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SONY MDR-E888SP

SONY MDR-E888SP

 ちょっとギラギラした外観が下品だが、奏でるサウンドは素晴らしい。

 SONYのネットワークウォークマンNW-E10を購入してからというもの、外を出歩くときはいつも音楽を楽しんでいる。新しいCDはタワーレコードに置いてある試聴機で探索するか、CDNOW.comで試聴してからCD屋で探す。無ければAmazonに注文したりしている。思いもかけないCDを見付けたりして楽しい日々だ。

 ところで、NW-E10で聞けるのはATRAC3という圧縮方式でCDから取り込んだ音楽ファイルだけだ。(MP3ファイルも扱えるが、NW-E10に転送するときにATRAC3に変換されている)圧縮率はMDに使われているATRAC1では1/5だが、ATRAC3では1/10になる。最近では長時間モード(MDLP)としてこのATRAC3を採用したMDも登場している。ATRAC3はMP3と比べると同じ圧縮率であればより音質が良いとされている。AV Watchで連載している「藤本健のDigital Audio Laboratory 第42回:圧縮音楽フォーマットを比較する」でATRAC3が取り上げられているが、132Kbpsでエンコードした波形が、ほぼオリジナルと同等の波形をしめしている。MP3と比べると特に高音域がよく出ているようだ。

 今までは2〜3,000円で購入したイヤーレシーバーを使っていたが、実際にMP3より音が良いのであれば、もう少しグレードアップしてみようという気になった。最近では耳に引っかけるタイプのヘッドホンが流行だ。B&OのA8はデザインと装着感の評価が高いが、メガネをしているとあの手のヘッドホンは非常に装着感が悪く、音も外に漏れやすい。従来通りイヤーレシーバーを探してみると、SONYのMDR-E888SPという最高級タイプにたどり着いた。なんと定価8,000円也。実売は6,000円ほどだが、毎日使っているので十分にペイ出来るだろうと、思い切って購入した。

 MDR-888SPの振動板は、SONY、味の素、工業技術院繊維高分子研究所の三者が共同開発したというバイオセルロース振動板が使われている。バクテリアが作り出した“紙”は、アルミニウムやチタニウムに匹敵する剛性を持っているという。実際に聴いてみると、ドンシャリ型とは違った非常に繊細な音が鳴る。いままで聞こえていなかった音が聞こえるのは新鮮な驚きで、スカッと抜ける高音が印象的だ。高音が良く出るので、相対的に低音が少なく感じる。付属のスポンジパッドを装着すると音漏れが無いぶん低音が良く出るが、持ち前の高音が少々こもってしまうので悩むところだ。

 MDR-888SPは最高級タイプだけあって、筐体の出来も素晴らしい。ユニットは薄いので耳の中に押し込むと言うよりは、引っかける感じで装着できる。接合部はラバーで多少の自由度があるので、頭の動きに柔らかく追従する。クリアなサウンドと相まって、掛けていることを忘れてしまいそうな感じだ。価格だけのことはあり、十分に満足できる製品だった。ポータブルオーディオを購入した方は、ぜひとも付属のヘッドホンで満足せず、よりよいモノを探してみよう。

薄いユニット装着感良し

 微生物が作ったバイオセルロース振動板は少々低音域が不足気味だが、濁りのないクリアなサウンドを奏でる。ユニットも薄く、耳への収まりは非常に良い。

自由度の高い筐体

 しかも、付け根でぐにゃりと曲がる。装着感はバツグンだ。

お気に入りCDと共に

 最近のお気に入りCDと。THESE DREAMSは名曲だ。

 

2002/02/02

 

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