾からはもたもたした白いソックスが見え隠れしていた。
「結局は奴隷なんでしょ?なかなかよかったよ、さっきの喘ぎ」
あぁ、どおして俺はこんな変態たちにこんなことを言われなくちゃいけないんだ…。
「奴隷じゃ…ないもん」
「いいなぁ三枝は奴隷なんだ〜、私はペットどまりなのに〜」
力なく反論を繰り返す俺に、片桐から羨望の声が上がる。
ペットよりも奴隷のほうが格が上らしい。
喜んでいいのか?いや、ここは悲しむところだ。
真巣は意欲に満ちた目でまだ熱く語り続けている。
「この分ならオカマさんの次回作も期待できそうだ♪」
「次回作って、まさか…」
「『小公子・三枝』きっと日本文学の歴史に新しい1ページが刻まれるだろうね!」
「へ…?」
いや、アレはダメだろう?
「是非ともウチで出したいよ。オカマさん、装丁とかどうするつもりかなぁ」
真巣は懐から手帳を取り出すと、何やら真剣に書き込みはじめた。
ところで、この衣装は脱いでもいいんだろうか?
コレまでの経験上、勝手に脱いだらまずいような気がしたのと、
着るときは笠原に有無を言わさず着付けられてしまったので、どこから脱いでよいのかわからない。
首輪も、そろそろはずしてほしい…そろそろじゃなくて、さっさと!
きょろきょろとを辺りを見渡して、お嬢さんと環が何やら話しているのを見つける。
着替えの許可を得るべく、二人のほうに近づいていく。
「あ、あのー」
「環、編集が終わったらお父様に送りつけてちょうだい」
お嬢はディレクターズチェア−座って、環から受け取ったタオルで汗をぬぐいながら、メイドから受け取ったグラスの中のあやしげな色の液体をあおっている。
俺の声は届かなかったらしい。
「本当にいいんですか?」
自信満々のお嬢さんに比べて、環はどうも消極的のようだ。
「いいのよ!私のペットを横取りしようなんて、相手が誰であれ許さないわ!たとえ血をわけたお父様だとしてもね!」
「………」
「何?環?何か言いたいことがあって?」
「いえ…ただ…会長を敵にまわすのはあまりにも…」
「何よ!環、あなたどっちの味方なの!?お父様につくというならかまわないわ、今すぐここから消えなさい!」
「そ、そんな!あのときから私は一生お嬢についていくと決めていますから!」
その言葉にお嬢は満足そうに微笑む。
あのとき?何だか知らんが、その「あのとき」以来、環はお嬢についていっているらしい。
そういえば、この二人っていくつなんだろう…。
「三枝氏!まだそんなかっこうしているんですか?!さっさと着替えてください!私の自信作のウエディングドレスにシミでもつけたら許しませんよ!」
ぼーっと立っていたら、後ろから笠原にどやされた。
「い、いいの?脱いでも…」
「笠原!できたのね!?」
俺の弱々しい声は、お嬢の力強い声にかき消された。
「はい!もう、ばっちり!超チョーハツ的ですよ!」
「でかした!さぁ、環!」
「アイアイサー!」
「おーほほほほほほほ!」
お嬢さんの高笑いの響く中、俺はまたもや笠原の超着替えの餌食となった。
「ひーっ」
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^(S)
……………。
…………………………。
………………………………………。
「はい、これで無事にお式が終了しましたよ、花嫁さん♪」
すっかり身ぐるみはがされて、次はどんな衣装が…と期待、もとい怯えていた俺だったが、着替え終わってみればいつもの自分のビジネススーツだった。
あ、と、は…と呟きながら、口元を押さえてグフフと下世話に笑う笠原。演技にしても目が妖しい。
「あちらのお部屋でみなさんお待ちかねですから、頑張ってくださいね」
「…な、何を…?」
これ以上いったい何をさせられるというのだろう。もう俺の心も身体もプライドも、かなりスレスレまできていて何も受け入れることなんてできないというのに。
そんな俺をひたすらに優しい視線で見つめる笠原。その目の端には憐れみも見てとれる。
そ、その慈愛のまなざしには一体どんな意味があるんだ? 笠原、それはもちろん俺をビビらすための演技なんだろう? そうなんだろう?
