ハーマイオニーに誤りなし!


これはハーマイオニーの論理は正しかったか?の続きです.

私の論理は誤っていた.その原因の一つは日本語訳である.「賢者の石」のp421の6行目を見てほしい.

「ハーマイオニーは列のはしにある大きな丸い瓶を飲み干し...」ここの「大きな」という字句を見て,私はこれが巨人の瓶(一番大きな瓶)と判断したのだ.これは誤りであった.

「賢者の石」の原文をあたってほしい.ここに重大な誤訳があるのだ.なんとここの箇所は単なるrounded bottleであって,「大きな」という修飾語は原文には全くない.まあ多少関連があるのは,ハーマイオニーはlong drinkをしたと書いてあるので,沢山飲んだかあるいは時間をかけて飲んだのだろう.しかしあくまで右端の瓶は「丸い瓶」なのだ.大きいか小さいかは定かでない.ああ日本語訳に頼った私が馬鹿だった.

さてそうなると,状況は一変する.右端から2番目と左端から2番目の瓶が酒か毒かというのが,分かれ道であった.もしも,このどちらかが巨人の瓶(一番大きな瓶)であれば,それは毒薬ではないということになる!つまり解はこうなる.(例によって左から向かっての表記だ)

毒,酒(一番大きな瓶),黒(一番小さな瓶),毒,毒,酒,紫(丸い瓶)

もしくは

毒,酒,黒(一番小さな瓶),毒,毒,酒(一番大きな瓶),紫(丸い瓶)

どちらにしても,黒と紫の位置は一通りで確定する.ハーマイオニーの論理は正しかったのだ!

(参考)またさらに言うなら,酒と毒の位置関係はあんまり厳密に考える必要はなかった.つまり
毒,毒,黒,酒と並んでいても問題はない.(酒の直左が毒である必要はない)
結局これは厳密には「2本ある酒の瓶の内,向かって右側の酒瓶の右側には毒はない」
ということなのだ.

毒,酒(一番大きな瓶),毒,毒,黒(一番小さな瓶),酒,紫(丸い瓶)

といった組み合わせも正しい.結局組み合わせの数は6種類だ.そのいずれも黒と紫の薬の位置は確定するので問題はない.