2009年2月
青森県立美術館でのワークショップ

「ちぎって、作ろう!青い森と海のいきものたち」
(青森県立美術館教育普及プログラム事業)

青森県立美術館といえば、現代美術の「北の雄」といっても過言ではない。
奈良美智さんの作品群をはじめ、寺山修司氏のコレクション、棟方志功氏の原画や他の作品群もあり、
その他、種々様々な素晴らしい コレクションを誇っている。

その青森県立美術館からオフィシャルの普及プログラムとしてお声がかかった。
担当者の方が、ネットで見つけてくれたのである。
メール、電話で数回意見交換した後、具体的な進行プログラムを考えたのであるが、
実施するのは、厳冬の青森、しかも一番寒いんじゃないかと思われる2月頭。

以上のような事も鑑みて、通常のドロップイン形式ではなく、
「事前申し込み」の形をとった。とはいえ、僕は青森県に足踏み入れるのは小学生以来。
バリューもクソもあったものじゃないし、果たして募集定員の80名集まるのか??

結果として、80名は集まらなかったものの、親子参加で70名弱の方が参加してくれる事になった。
ただし、時期も時期であったため、当日インフルエンザになってしまった参加予定の方もいたりして、
正味60名ちょい。という所かな?

さて、今回もう一つ大きく違う事は、展示作品だけでなく「お持ち帰り作品」も作るということであった。
これが原因で、若干、反省すべき問題も起きてしまったのであるが、それは後で。



1800mmX1800mm Mixed media

作品が出来て、ともかくレイアウトした状況。
楽しいでしょ。どこで制作活動しても思ってしまうのだけれど、
このワ−クショップは、元々、一つ一つの作品にも、こうやってレイアウトする全体画像に関しても
明確な答は、最初からない訳で、いわば、全てが「ハプニング」でしかない。
でもね、だからこそ、一期一会の作品ができると思うんだよね。



館内のプレイルームに展示してみました。
ワ−クショップの作品ですが、参加してくれた方々の作品が「青森県立美術館」に間違いなく展示されている訳です。
そういうオマケは、とても大事です。作品を閲覧しに来てくれるリピーターも期待できちゃいますし、
また、再びワークショップを行う時にもリピ−タ−としての期待が持てます。
参加者側にとっても一度よりは二度、二度よりは三度と参加回数を重ねる事によって、
より面白い作品ができるようになっていきます。
何度やっても同じものは出来ない。だからこそ面白いのです。

さて、個々人の作品を少しだけ講評しちゃいましょう。
本来、僕のワークショップでは、このように個々の講評までできれば一番良いと思っています。
が、現実は時間の都合上、総評となってしまう事が多いのが実情です。
とまれ、御覧ください。

どこにでもコツを瞬時に飲み込んで素早く体得しちゃう子がいる。
彼の場合も典型的なパターンかな?
彼の元気さが作品に良く出ていてとても好感が持てるよね。
上の彼のお兄ちゃんらしい。
彼もまた、僕のワークショップのツボの一つを見事に突いている。
そう、皆がち切り残した端切れを使用して、大きな作品を作る。
知恵と工夫が溢れていると思う。
この子の作品はアイデアに溢れている。結果、一つの作品の中に物語があるよね。一つ一つの作品が皆完成形であって、それを集合体ににするから作品の力はすごいエネルギーの固まりになる。
たぶん「できちゃった!」という感じなのだろうか?でもね、その感じも大事なんだよ。目指すべき作品を想定して試行錯誤するのも大事なんだけれど、偶然という味付けもまた、時として素晴らしい隠し味になるって事。
作品の可愛さもさることながら、
彼女の場合、ポージングまで隙がないね。なかなかのものです。
楽しい作品ができると、楽しい顔になるんだよ。シンプルに楽しむ事が何より大事なんだって事さ。

今回のワークショップでの問題点は、展示作品用とお持ち帰り作品用の両方を手掛けた事でした。
初めての場所である事も災いして、総ての子どもたちに均等にサポート出来なかった事が一番の問題でした。
その辺は、今後の課題として、真摯に考えていきたいと考えています。
出来うるならば、再び青森県立美術館で皆にお会いできる事を念願しています。




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