うっすらと笑った笠原の口元が開く。
「もちろん花嫁のお楽しみといえば初夜に決まってるじゃないですか」
しょ、しょ、初夜ーー!? 誰と誰の? と混乱に困惑に、懇願を重ねるつもりで笠原を問い詰めようとした瞬間、どーん! と力いっぱいこづかれて、おっとっと…という具合に隣の扉を開いてしまった。
絶体絶命、俺ピンチ!
そこに待っていたものは…
「ミカクニンセイブツ、イチ、ニュウシツ…ニンゲン、オトコ、デス…マッショウ、シマスカ?」
「OK…じゃなかった! ノーよ、ノー! パトラッシュ!!」
お嬢さんと思わしき乙女ボイスよりも早く、チュイーン…という音とともに足元に火花が散る。俺はとっさの判断で避けることができたが…これって、レーザー光線? そんな馬鹿な! 俺が忍でなければ死んでたぞ?
この部屋には初夜でなく命の危険が待っている。先ほどまでの笠原とののん気なやりとりを吹っ飛ばすような現実に、一気に目が覚めた。
「パトラッシュ、この屋敷のニューフェイスよ。名前は三枝祐倶。よぉく覚えて頂戴」
お嬢さんが誰もいない方向に声を張りあげる。そこにあるのは一台の端末。
あまりにも突然な危機一髪に周囲を見る余裕なんかなかったから、あらためて部屋をぐるり見て俺は驚いた。
この部屋、壁一面にぎっしりと通信機械が埋まっている。
モニタだけでも50台近くが設置されていて、屋敷中の動きがここで管理できるようだ。
よく見ると積まれている機械の中にはネオジオスティックやセガサターンのマルチコントローラー(通称マルコン)のようなものもうかがえる。
「あ、これ3DO!? うわー、なつかしいなあ!! よく『卒業R(リアル)』とか遊んだよ。志村がすごくビミョーでさ…」
うっかり手を触れようとした瞬間、背後から肩先をレーザーがかすめた。
「うわっち!」
のばした指先の数センチぎりぎりのところで憐れな3DOはぷすぷすと焦げ跡から煙をのぼらせている。
固まって動けない俺をよそに、抑揚のない機械音が淡々と俺のプロフィールを読み上げていく。誕生日から血液型、身長、体重、血圧、視力…?
肺活量、背筋力、瞬発力まできた時には、俺は空恐ろしくなった。一体どこから情報を回収したんだ?
「…イジョウ、166ケン、ヒットシマシタ…ソノタ、ニジデータ、1045ケン、ヒットシテイマス、ホゾンシマスカ?」
「OK、パトラッシュ。後で参考にさせていただくわ」
「リョウカイ、マスター。サエグサユーグ、ニカンシテノ、ジョウホウデ、ツイカハ、ゴザイマスカ?」
「そうね…そうだわ。彼はMよ。覚えておくといいことあるわ」
「エム…エム、デスカ…ワタシノ、ユウシュウナ、ズノウニ、エムトイウタンゴハ、10ケンノ、トウロクガアリマス」
センタクシテクダサイ、という言葉に周囲のモニタがちかちかと光って、ドンドンドン…というクイズ番組のような効果音とともに、右はしのモニタから順番に「母」「マクド○ルド」「マサイ族」「観月ありさ」「宮沢りえ」「牧瀬里穂」「マントヒヒ」「マゾ」「もやしっ子」「ムー」という文字が並ぶ。…なんか、知識が偏ってると思うのは俺だけだろうか?
ピンポーン、ピンポーン! いつの間にかどこからか、回答権ランプを全員が手にしていて、皆口々に叫ぶ。
「マサイ族だわ!」
「りえ、激ヤセ!」
「ムーに決まってるじゃん」
「もやしっ子だよねえ、三枝?」
そして扉がギイイ…と開いておもむろに回答権ランプを赤く灯しつつ入ってきた笠原が、
「私はマントヒヒが好きですね」
と重々しく発言した後、またもとの扉に帰っていく。いったい何なんだ!?
