Cyber Japanesque


藤娘

ここには、「藤音頭」での曲の構成を記しています。別に藤音頭の部分を「潮来出島」に置きかえるケースも多いです。


曲の構成

 Part1.まず藤の枝を持っての華やかな登場シーン

 Part2.手拭を使ってしっとりと

 Part3.いわゆる藤音頭

 Part4.最後はすっきりとテンポ良く ←しっとり続いて来た後の、ここのスピード感が結構好きです


踊る前の心構え (あくまでも私の場合の心構えです。女性は娘への心のきりかえはきっと不要でしょう(笑))

 ・16歳のあどけない、でも愛する彼氏を想う娘姿に、心を切りかえる

 ・視線は、少々自分よりも背の高い彼氏をイメージ。視線の向きに注意

 ・頭の頂点から腰の部分までは、一本の軸が通るように、姿勢を意識

 ・肩もなで肩に、肩甲骨を寄せる様に

 ・手指の形を美しく。親指も手のひらにつけて

 ・下半身は柔らかく、膝の上下をさせる

 


sacurasakuさんからの実践的なアドバイス (sacurasakuさんは花柳流の方です)

「既にお師匠さんやお稽古場の先輩からもお話があったと思いますが、私からも少々アドバイスを。。。

下浚いの時に目線の位置と踊る位置を確認しておいてください。お舞台のときはお稽古場との広さが違いますから、本番の時に感覚を覚えた段階で舞台の終わり、ということがありがちです。

藤娘でしたら、おそらく最初は舞台が暗転で板付きで始まると思いますので最初の立ち位置については問題ないにしても、踊っているうちに どんどん前に出過ぎないように、気を配ってください。

眺める時や、お客様にお顔をみせるときには、目線をとおくに置いてください。目線が近くなりがちですがぐっととおくに置いてみてください。

衣装をつけると、背中がお留守になりがちです。衣装付けの場合には事情が許すなら早めに衣装をつけてもらい、背中をそらして置いてください。下浚いの時に衣装が付けられるならベストですが、付けなれないときには、本番前に必ずお袖の感覚などを確かめてください。

お扇子を帯に挟み込む振りがある場合には帯に道をつけておいてください。本番の時には手にもドーランをぬってますし、汗もかいています。藤娘ですと塗りのお扇子でしょうから、余計に滑ると思います。帯に道をつけておかないと、しまうときに、きつい帯の間を無理に通さねばならず、もたついてしまいます。小道具の出し入れをするときに、「自分」にかえってしまいがちなのです。後むきでクツログような時も、「自分」に戻らないようにしてください。

それから、何かトラブルがおきたときも、大丈夫。後見の方がきてくれるはずです。

地方さんの場合には、必ず下浚いの時にテープにとっておいてください。普段はテープでお稽古していると思いますが、地方さんだと微妙に違います。(当たり前で、すみません)録音し、何度かきいてみて、踊ってみて何か不都合がある場合、たとえば、ここのくだりはもっとゆっくりやってほしい、とかここはたたみかけてほしい、とかある場合にはまずお師匠さんに相談してみてください。

かくゆう私も、本番時のトラブルの話題には事欠きません。本番中、花道の七三から煙がでたこともあります。なにがあるかワカラナイのですが、とにかくお舞台を全うされますように。」


唄の内容

Part1

若むらさきに とかえりの 花をあらわす 松の藤浪

 

人目せき笠 塗笠しゃんと 振かかげたる 一枝は 

紫深き 水道の水に 染めて うれしきゆかりの色に

いとしと書いて藤の花 エエ しょんがいィィな

裾(すそ)もほらほら しどけなく

 

鏡山 人のしがより この身のしがを 

かへりみるめの 汐(しお)なき海に 娘すがたの はづかしや

 


Part2

男ごころの憎いのは ほかのおなごに 神かけて

あはづと三井(みい)のかねごとも 堅い誓いの石山に

身はうつせみの から埼や まつ夜をよそに 比良の雪

とけて 逢瀬の あた妬(ねた)ましい ようものせたにゃ わしゃのせられて

文(ふみ)も堅田(かただ)の かただより こころ矢橋の かこちごと

 


Part3

藤の花房(はなぶさ) 色よく長く 可愛がろとて 酒買うて 飲ませたら

うちの男松(おまつ)に からんでしめて てもさても と返りという名のにくや

かえるというはいみ言葉

 

花も言わぬ ためしでも 知らぬそぶりは奈良の京

杉にすがるも 好きずき 松にまとうも 好きずき

好いて好かれて はなれぬ仲はときわ木(ぎ)に

 

たちも帰らできみとわれとか おおうれし おおうれし

 


Part4

松を植よなら 有馬の里へ植えさんせ

いつまでも 変わらぬちぎり かいどりづまで よれつ もつれつ まだ寝がたらぬ

宵寝まくらの まだ寝が足らぬ 藤にまかれて 寝とござる

アア何とせうか どせうかいィィィな

 

わしが小まくら お手まくら

空もかすみの夕照りに 名残惜しみて 帰る雁金(かりがね)

 


[Cyber Japanesque Home]      00/05/08 04:47