妙なプレッシャーを感じ周囲を眺めれば、そこにいた全員が俺をじっと見つめている。
「え…? あの、その、これって、マゾ…ですよね?」
シーン…と静寂が広がる。あれ、俺なんかまずいことでも? もしかしてランプのないやつに回答権はなかったんだろうか?
心配になって皆の顔色をうかがおうとしたその時。ぱぱらぱっぱぱー♪ という聞き覚えのありそうな陽気な効果音とともに拍手、そして「サエグサユーグ、マゾ、トウロク、カンリョウシマシタ」の声。
「ねえ、認めたわよ、あの子」
「やっぱりホンモノだったんだね」
「すげえっすよ! 俺感動したっすよ!」
うわー! 聞こえるような大声でヒソヒソ(?)するのやめろー!!
「静粛に!」
お嬢さんがカツン、と靴を鳴らして一歩進み出ると、先ほどまでの喧騒が嘘のように静まり返る。無言の空気の中で、ただひたすらブウゥゥゥン…という冷却ファンの音だけが響く。
「お前たち、今から戦争だと私が宣言に対して、ちょっとのんべんだらりしすぎてなくって? 特に環!」
「は、はい、お嬢」
「この編集した女王様映像を一刻も早くお父様に送りつけてやらなければ、何も始まらないのをわかっていないあなたではないはずよね?」
「ただいま転送いたします!」
環は壁に設置した端末に駆け寄ると、神業にも似たタイピングで華麗にパスを打ち込んでいく。
それにしても真っ先に「マサイ族だわ!」などと叫んでいたくせに、ずいぶん身勝手なお嬢さんだ。
「三枝、この子はね、小釜原家の頭脳『パトラッシュ』よ」
部屋のど真ん中に設置された比較的小さ目の端末をポンポンと叩きながら、お嬢さんはこちらを向いて話し始めた。
「日本国内のどんな情報でも、この子が管理できない事はないの。今の小釜原家を支えているのはパトラッシュといっても過言じゃないわ」
「ソウイエバ、サエグサッテ、ミッツノエダデ、サエグサ? サンシシショウ、ミタイデスネ!」
アハハ、アハハ、と機械の笑い声が部屋の四方八方から飛び交う。
「とまあ、余計なツッコミ機能付きでもあるわ」
しかも、けっこう面白くないの。とお嬢さんはパトラッシュをねめつけた。
***************************************(M)
「オモシロクナイ…パトラッシュ、オモシロクナイ…」
パトラッシュはさっきまでのハイテンションから打って変わって沈んだトーンでつぶやいた。
「パトラッシュハ、オモシロクナイ…トイワレタ。パトラッシュ、イラナイコ…」
いつの間にか部屋の照明も絞り気味になり、どこからともなくBGMが流れ出す。
♪かぁさんがーよなべーをして♪てぶくーろあんでくれたぁ〜♪
デュークエイセスであった。低音が魅力だ。
「お嬢!お嬢! パトラッシュがへこみますから、もうその辺で…」
「この前もあんまりいじめすぎて、自我の崩壊直前まで行っちゃったんだから、すこしもちあげといてくださいよ。」
環と片桐がならんで、小声でお嬢さんをいさめている。
「ちょっと甘やかしすぎよ!」とお嬢さんはまだ怒り狂っている様子だ。
それにしても「自我の崩壊」って、この人工知能には自我があるのか…SFだなぁ…
目覚めてからこっち、まるで驚愕の嵐の中をスワンボートで旅しているような俺だったので、もうそんじょそこらのことでは驚かなくなっているらしい。
その時。
♪こがらーしふいちゃ つめたーかろうと♪せっせーと…まできて、突然ぶつんと音がとぎれた。
不快なビープ音が部屋に響き渡り、とともに一斉に赤や黄色の回転灯がが出現し、回り出す。
警告音がが突然ファルセットして、曲に変わった。賛美歌だ。
天井から光の矢がのびて、俺達と端末群を照らし出す。なんだここは?!システィーナ礼拝堂か?
「パトラッシュ…モウコノウチニハ、イラレナイ…ボク、モウネムインダ……」
「やばい!!暴走キーワードが出た!!」
「早すぎるわ!」
画面という画面に、金髪の少年と大きな犬のアニメーションが映し出された。二人(一人と一頭)はくるくる回りながら上昇していく。
片桐と環は手近の端末に飛びつくと、大急ぎで何事かを入力する。が、暴走は止まらない。不気味なサイレンが耳を覆う。
「お嬢!いわんこっちゃない!」
環は小言を忘れず、作業を続けたが、次の瞬間悲鳴を上げた。
「笠原〜! 魅入られるな〜! てゆーか見入るな〜!!」
笠原の姿が見えないと思っていたら、一つの端末の前にしゃがみ込み、エンドレスで映し出される少年と犬のラストシーンに見入って号泣している。
「…ぱ、ぱどらっじゅううううう!!!」
「ばか笠原〜」
怒号と混乱の中、俺はどうしたらいいのか分からず、立ちつくしていた。その時、お嬢さんが俺を呼んだ。
「三枝、いらっしゃい!」
凛としたお嬢さんの声に、俺は無意識のうちに背筋がぴんと伸びるのを感じた。誘蛾灯に集まる蛾のように、あらがうこともできずふらふらとお嬢さんの目の前に膝をつく。
お嬢さんは満足そうにほほえむと、顔をあげ、腹式呼吸で発言した。
「パトラッシュ! これをよーくごらんなさい!!」
お嬢さんは右手の乗馬用鞭を振り上げ、俺に向かって勢いよく振り下ろす!
「…!」
お嬢さんの鞭は、俺の顔のわずか数センチ手前でぴたりと止まる。寸止めだ。
俺はやはりよけることができず、振り下ろされる痛みを受け止めようと待ちかまえてしまった。
「見た?パトラッシュ? 痛みを待ちきれない男の顔よ? どう? おもしろいでしょう?」
お嬢さんの声が次第に高まり…いや、あたりが静かになり、気がつくと警告音も回転灯も止まっていた。
「お前の方が、ずっといい子よ、パトラッシュ」
まさかとはおもうが…俺の顔を見て、もとに戻ったのか…パトラッシュ…。どういう機械だ…。
静かになった部屋で、お嬢さんの優しい声だけが聞こえた。お嬢さんは静かに息をつくと、肩の力を抜いてほほえんだ。
「ハッキングされたのよ。」
「え?!」
環が血相を変えて振り向く。
「そんな、いったい誰に…」
「お父様に決まっているでしょう?? 先制攻撃をされたわ。あのキツネ」
いまいましげにお嬢さんの手の中で、鞭が曲げられ、しなる音が響く。
「こっちが、宣戦布告をするのを見越してよ、その証拠にごらんなさい。パトラッシュの再起動が全然進んでないわ」
「そんなことできる人間が会長サイドにはいるとは思えません」
片桐の言葉には耳を貸さず、お嬢さんはコンソールを拳でどんとたたく。すると突然モニターが息を吹き返し、次々に点滅していった。
しかし映し出されるのはいつものメニュウ画面ではなく…
「ひさしぶりだな、ももこ」
「!…お父様」
池袋駅前のビックカメラのように、視界いっぱいのモニターにすべて同じ顔が映し出された。
「お前のわがままぶりにもこまったものだ。そこで、今回は私も本気になることにしたよ、手始めにこの宣戦布告の先制攻撃だ、ふふふふ。」
会長は、「宣戦布告」の「先制攻撃」が微妙に韻を踏んだことにご満悦の様子だ。
「要は三枝君の意志なんだよ。彼が動くか動かないかということは。そこでだ。」
皆の見守る中、モニター内でカメラがパーン。
妖艶な美少年が、半裸で微笑んでいる。
「三枝君を落とした方が、勝ちということにしようじゃないか。こちらからは、この「吉繁」(よししげ)を出させてもらうよ。」
会長のナレーションにのって、美少年が手を振る。
「なお、この映像はシステム内に記憶されるので、気が向いたら何度でも見ておくれ、気が向かなくてもそうしてもらうよ。毎時の時報代わりにね。ふはははははは。」
会長の高笑いで、VTRは終わった。部屋の住人はおそるおそる主人の顔をのぞき込んだ。
ほぼ般若に近い。
「…受けて立つわ……作戦を練るわよ! 題して「BL学園大作戦!!!」」
お嬢さんの絶叫に、何にせよ、俺には今後いいことはなさそうだな…とぼんやり考えた。
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